「木下黄太のブログ」 ジャーナリストで著述家、木下黄太のブログ。

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「二子玉川での多摩川氾濫は市民団体のせい」と言い張るネット住民の妄想について。

2019-10-15 06:38:47 | 異常気象
「二子玉川での多摩川氾濫が、
市民団体が堤防反対したからだ」と
断定するネット住民が多数いて呆れる。
あの地域での市民側反対運動は、
河川と隣接している低地に
東急による高層ビル群建築に
異議を唱える話。
河川敷側の土地は歴史経緯と地権者意向で通常と違う状況。
一般的な市民運動とは質が違う。

僕は,東京での地元で、
二子玉川近隣の
等々力駅地下化問題では
報道もしたし、
地元の市民グループとも
関わった。

他よりも左派色もかなり薄く、
中心は電通の仕事をしていたカメラマンだった。

関連で二子玉川のことも知っているが、
あまり理解していないネット住民が
妄想を展開してほんとに呆れる。

10年以上前だが、
景観、更に災害時などの対応も含めて、
ああした河川敷低地の高層ビル群に
市民側は異論を唱えたが、
世田谷区と東急は聞く耳を持たずに強行。

今回の台風で対岸側ではあるが、
同様な場所の高層ビルである
武蔵小杉の状況を見ると、
やはり想定したままという思いが強い。

今回の台風で世田谷区周りでは、
本堤防がかなり危うかったと
思っている。
そのポイントは谷沢川から多摩川に流れる水門を閉じる指示が出たこと。
これは、多摩川からの逆流想定があったための措置。

多摩川への水門を締めると、逆流なくても、谷沢川が溢れることはわかる。
そうしたら谷沢川の多摩川近くの低地は床上床下浸水する。
実際に新日本プロレス道場は浸水した。それが起こっても致し方なしと、
多摩川への水門を閉じたのは、
閉じないと浸水どころで被害が済まない可能性があったということ。

つまり、
多摩川の本堤が持つかどうかの戦いが
繰り広げられていて、
多摩川が大きく氾濫したり、
堤防が決壊したら、
数十年前の『岸辺のアルバ厶』再現になる。
というか多摩川べりの
家屋数が違うから、
被害は桁違いになったと思われる。
今回は間際で凌いだ話。

多摩川べりの低地は、
世田谷の現地で見れば一目瞭然だが、
高台の高級住宅の下に多摩川近くの低地に小さな住宅が広がる。
このリスクはやはり有事には大きいと
改めて確認されたということ。

実際に氾濫箇所は本堤防の外側、もとは河川敷内なので前提が全く違う。

二子玉川駅近くの低地は、
元来から地形的不利があり、
長年東急グループが保有するも、
有効利用していなかった場所。
ここに高層ビル群を建てたことで
街は様変わりしたが、
一般的な意味で活性化したと考える
地元民は少ない。
今回の台風でこうした
河川敷低地の高層ビルリスクは、
顕在化したと思う。
1990年代に『高層ビルは間違っている』というニュース特集を、
故荻原博子ディレクターと作った僕は、
高層ビルが乱立する東京に懐疑的だが、
河川敷低地という
地質や地形的に条件が悪い場所の
高層ビルには懸念は更に強まる。
その典型的事例が、
二子玉川や武蔵小杉だと思っている。
そういう視点は皆無で、
現状に至る経緯も知らず、
「市民団体が反対したから多摩川が二子玉川で氾濫した」と言い張る
ネット住民は知能の質が
あまりにも酷すぎる。
あの氾濫ポイントは、
ある意味で想定内の氾濫。
現地を知っていれば常識。
行って見たらわかる話。

結局、日本ではネットから
現実にきちんと対応する人は
殆どおらず、
妄想で自己満足する輩しかいない事が、
こんな話でも確認できたと思っている

合掌。

台風影響で東京ミーティングは11/17(日)に再延期、岡山講演会は満員で恙無く終了。

2019-10-15 04:45:22 | 福島第一原発と放射能
【連絡】
10/20(日)16時から予定していた
東京 自由が丘での
ミーティングですが、
今回の台風被害関連もあり、
11/17(日)の同じ時間、同じ場所に
延期いたします。

既に申し込んだ方には、
事務局より変更後の参加に関して
直接確認連絡します。

再延期となりますが、
天変地異の為、ご了承下さい。

また、昨日の岡山での講演会は 
満員で恙無く終わりました。

話が多岐にわたる状態で
僕の話が長くなり、 
質疑応答等の時間が、
あまり取れなかったことを
お詫びします。

汚染水関連の話し合いは、
講演会前に一時間程度、
別の場所で行いました。
岡山では理解しそうな団体や店などに
署名用紙のお願いをする流れになっています。