東京新聞が「スクープ」を掲載しています。東京新聞政治部のツイッターアカウントが「スクープ」と宣伝しています。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201602/CK2016022002000148.html
消えた場合のアーカイブ https://archive.is/APvrR
もちろん、独自情報ですから、広い意味ではスクープではあると思います。
しかし、僕はあの内容を読んで、何か被曝回避側の人がプラスを得られたように思えるのは、相当に違うと言う気がしています。
要は、放射能が拡散する可能性が高いので、首都圏も防護しきれないから、国民が自分たちで何とかしてとする文書。
しかも、その文書の作成指示は、官邸から出されたのではなく、当時の文科副大臣であった鈴木寛氏の独断によるもの。
それを官房参与として鳩山内閣から入っていた劇作家の平田オリザ氏に書かせたもの。
鳩山政権では、平田さんの役割は一定以上あり、そのスピーチ原稿がそのまま使われるような可能性もあるとは思います。
しかし、政権は、菅直人政権。
彼は、鳩山さんと違って、自分が納得しないことは、何一つ認めないタイプの人格です。
しかも記事中での確認どおり、菅氏本人は、存在すら知らなかった代物。
この中身は、首相である政治家との距離感が相当にあるものです。
しかも、作成日は遅すぎます。作成指示がそもそも3/18ですよ。既に一回目のプルームは襲った後です。
3/12に爆発、3/14にも爆発は起きていますし。
官邸が実際に緊迫度が高まったのは、3/11から3/15あたりであることは、各種資料からも明らかであるし、実際、僕が取材をしていても、同様の感覚です。
たぶん、それから後に作成しているという話は、実際にこうしたものを使う話と相当にずれがある代物だと思います。
当時の政府内で、どういう状況が垣間見えたのかと言うことを少しは知る内容になっているとしても、本当に総理スピーチとして用意された代物と言うには、ちょっと無理がありすぎる中身だと思います。
少し考えたら、その中身がずれている話であれば、そういう資料として読むべきものに過ぎません。
これを東京新聞政治部が「スクープ」として喧伝している感覚が全くわかりません。政治部的感覚なら、いよいよ理解不能です。実質的意味が無いですから。
これに、騒いでいる放射能や原発に感受性の強い人たちが多く居るのもわかりません。
現実に出なかったし、使われる可能性も当初からほぼ無いような談話よりも、現実に拡散している放射性物質のことをなぜ考えないのか。
これだけのリスクがあった状況は回避されて、首都圏は助かったよかったという感覚に、こうした記事は寄与することが、僕には懸念されるだけです。
いいですか、この文書作成指示が出る前に、既に首都圏にはプルームは襲っているんですよ。
その量は、尋常な量ではありません。
そして、鈴木氏は、当時文部科学副大臣。
緊急時迅速放射能影響予測ネットワーク システム(SPEEDI)に関して、彼は責任がある立場ですよ。
その情報公開が先でしょう。
そうした情報が分かる立場に居る責任者の一人が、変な対応をしていた証拠文書でしかありません。
というか、やっていることの前後が全く違う。めちゃくちゃでしょう。
そして、こんなものを、5年後に読んで、有難がっている東京の反原発派や被曝回避グループはよほど神経が大丈夫かということです。
僕がおかしいのか?
東京新聞やそうした皆さんがおかしいのか?
貴女はどう思いますか。
===============================================
原発事故から、まる5年が経過した日に、東京の自由が丘駅近くで、僕と貴女の立ち位置を確認したいと思います。
ご来場下さい。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
3/11(金)夜
【「原発事故後、5年が経過して確認すること」木下黄太講演会IN世田谷】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
3月11日(金)夜
18:30 受付開始
19:00 開演〜21:00頃
奥沢区民センター第一会議室 定員100名
(世田谷区奥沢3-47-8(自由が丘駅南口徒歩9分、東急目黒線奥沢駅すぐ。 ))
詳細&予約⇒ http://kokucheese.com/event/index/377150/
=================================================
ブログで書けない多くの事は、メールマガジンで配信しています。
「木下黄太メールマガジン」 (毎週金曜・月4回)
被曝関連の健康症状等、重要情報はメルマガでのみ配信、ぜひ購読を⇒⇒⇒
=================================================