1年3ヶ月ぶりの札幌講演
【 8/19(土)午後 木下黄太講演会IN札幌】
今の日本が置かれている現状、放射能と被曝に関する問題点をお話して、内容を踏まえて皆さんと対話しておきたいと思います。申込者があまりに少ない場合、今後は北海道での活動は取りやめようと思っています。今は申込者は少ないです。
開場13:00 13:30〜15:30 札幌市中央区中心部で開催。
場所など詳細は下記申込サイトで確認ください。
申込&詳細⇒http://kokucheese.com/event/index/478537/
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正確には「ザ・スクープスペシャル」という番組名。タイトルは「ビキニ事件63年目の真実~フクシマの未来予想図」。
要はビキニ事件、水爆実験の健康被害状態を伝える番組を、8/6に予定しているそうです。
そして、その番組で、マーシャアル諸島で被ばくした住民に健康被害が続いている状態を報告するのが番組の根幹であろうと思います。
この話は、よく知られている話。日本でも周辺海域で操業していた船員に健康被害が多発しているのは、常識と思います。
この番組に「フクシマの未来予想図」というサブタイトルがあったことで、ネットなどを中心に抗議が為され、テレ朝はサブタイトルを引っ込めました。
まあ、テレビ朝日の腰抜け感覚ならありそうな話ですし、僕は報道番組を作ってきた自分の感覚からすると、あの番組に昔から大きな期待はそもそもありません。ですから、こういう抗議がきて、その言葉狩りに簡単に崩れることの方が大いにありそうです。
自分の感覚でも、テレビ番組のタイトルは、新聞のラテ欄で目立つかどうかで作ります。勿論、番組内容と大きく異なることは許されないですが、その要素の中でどれが視聴率アップにつながるのかということを考えるしかありません。報道番組でも視聴率というハードルは大きいです。
それで、感覚的には、「フクシマ」というワードをここで使って視聴率が上がるのかと考えると、今の首都圏で、その用語で視聴率が上がると思えません。こういう反発もあるのは当然に予想できますから。だから、僕ならこういうタイトルは感覚的に最初から使いません。その内容に意味があるとしても(放送は8/6ですから番組内容の詳細は現段階で不明)。
むしろ、放射能でどれだけ被害が出ているのかを、直接的に響くワードでサブタイトルを作る方を選びます。その方が意味は大きい。
しかし、そういうタイトル選択感覚でも、この番組のやり方は、僕には好ましくは思えないです。こうしたタイトルは、プロデューサーなど番組責任者が作るはずですから、リスクコントロールを考えたのかも疑問です。
それ以上に、放送前からそうしたサブタイトルを抗議されたら引っ込めるという感覚そのものが、テレ朝が報道機関としてのプライドがあるとは到底思えない対応です。話にならない。論外。
ビキニ事件のセシウム推定は280ペタベクレルでチェルノブイリの3.3倍とも言われますから、その周辺での健康被害は福島原発事故の周辺よりも直後は大きい可能性があると推定しても構いません。
しかし、被ばくしたマーシャアル諸島の人口と福島原発事故で周辺で被ばくした人口は単純に比較は難しいですが、それでもマーシャアル諸島全体の人口はおよそ5万人、福島県は200万人近い人口を抱えます。
人口的におよそ四十分の一で、280ペタベクレルのセシウム137放出とみなされるマーシャアル諸島。
人口的におよそ四十倍で、24.7ペタベクレルのベクレルのセシウムが放出ともされる福島原発事故。セシウム134と137放出比は1:1として12.35ペタベクレル程度ともセシウム137は仮に考えられます。
仮に福島の22.6倍、ビキニ事件でセシウム137が放出されていても、人口は福島県だけで40倍多いのですから、健康被害に関しては福島の方が絶対数として多く出る可能性も否定はできません。
子どもの甲状腺がんでも既に福島では大変なことになっていますから。
そして、あたりまえのことですが、福島原発事故の影響は、セシウムの土壌汚染で判断すると、福島県どころか、南東北から関東全域、周辺の山岳部に及んでいますから、被曝人口は数千万人と考えるしかありません。
ビキニ事件が福島原発事故を直接的に結び付けたタイトルをつけるのかどうかは、僕の感覚でもリスク感覚でもやらないですが、そうした放射能被災した実態を比較することは、何もおかしい話ではありません。
しかも、放射能による海洋汚染という状態となっている点で、この二つは類似していますから、そうした比較をすることは何もおかしくないと思われます。
魚介類の放射能汚染リスクは今も続いています。
原発周辺海域のクロダイで30Bq/kgのストロンチウム検出もされています。
下記東電資料を確認してください。
http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/f1/smp/2017/images3/fish03_170713-j.pdf
こうした言葉狩りは実は何の益ももたらさないです。特に放送前には。
まずは番組を見て、くみ取れる教訓があるのか、ないのかを考えた方が良いです。
内容に問題があれば、それで抗議するのが妥当です。
そうしたことを冷静に考えずに、健康被害はおきないとする感覚で、警鐘に関して攻撃することは、言葉狩りに走ることは、落とし穴に自ら突っ込むことに他ならないと思います。
《追記》
このサブタイトル炎上で、この番組は逆に注目されました(新聞記事になった)。ビキニ事件の報道番組はあんまり視聴率は元々期待できませんから、実は炎上したことで視聴者は増える可能性はありえます。まさかないとは思いますが、万が一そこまで計算してタイトルを番組責任者が考えていたなら、作戦は図星ということになってしまいました。言葉狩りをしている愚かな人々は、そういうことも少しは考えた方がよいと思います。自分たちの目的遂行が何にあるのかを分かっていない愚かな人々の所業は、僕には笑い話でしかありませんが。
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