心の中のBYJと共に!

ようこそ!老年期まっしぐらのハルの韓国旅行時々国内旅行の記録です。最近は旅には出ても、報告アップが滞りがちですが…

車椅子の同行者と楽しむソウルの旅NO3ー二日目工芸博物館

2023-05-20 | 2023年春の韓国旅行
車椅子の同行者との旅の二日目。
長距離の移動によるダメージが心配でした。
ほぼいつもの時間に目が覚めると夫も既に起きていたので、昨日の長距離移動によるダメージ具合を聞くと、ダメージは無いわけではないが起きられるし、予定のスケジュールもこなせる由(まずは良かった、良かった^^)
朝ごはんはホテルのダイニングでいただき、食休みもとった後今日の目的地、ソウル工芸博物館目指し10時少し前に出発。非情にも雨が降っていましたが小雨だったので、夫は準備よく日本から持参した雨合羽の上下で車椅子にスタンバイ。私は片手で車椅子をしっかり握り、利腕の右手は傘を掴んでレバーに添え1本半の腕力で椅子を押していきます。
博物館はホテルとはユルゴク路を挟んで反対側に、このコロナ禍中に新しく出来た様です。ホテルから歩いて5分とかからない所にあって、あまり動けない今回の私たちにうってつけの観光施設です。
伝統的な手工芸品が集められ、分野毎に違う棟に展示されています。今日は私の希望で3号棟の刺繍・ポジャギの展示を見ます。



展示会場に一歩入ると壁(紙)に刺繍がほどこされていてびっくり!さすが刺繍展!


「刺繍 開く」



“刺繍の花が咲く”と日本語訳されたこの展示テーマ、みた印象で自分流に「刺繍、花開く」としました。



花の屏風



水墨画風屏風



梅花屏風
壁一面を覆うかの大作、左下に添えられた詩も刺繍で刺してありました。




華麗な刺繍が施されたポジャギ


ポジャギは日本で言えば風呂敷の様な物、何かを包むか、被せるかして使う物であり、それ自体が主役のものではないものです。そうしたものにまで、これほど繊細で華麗な模様を描くとは❣️
包んだ後紐で縛るその紐部分にまで全体に刺繍がされています。どれだけ大切なものを包んだのでしょう!というより中身よりポジャギ自体を見る(見せる)ことに意味があったのかもしれません。どういうシッチュエイションで使われたか知りたいところです。


「座布団」だそうです。


通常の部屋で使うものではなく、「高貴な」女性達が移動するときに使う「カマ」と呼ばれる、輿の上に駕籠を載せた様な乗り物に敷く為の物

カマ内部の装飾として下げられたノリゲ




ノリゲの模様の桃は悪鬼を追い払うと信じられ「不老長寿」を、柘榴は幼い子供達を保護するという説話から「多産と豊穣」を願う思いが込められているそうです。


婚礼衣装



小物


漢詩の屏風



ポジャギq



吉祥模様を直接描いたもの



端切れを縫い合わせたもの


↑の端切れの縫い合わせを徹底してチョガッポ(端切れを繋ぎ合わせ作ったポジャギ)になったと思われます。

チョガッポ色々ー上手く撮れていなくて済みません.小さい端切れが組み合わせてあるところを見ていただけたら〜







今回最も感動した作品

女児用ツルマギ(外套)

袖は’セクトン‘と言って悪い気運を追い払う色とりどり布を縫い合わせた縞模様に作られ、着物でいうところの衽、洋服でいえば前たてにあたる部分にも、袖と同じく色々の端切れで細かい模様に縫い合わされています。そして極めつきは襟につけられた飾りです。ここにもセクトンと同じ色布で、指先の爪よりももっと小さい三角の模様が縫い合わされています。子供の無病長寿を願う親としての思いと、どんな小さな端切れも疎かにしない、資源を大切にする精神が集約された逸品と、言えるのではないでしょうか!小さな三角一つ一つにその子への愛があふれるようです。






3号棟は2・3階が展示場となっていて最上階の4階は収蔵庫、そして古い作品を修理したりするときの部屋がガラス張りで廊下から見学できる様になっています。裏側まで見られるって、とても貴重!美しいものの出来上がった姿だけでなく制作過程が見られると、その物自体への関心もより惹きつけられる機会が増えるのではないかと思います。工芸を次代に繋いでいこうという韓国の本気度が窺えます。


来た時には撮らなかった施設の写真を帰るときに撮りました。
今日見学した3号館



ソウル工芸博物館



二日目続きます。