「木下黄太のブログ」 ジャーナリストで著述家、木下黄太のブログ。

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オウム事件の時に僕が記者として担当、被差別部落出身を公言した野中広務元国家公安委員長逝去、92歳。

2018-01-27 00:35:06 | オウム

 最近、京都に関りが多くなって、本当に拠点を京都にしようかと考え始めている木下です。その京都の方で、僕がオウム事件で警察庁記者クラブに在籍した当時、国家公安委員長としておられた、野中広務さんが亡くなられました。92歳。

野中さんは、老獪な政治家として知られていますが、僕が若造の時に対した感覚では、今の自民党政治家の誰よりも賢く、強かな人物であったということです。

彼が国家公安委員長だったことは、オウム事件のような半ば革命になりかけた未曽有のテロ事件の際に、しかも警察庁長官狙撃という前代未聞の事態でも、日本が危機を或る程度は突破出来た要因であったと昔から思っています。警察のトップが殺されかけた状態で、その上に立つ国家公安委員長の肝は問われる事態ですから。

その意味では、「政治記者」ではない僕から見ても、野中さんは評価すべき点が多い政治家であったということです。

 また、解放同盟の取材担当も一定期間行っていた僕は、野中さんが「僕は被差別と言われる地域の育ち」というような公言をきちんとされていた政治家であることは、本当に興味深い点です。そうした出身であることを公にしていくことで、政治的なパワーを強めるのにどのような作用があったのか、実はその逆なのかという点は、これからも僕は考えていきたいことになります。

いずれにしても、またしても日本はしっかりとした政治家を一人失い、逆に幼稚化する政治に付き合う度合いが増すことは間違いありません。

野中さんの御冥福をお祈りします。

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