「木下黄太のブログ」 ジャーナリストで著述家、木下黄太のブログ。

日本と世界のリアル状況確認と僕の思索を書き留めるブログ。
重要なことはメルマガで展開していますので、ご購読下さい。

僕が知る菅直人氏が総理大臣になった事について

2010-06-06 01:33:04 | その他
菅直人氏が総理大臣となりました。
組閣と認証式は週明けですから
なんとなくこれから本格スタートでしょうが
それでも今まで日本の政治の中で
55年体制以降に
このような経歴の人物が総理大臣となるのは
実は、はじめてのことです。
市川房江のような政治運動のリーダーの
後継者からスタートし、
江田三郎が立ち上げた社民連のような
市民グループしか支持母体がほとんどない
少数政党で踏ん張った政治家で
さらに
親はサラーリーマンという中流家庭の出身者です。
出自を考えた文脈の中では
日本の政治体制の根幹が
政権交代以上に変化する可能性も出てくると僕は考えています。

そう考えるのには、もう少し理由があります。

僕は菅氏とは二十年前にあることで
さしで一晩かなり言い争いになったことがあります。
(これはその夕刻の管氏の暴言がスタートです。
中身は本当にくだらないことです。)
その時の話は、
彼が理不尽な言動や振る舞いを
僕にしたことで
居酒屋で割りと長時間の議論になり
しかしながら
事はあきらかに、僕が正しかったので
彼の方が矛を収めました。
大学を出たばかりの若造に
少数政党とはいえ
当時は既に有名人になりかけていた
国会議員の菅氏が
なんとなくの感じですが
わびたことになりました。
「イラ管」の噂通りだが、
よくこんな若造相手に詫びたなと、
実は、僕は思いました。

その後で
喧嘩したから僕と仲良くなったと
菅氏が事務所で話していたという噂も聞きました。

ただ本当に若造だった僕には
その時の感覚も
あまり気持ちのよいものでなく
無理に菅氏のまわりに
出入りしたいとは思いませんでした。

その後、他の事情もあって
ほとんど菅氏とはあっていません。
もちろん厳密に一期一会という感覚ではないですが。

その後には、
彼が厚生大臣当時、久しぶりに何かのインタビューで
大臣室に行ったことが一度だけあり、
「地元事務所は前と変わんないよ」的な
中身の無い、昔話だけした記憶があります。

ただ、政治家に対してあんまり興味の無い僕が
恐らく総理大臣になる人物と
喧嘩することは今後もたぶんなかなか無いような気がしています。
一晩ですが、きっちり喧嘩したおかげで
彼の優れている部分もダメな部分も
僕ははっきりと認識できているつもりです。

鳩山さんも民主党代表になる前に
偶然ですが、
自由が丘の料理屋のカウンターで
鳩山奥様共々、隣席になり
大体こんな人かと見当がつき
後々総理になっていく時に
心の奥底から危惧することに連なる言動を
その時から見聞きしてはいました。

しかし菅さんの場合は
もっと体感的に彼本人、奥さん、息子さん、
周りの人々を含めて、
その本質的な良し悪しが
僕はわかっていると思います。
彼は長所も明確にある人ですし
酷いところもはっきりある人です。

本音を言えば
僕は喧嘩したその日から
個人的には彼のことは嫌いです。
(その前までは関係が深くはありません)
彼が「仲良くなった」と喋っていたと
聞いた時も気分はよくありませんでした。

しかしながら、彼は平気で他人を罵倒するほど
自分が正しいと思い込む力のある人間ですし、
この漠たる世の中を
曖昧にさせるよりは、明確にさせる人間です。
中身の本質に徳があるかは不知ですが
きちんとした中身が注入されれば
おそろしい馬力で突破するタイプの男です。

ターミネーターを考えてください。

菅直人という男は本質的にそんな感じです。
きちんとした使命や目的、中身が入っている状態になれば
おそらしいくらい明確に突破する人間です。
否、間違いました。
マシーンです。

あらゆる敵を本当に叩き潰して
完全に突破するマシーンです。
理系出身という彼の学歴も性格に拍車をかけています。


ファンクショナリストであり、ラジカリストです。


日本という国がどうしていくべきか
極めて難しい剣が峰に立たされているとき。
しかも曖昧で優しくゆらゆらとしている
実態も実感も無い状況から
圧倒的にダメになっているこの日本に、
劇薬として機能させるならば
役立つ可能性のある人物でしょう。
否、また間違えました、マシーンでしょう。

根幹はこのマシーンに適正な目的や中身を注入し
オペレーションする
現実の人々がいるのかということです。
僕が先ほどから書き記しているように
このようなマシーンに付き合える
情感溢れる人間はほとんどいません。
議員であれ、スタッフであれ、
彼を心から支え、なおかつ
きちんとした目的を注入できる能力のある人々は
極めて少数です。

本当に少数です。

僕は菅氏が新総理として来週以降の様々な布陣の中に
こうした人を
組み込めるかどうかが
大きな分かれ道になると考えています。

適正に機能するマシーンとして管直人がなるのかどうか。

僕は菅氏自身はどうでもよいのですが
この日本を大きく立て直すためには
このマシーンがうまく機能すれば
面白いことになる予感がしています。
嫌いな僕でもそう思うのです。

だとしたら、
追い込まれた日本を再生させるために
何を為すべきなのか。

僕は自問自答を重ねながら
とにかく、今、走っています。

追伸①

「市民自治の憲法理論」松下圭一 岩波新書 が
菅新総理の考えの根幹にある書物です。
書物としても一読を薦めますし
菅内閣が機能したときのためにも
一読を薦めます。

追伸②

長井健司銃撃事件の本質的な解決が
菅の政権下で何か方法論はあるのか。
会の代表としてもちろん考え続けています。
長井さんのカメラとビデオ。
ミャンマーとの関係。
もし、いいプランをお持ちの方は
是非直接僕にメールしてください。
ご存知の方は携帯電話でも構いませんので。


追伸 番外 

小沢一郎氏の周辺に媚を売って
総務省の何らかの利権に入りたいというような
欲望をお持ちの方には
僕の書いている中身の本質は理解できないと思います。




「イラ菅、昔から」「輝き再び」新首相ゆかりの人々(朝日新聞) - goo ニュース