【11/17(土)木下黄太と話す自由が丘ミーティング 】
福島の病院データで、疾患激増という情報の関連も話す予定です。首都圏でお話会をするのは、年に二回程度ですので、関心がある方はぜひおいでください。場所の制約で参加は24名が限界となります。
18時受付開始、 18時20分-20時30分です。
場所は自由が丘駅南口徒歩1分。予約参加者に場所はメールします。
21時から23時なら参加者のうち希望者の方と、近隣で更に話す事は可能。
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2016年初めに出した第100号より。現在は233号となっています。「原発推進肯定思考が優位となる進学校」と大放談です。
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今日は、大放談の2回目をお伝えしますが、気になる話があって、それ
を先に、少し書いておきます。
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【原発推進を肯定した思考構造が優位となる進学校の生徒たち 】
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ある避難者の母子がいらっしゃいました。
お子さんと一緒に避難されて、相当優秀な進学校に進まれました。
そこで、生徒が何か一冊本を決めて発表する授業があるそうです。
その授業で、お子さんは反原発的な内容の本を発表したようなんです。
ここまでは、そういう授業もあるのだろうなという話です。
しかし、その後の展開が、異様です。
その本を薦める内容から、授業の中で、生徒同士で反原発の是非という話
になり、しかし、反原発ではない安倍首相が総理大臣となっているから、
民意は原発容認、反原発はないという結論に至ったそうです。
とてもディベート的な作業感覚の話ですが、これが東大にも多く進学する
ような学校で、授業中に展開している状態であると知ると、僕はとても複
雑な気分になりました。
このお子さんは、まじめに考えて、そうした本を推薦しました。
しかし、ディベート的に長けた対応はしていません。
例えば、自分の避難者としての立場を使って、反原発を言うようなことは、
この流れでは一切していませんでした。
それに対して、クラスでは結局、テクニカルなディベート的反応となり、
現実におきていることを容認することが正しいという立脚点に、押し切ら
れた結果みたいです。
そもそも、ディベートは所詮はテクニカルなものに過ぎませんから、どう
いう文言を使おうが、どういう言い方をしようが、言い負かせば勝ちとい
うゲームです。
そういうことを、授業スタイルに取り上げること自体に、僕には昔から違
和感があります。
(中略)
そのやり方で、現政権が選挙で選ばれたから多数の支持があり、現政権の
することを認めるべきで、だから原発は続けるべきという話が、大手を振っ
てまかり通るそうです。
すべての進学校、東大を狙うすべての進学校が同様とは言いませんが、
そうした事例が、少なくとも東日本ではあったということです。
まだ子供のうちから、そうするような気質の子供たちが、その進学校に
は一定割合以上いるのでしょう。ちなみに、学校には原発容認を積極表明
するタイプの教師も存在するらしいです。
そういう教師がいると、大半のノンポリ教師は、流されやすくなっている
と考えてもよいかもしれません。
こうした進学校が、東日本では体制順応型の子供を生み出しやすいシステ
ムになっている為、こんな流れの授業は行われやすいかもしれません。
そういう子供たちが、そもそも多くいるのかもしれません。
今の日本が進んでいる奇妙な方向性と、こうした子供たちの言動には、
とても類似性があると感じています。
それと、東大ヒエラルキーや其れを構築するシステムは無縁ではないとい
うことを、改めて確認しておきたいと思い、ここに書きとめておくことに
いたします。
原発を推進するための構造は、かなり根が深いということになります。
本日のテーマは次のとおりです。
・・・・ I N D E X ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【 原発推進を肯定した思考構造が優位となる進学校の生徒たち 】
『2016年 木下黄太の大放談(2)』
【 CO2を減らそうとする世界的取組みを、原発拡大の口実にしていく者たち 】
【 除染土を建設資材にしようとする「環境省」は「悪の秘密結社」なのか 】
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『2016年 木下黄太の大放談(2)』をお届けします。
前回は、東海村JCO臨海事故によって、推進側が、放射能の被害が起きな
いように、より気をつけるという発想になっていなかったことを指摘しま
した。その流れです。
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【 CO2を減らそうとする世界的取組みを、原発拡大の口実にしていく者たち 】
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■聞き手 日本ではそうじゃなくって、JCOの事故の結果、2人死んだ、悲
惨な死に方をした、ということから、「いかにこれを隠ぺいし、放射能は
安全である」という風に「国民を教化」という風にいった。
■木下 僕はすごく反省をしてるんですけど、1999年のJCOの事故後にあ
まり原発のことをやっていなかった。普段の担当じゃなかったから、そのまま離れたから、よくあることなんですが、それでチェックを怠った。
当たり前に、原発を減らしていく方向になると思っていたら、実際は原発
は増えてるんですよ。逆目に出ている。
あの時には、ニュース現場で僕たちはあんなに危険を伝えたつもりだった
のに、にもかかわらず、実際上はそれを監視していないと、推進側は、む
しろ増やすってことなんですよ。
■聞き手 これ、経済部と社会部が一番違うのは、経済部的には何か起き
る前に、それを予見することができるけど、社会部の人たちは、悲惨な事
件とか事故とか直面して伝えて、それによって再発を防ぐ、そのようなこ
とが二度と起きないようにする、というのが仕事なわけじゃないですか。
そうすると、木下さんなりには、きちんと仕事をしたつもりなんですよね。
■木下 したんだけど、したことになってなかった。
■聞き手 不思議だ・・・
■木下 要は、世の中の表でね、半年一年語られてる言説はあっても、その言説が何となくもう語られなくなるわけですよ。
時間経過とともに消えていくじゃないですか。それが消えていったために、
それみたことかと、逆に手をどんどん打ってきてる。
そういうことが、この2007年に書かれた本(原子力防災)の、推進側の中
で当たり前に認められるような言説でさえ、どこまで書くのかという議論
で揉めて、ひとり筆者が降りました、と元四国電力の人が書いてることで
わかるのです。
■聞き手 JCOの事故の経験から、おそらくそのような空気が出来たんで
しょうね。
■木下 それはね、なんで民主党がね、原発を推進することになってしまっ
たのかっていうことと、多分そこはリンクしてる部分があるんだろうと思
います。
今回この流れの中で、一番重要なことは、世の中の人たちは、京都の環境
会議で京都議定書が出来たのに、なかなか二酸化炭素対策が上手くいって
ないので、新たにもう一回やりました、ということに今回なったではない
ですか。
そこまでの縛りが強い議定書にはなってないけど、皆でやっていこうって
いうことで、盛り上がりましたって言って、出てきてるじゃないですか。
■聞き手 COP21ね。
■木下 そう。あの話を見た瞬間に、僕はもう何を思うかっていうと、こ
れは、京都議定書というシステムを使って・・・つまり環境を守るという
ため、CO2を増やさないために、原発を増やしたっていうね。
その文脈の中に民主党は過去に乗っかったわけですよ。
そうすると、また同じことが国際的に行われてるのに過ぎないわけですよ。
もちろん、CO2を減らさなきゃいけない、減らせるものであれば、それは
私は否定はしません。
でもCO2を減らすということは、じゃあどうしてやるんですか。
“極力排出を少なくしましょう”という事の中に、何が入ってるんですか。
っていうときに、表面上に言えるのは、自動車をこうしましょう、工場を
こうしましょうとか、そういうことだけなんですか本当に、と。
それを探していってみたときに、結局は、エネルギーをどうするのか、電
力をどうするのかってことに、問題の大半が行き着く部分があって。
その部分というのは、“やっぱり原発は福島(第一原発事故)があっても
やるしかない”という文脈のために―これをいわゆる京都議定書以来十数
年、その状況からなかなか改善しなかった世界各国の意識が、突然に改善
をしたと言い出してるロジックっていうのが、実は本質はそこにあるんじゃ
ないかという気が、すごく直感的に僕はしてるんですよ。
■聞き手 これはね、COP21の結論の本質がそこかどうかは分からないけ
れども、あの結果からすれば、推進側はそれを利用するということは少な
くとも可能であるということなんですよ。
■木下 可能であるどころじゃないと思いますよ。
■聞き手 だからその、COP21の本質は分からないですよ。でも重要なことは、京都議定書だって別に日本の思うように作ったわけじゃないものですよ。
そもそもあれを呼ぶってことはどうなんだっていう議論すらあったわけで
すから。でも結果として推進側は自分たちの持つ力によって、それを自分たちのいい方向に使うだけのパワーを持ってるっていうこと。
■木下 だからまた、それと同じことが使われる道具立てになる・・・
僕が非常に危惧したのは、良かった良かった良かったと、またそういう風
な肯定言説以外は飛び交ってないわけですよ、実際の新聞紙面とかテレビ
とか。でも、私はそれを見ながら何を思ったかっていうと、「あ、また同
じことが起きる、間違いなくそうなる」と。
■聞き手 推進側には利用されるってことですよ。
■木下 いや岡本さんは、エクスキューズを付けて話されてると思うんだ
けれども、僕はもう、そこから疑ってるんですよ。利用されるどころじゃないんじゃないかこの話は、と思ってる部分はかなりあります。
これは僕だって、立証のしようのない話だから、言い様もないんだけれども。
■聞き手 あの、地球温暖化対策の議論っていうのは、単純じゃなくて、いろんな利害関係者がいっぱいいて、その中で、自分たちの良いような方向に行くように皆が引っ張り合いをして、その末に決まったことなので、まぁなかなかそんなに、ひとつの議論を誘導するということは難しい話なんですよ。
■木下 そうなんだけど、でもね、本質的にあの話というのは、CO2を増
やしてもいいですという話には、なかなかならないわけですよ。
■聞き手 それはなってないですよね。僕はそこから怪しいと思ってみているんだけど。僕は別に増やしてもいいと思ってるんだけど、それは置いといて(笑)。
■木下 いや、それもそうかも知れない。でもね、実際にそのCO2を減らさなければいけないということを強くまた打ち出すという。何となく、京都議定書以上にね、気分として全体として皆そう思いましたという風な文脈を立てる・・それでその意味合いだと言って、日本のメディアが、同じように全てが伝える。
この構造になった瞬間に、これはむしろ、原子力発電所を止めるロジック
とは全く逆の方向になってるんですよ。
それを、むしろ推進するためのロジックといっても良いような話を、平気
でしてる状況に、どうやらなり始めてる。そこをどう考えるかっていうこ
とですよ。
だから、かなり事態は厳しくて難しくなってきていると思っていて。
■聞き手 難しいですね。
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【 除染土を建設資材にしようとする「環境省」は「悪の秘密結社」なのか 】
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■木下 例えばね、福井地裁が高浜原発3号機4号機を止めた、仮処分の判
決あるじゃないですか。あれの判決自体は、被曝回避側から見てみたら、ものすごく賛同したい話ではあるんだけれども、でも法的に見たときにね、ああいうことで果たして止められるのかどうかとか、議論は難しいわけですよ。
その判決自体の有効性に関しての、いろんな疑義があるということは、僕は法律をやってきた人間としては、むしろ分かるんですよ。推進側の言ってることも半分は理解できます。
だけど、何が理解できないかというと、
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