ぴよこ日和

いらっしゃいませ。
きたむーです。
お芝居、ライブ、お笑い大好きです。

9月27日 遊牧生活 第3日目

2008年10月04日 | 行った
今日もここに泊まるので、歩かなくていい。これには本当に助かった。
幸い、膝が痛む事はなかったが、とにかく足全体が痛いのだ。

他の芸術家たちはそれぞれ、この村で自分の芸術活動をするようだ。
さて、私は何をしたらいいのだろう?

今日の朝ご飯は、サチョのメンバーが作ってくれたトーストと呼ばれるホットサンドイッチ。


                 

彼女らは役者だけあって自己表現が常に大袈裟で、なんか喧嘩腰の喋り方でうるさい程なんだけど、料理の腕はとてもいいとみえる。
中身の玉子がホッカホカで野菜たっぷりのトーストはめちゃめちゃ美味しかった。

今日はヘジンと一緒にこの村を回って、芸術活動をする事になった。
ヘジンが絵を描くので、その手伝いをするんだろう。だって、私は絵はさっぱりなんだもん。

主催者側のヘジンは色々と雑用が多く、今日もまず事務所まで行かなければいけない用事が出来たようだ。
帰って来たら一緒に作業する事にして、それまで学校の様子などを写真撮影しながらのんびり過ごす。

   
   文化教育の杖と書かれた看板           台所の入り口には木の絵が

         

   

         
         ロバの糞に生えたキノコ。絶対毒だな。

去年どなたかがやった芸術活動が残っていた。石をどっこいしょと担いだ人形。
可愛いなぁ。
今日、ヘジンとやるっていう作業はどんなものになるんだろう。
   

そうこうしている内にヘジンが帰って来た。


                 こちらのミジンとも一緒に村を回る事に。
                 

私達は作業を始めるのが随分と遅くなったが、他のチームは着々と自分の芸術活動の作業を進めていた。

韓紙で人形を作るトゥーン氏。


        石積みの垣根に青が映える。
        

                こちらも何か相談中のようだ。
                

私達が行ったのは、去年ヘジンが出会ったと言うお婆ちゃんの家。
ヘジンは去年、一人暮らしで寂しくしているお婆ちゃんと偶然出会い、一緒に話を交わし、食事をしたのだそうだ。
今年はお婆ちゃんが家から出てすぐに見える倉庫の壁に、お婆ちゃんが見て楽しくなる物を描こうかと考えているらしい。

この倉庫の壁に何か楽しい物を?
それって勝手に書いていいのか?
倉庫の人が見たらビックリするんじゃないの?てか怒られないの?
と、考えるのは私が日本人だからか。そう言えば他の作業中の人たちも結構勝手に垣根に絵を描いていたな。


                 何を描くか。タバコ休憩しながら相談というか、雑談。
                 

何をしようか決められないままボンヤリとしていると、お婆ちゃんがお菓子を持って来てくれた。

しばらく4人で話すも、お婆ちゃんの言葉は完全なチェジュ訛り。
日本人の私はもちろん、ソウルから来ていたミジンにもその言葉は通じていなかったのには驚かされる。
お婆ちゃんの言葉をヘジンが通訳してくれた。

それにしても、なんてゆったりとした時間なんだろう。
目を閉じると、カチガラスの鳴く声、鳩の鳴く声、何かの作業の音、虫の声、たまに通るトラクターの音・・・。
その内、地球の回る音まで聞こえてくるんじゃないかと思える位、この世界は静かで、そのくせ賑やかだった。
青い空がどこまでも続く。
お婆ちゃんと一緒に話したその時間、もらったお菓子の美味しさ、言葉にしたくても言葉にならないこの一瞬を、うちのダンナさんにも伝えられたらと思うと、なんだか泣けてきた。
きっと家に帰れば、経験した出来事を話すことだろう。
だけど、その瞬間感じたこの気持ちをそのまま伝える事なんて絶対に出来ない。
それが口惜しくて、そしてこの気持ちを感じられた事が嬉しくて幸せで泣けてきたのだ。

そして私達のやる作業が決まった。
お婆ちゃんと話をしていた時に自分が座っていた位置に、自分が感じた事を描くと言うものだ。
ヘジンが持って来た道具を取り出し、それぞれ絵を描き始めた。
もちろん、私も。


20分程でそれぞれの作品が完成。
まずはヘジンの作品は「幸せの涙」。

私の涙を見て描いてくれたものだ。

ミジンの作品は「それぞれの位置」。

これはその時座っていた位置をそのまま縮小した物で、ミジン自身が座っていた所には自分が好きな花を、その隣の私が座っていた所には私が空のようだと言ってくれて空を、その上のヘジンが座っていた所には明るいヘジンの性格を表現して日の光を、ハートのマークはお婆ちゃんが私達に暖かい気持ちをくれたからと言うので描いたのだそう。

そしてこれが私が描いた「幸せの青い鳥」。

これだけ幸せを感じたんなら、もうコレを描くしかないでしょう。
しかし本当に何の捻りもない青い鳥になったものだ。それでも絵がさっぱりの私にしてみればこれが精一杯。
しかもこれ、この5月から参加していた「わたしの青い鳥」の絵を真似してみたんだけど、ちゃんとした真似すら出来ていない。
どれだけヘタクソなんだよ・・・。

15時、作業を終えてお昼ご飯を食べに帰る。
大豆モヤシが入ったご飯。豆腐にキムチに海苔。何とも体に良さそうなご飯だ。


16時からはみんなでそれぞれが作業した芸術活動を観て回る。
村のあちこちで作業は行われていた。

小さな白い足跡。

子供が歩いていったような、ちょっといたずら心のある作品。

     丘。
     
     この辺りにたくさんあるオルムと呼ばれる丘を描いたそうだ。

          お皿の絵。
          
          ナンサンリの漢字は蘭山里と書くのだが、その蘭の葉っぱを描いたもの。
          バス停にぶら下げてある。今後、村人の目を楽しませる事になるだろう。

               歌と人形の家。
               
               ギターを弾きながら歌を歌い、それに合わせてゆっくりと歩く女性。
               トゥーンが作っていた人形が、この手前で踊っていた。

枯葉。

実はこの作業は昨日の夜に終わっていたとの事。
一晩かけて吹いた風によって、散らばった枯葉が彼の作品だ。
なるほどねぇ。これが芸術家のやる事か。

     刺繍。
     
     この作品を作った作家も去年ここの家のお婆ちゃんと親しくなったそうだ。
     が、今年来てみるとお婆ちゃんは亡くなっていた。
     お婆ちゃんがいつもボンヤリと見ていたと言う、赤いチョゴリを描いたと言う。
     そしてお婆ちゃんを偲んで花を。

          書道とパントマイムのコラボ。
          
          書道家であるソンウク氏が枯れ木に水で字を書いていく。
          それに合わせて東京からやって来たパントマイマーひろき君が
          マイウェイに合わせて歩くパフォーマンス。

               花。
               
               画家のヒョンリム氏の作品。

お婆ちゃんの家。

この木の枠を額縁に見立てて見ると、お婆ちゃんが仕事をしている姿が見える仕立て。

     噴火。
     
     みかん畑の中に作られた作品。
     オーストリアから参加のコシギ先生ことノバート氏が作った物で、
     落ちていたみかんを噴火に見立てたチェジュの火山らしい。

それぞれの活動を観た後、「みかん倉庫での公演を観に来て下さーい」と言いながら、被り物を被って村を練り歩く。


              

もっと子供たちが観に来るのかと思っていたが、観に来ていた子供はたった一人。
この地域にはもう殆ど子供がいないのだ。

観劇はまずはマリンボーイ氏のジャグリングから。


               そしてチェジュのお爺さんとおばあさんの様子を描いた演劇公演。
               
               笑いの中にしんみりとした悲しさがあるいい作品だった。

お婆さん役のソヨン氏と、


               お爺さん役のテヨン氏。
               

公演終了後、すぐさまバラシ。
そして手の空いてる人間でバーベキューの準備。
今日はキャンプファイヤーだ。


        

                

さあ頂きますと肉を食べ、野菜もたっぷりと食べてマッコリは少々。
いつもなら雰囲気に酔ってお酒もグイグイ行く私だが、今回の旅は本当に慎重だった。
明日はまた歩かなければならないのだ。飲んでる場合ではない。
気が付けば夜中の2時。宴会はまだまだ続いているけど、早々に戦線離脱して就寝。

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