青少年のSNS利用上の問題が、昨今、非常に社会問題化しています。具体には、学校での学年・クラス・クラブ活動、地域での友達関係等々で集団的ないじめの温床というか原因になっているとの報道がテレビ番組でよく紹介・論評されております。これを見ていて、いつも感じることですが、某SNSの設計そのものに直接の原因は無いのですが、よく切れる刃物ほど怪我をしやすいという諸刃の剣ということが、このSNSには至極よく当て嵌まるのではないかと思うわけです。
これが、もし、なまくらな包丁のようなものであったならば、子どもたちも、怪我はほとんどしなかっただろうに・・・と強く思うわけであります。たとえば、小学校の低学年で工作の時間に使うようなはさみは、紙などを切るだけのものですから、刃先は丸まっていて刃も全然鋭くないですから、これを使って怪我をするようなケースはほとんどありません。これが、もし、高学年が裁縫で使うような、よく切れるはさみであったならば、入学して間なしの1年生児童は、たちまち怪我人が続出することでしょう。
こういう喩え話をするのは、もう現実には社会全体に殆ど普及してしまっている某SNSに対して、いまさらその使い方に苦言を呈するようなもので、上から目線だとか、非現実的だとか、いろいろと異論も多い向きもあるわけですが、やはり子どもの発達段階は無視出来ないので実際に事件が起こっている現状に鑑みて、①まず携帯電話を売っているキャリア会社、②某SNSの運営会社、③親、④教師、⑤地域社会全体で、子どもたちへの配慮やルールづくり、啓発活動というものが必要な時期になっているのじゃないのか?と思うのです。ひょっとしたら、文部科学省や総務省に働きかけて、何らかの規制をしないといけない時期なのかも知れません。
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ここからが本題ですが、なぜか知りませんが、VIBERも世界的に見れば超有名でユーザーの多いSNSのひとつなのですが、これは、私が情報不足のせいか、ほとんど上記のような青少年の使用においての大きな社会問題にはなっていないようです。単に、日本ではマイナーな存在であることが幸いしているということでしょうか?それは、わかりませんが、VIBERでは電話帳が云々・・・・というような個人情報の管理についての心配は言及する向きもあるようです。でも、そういうことならば、殆どのSNSで電話帳がネット上で拡散されておりますので、特にViBERに限ったことではありません。本題とは、少し話題が逸れますから、この点は問題ではありますが、ここでは論評しません。
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Viberは、大きな特徴のひとつとして、会員のIDが電話番号で管理されているということです。ニックネームはつけられますが、携帯電話や固定電話、050などのIP電話の番号が義務付けられていますから、匿名での書き込みはできない仕組みになっています。ここが、某SNSとの大きな違いです。
二番目に、あくまでも一対一の電話かチャットであって、三者以上のコミュニケーションは取れない仕組みになっています。ですから、相手が誰であるのかは、電話番号からわかりますし、直接外線電話をかけられます。そういうわけで、匿名で集団的ないじめはシステム的にできません。
三番目に、Viberは退会しようとしてアンインストールしても退会できません。某SNSならば、アンインストールすればいとも簡単に自動的に退会できて、やり取りは全部消去されます。これを逆手にとって、特定の個人に対して傷つけるようなことを書き込んでも、退会すれば、すべて消去されるので、無責任な書き込みが出来てしまうことになる惧れがあります。子どもの場合は、成人して社会的な責任と義務を課せられている立場ではなくて、これから、いろいろと勉強をしていく段階であり、まだまだ未熟であり、そういった過ちを冒すことも充分考えられますから、LINEを使うのであるならば、当然、そういったことにならないように周りの大人が見守る環境が必要であると思います。
でも、Viberの場合は、いったん入会すれば電話帳もチャットのやり取りも全部そのまま運営会社のサーバーに残っていて、厳重にサーバー会社に管理されていてアンストールしたからといって自動的に退会にならないようです。
したがって、自分が書き込んだ言葉は、簡単には消せないようなシステムになっているようですから、自分の発言には気をつけるように自然に意識が働くはずです。
おそらく1ヶ月間以上は待たないと電話帳やチャットの記録は消えないでしょう。これを消そうと試みればできないことはないでしょうが、実験だとか故意だとかに関わらず、とにかく同一の電話番号で同一の端末でVIBERを登録したり抹消したりという作業を繰り返して、試行錯誤すれば、おそらく運営会社のサーバーからは、不正な処理としてエラー信号が返されて認証されなくなるでしょう。実際、私は、スマホで不具合があったので、何回かViberをアンインストールしてから再びインストールして認証作業を繰り返しましたところ、認証時に何度もエラーが出て膠着状態になりました。また、明日、その作業をして、認証してもらおうと考えていますが、さて、どうでしょうか?無理っぽいです。
まあ、そういうわけで、テレビで某SNSが問題になっていたような問題は起こりにくいのだな・・・と感じました。また、しばらく時間が経過してViberが普及してくれば、まったく別のやりかたで社会問題になるのかも知れませんが・・・・。
結論としては、わたし個人としては、電話番号で管理されて、1対1対応で、簡単に登録・退会を繰り返せないようなVIBERの仕様が気に入っています。こういう仕様の方が青少年の発達段階には、適合しているように感じます。