鳥越俊太郎候補の疑惑報道が、週刊文春によって為されています。
この話が、自民党が仕掛けたとか、内閣調査室がやらせたなどとする奇妙な話が流布されています。
まず、僕が知る限り、そういう話はまったくありません。
自民党も、内調も、何処からか聞いて調べていたことはあるでしょうが、そもそもが後追いです。
この報道に関して決定的な役割はしていません。
自民党に有利な話ですが、だから自民党が書かせたというのは、妄想です。
もちろん、週刊誌ネタで自民党系が仕掛けている話は常に多々あります。
しかし、今回は間違いなく自民党系から仕掛けたネタではありません。
こんなことは、この情報の出所に関して、確認した人間には常識の話です。
また、逆の立場からでしょうが、この疑惑に関して全部の野党が事前に知らされていたというようなガセ情報が出回っています。
そんなことはありえません。
そもそも、突然に鳥越候補に決まっている流れで、民進党以外の野党は、一夜で鳥越氏に都知事候補が切り替わったのをビックリしたという認識です。
少なくとも、民進党以外の野党は、独自努力で疑惑情報は得ていた党も存在する可能性はありますが、そもそもこうした疑惑報道がありうるということまでも、きちんと認識していた可能性はないと思います。
野党共闘により他党が、鳥越氏の擁立をそうした範囲まで責任を負える話ではありませんよ、どう考えても。
こういうことで、野党共闘という枠組みに攻撃を仕掛けているのは、異常なネット住民の振る舞いですから、無視すべき話です。戯言。
さて、それでも民進党幹部が認識していたかどうかは、問われる話です。
少なくとも告示直前に、民進党幹部には、こうした疑惑報道がありうるという話は、伝わっていた状況であると僕は確信しています。
それは、こうした面での身体検査がなされているのかという、党内からの問いかけでもあります。
そして、その意味では十分になされていなかった状態と判断されます。
しかし、伝わった時点で、民進党のきちんとした判断はわかりませんが、本人が否定されたため、そのまま進んでいるのが現状と思います。
けさの時点で鳥越候補はこうツイートしています。
「21日11時、民進党都連選対会議にて、選挙への決意表明を行いました。 また週刊文春から本日発表された記事について、事実無根の内容とし、強い憤りを覚えるとともに、選挙妨害・名誉毀損で弁護士を通して訴えることを表明しました。」
なんというか、条件反射という言葉が、僕の頭を過ぎります。
事案は全く違いますが、オウム事件関連で坂本弁護士のVTR下見事案で、TBSのかなりまずい対応したことを、僕も含めた日本テレビで報道したことがあります。そうすると、同日の同じ時間帯のニュースで、TBSが即座に全否定したことを、久しぶりに思い出しました。
一般論ですが、テレビ関係者は、深く判断せず、こういう即物的反応をする場合がよくあります。
そうしたことは、あまり良い結果は招きません。TBSの話は実際に厳しい結果が待ち受けていました。
今回のことは、内実はともかく、その対応に関しては、よく似ている気がします。
リスクマネジメントの根幹を、まるで理解しないテレビ人は多いですから(元テレビ人ですが、僕も他山の石とします)。
そういえば、坂本弁護士関連報道についてTBSの夕方ニュースで全面否定コメントを読んだのは、杉尾秀哉キャスター、参議院に民進党で当選された方です。その杉尾氏が当選御礼の電話をしたら、「勇気をもらった。僕も出る気になったよ。」と答えて、今回、都知事選に出馬されたのが鳥越氏というのも、奇妙な偶然だと僕は感じています。
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