従業員に過酷な労働をさせているとの週刊誌の記事などで名誉を傷つけられたとして、「ユニクロ」を運営するファーストリテイリングなど2社が文芸春秋に損害賠償を求めた訴訟で、ファーストリテイリング側は29日、請求を退けた一審判決を不服として控訴した。18日の東京地裁判決は「記事の重要部分は真実と認められる」と判断した。
「限定正社員」制度とは 議論本格化、雇用ルールなど課題山積
産経新聞 10月29日(火)8時0分配信
安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」の成長戦略の一つである「限定正社員」制度をめぐる議論が本格化している。政府は「非正規労働者の正規雇用化につながる」とメリットを強調するのに対し、労働界は「解雇されやすい正社員だ」として導入に反発。着地点を見いだすことは容易ではなさそうだ。
◆正社員の33%
限定正社員とは、勤務地や労働時間、職務が限られた正社員。パートなどの非正規労働者の多くが契約で雇用期間が決まっているのに対し、限定正社員は正社員と同様、原則定年まで務めることができる。正社員と非正規労働者の中間的な雇用形態というわけだ。
厚生労働省が平成23年に全国1987社を対象に行った調査によると、51・9%の企業が限定正社員制度を導入しており、正社員全体に占める割合は32・9%。職種別にみると、運輸業や郵便業、医療・福祉などの業務に多い。
メリットとしては、正社員のように会社の都合で転勤したり、長時間残業したりせずにすむため、仕事と家庭を両立させやすいことが挙げられる。非正規労働者に比べると賃金水準も高く、雇用も安定している。政府が今年6月に閣議決定した規制改革実施計画には「正規・非正規の二極化構造の是正」「ライフスタイルに応じた多様な生き方の創造」などの観点から限定正社員制度の普及を図ることが盛り込まれた。
◆連合会長「疑問だ」
一方で懸念もある。非正規労働者が限定正社員へ移行するのは歓迎すべきことだとしても、「正社員の限定正社員化」が起きないという保証はないからだ。
「正規雇用から(限定正社員に)落ちることはないのか。そういうことも想定しているのではないか、という危うさがある。あの種の制度を国の統一的な制度として作らなければならないのか非常に疑問だ」
連合の古賀伸明会長は今月24日の記者会見で改めて制度導入に懸念を示した。
さらに、限定正社員は、導入する企業の労働契約や就業規則に雇用ルールが明記されていないケースが多く、工場などの閉鎖により契約で決められた勤務地や職務がなくなったときの対応が不明確だ。現状では多くの企業が、配置転換で新たな職場を提供するという正社員と同じ人事対応をしているというが、制度化された場合は正社員に比べ解雇されやすくなることを懸念する声もある。
◆有識者で議論も…
厚労省は今年9月、限定正社員制度の労働条件など、導入の際に企業が留意すべき点を議論する有識者懇談会を発足させた。来年中にとりまとめる報告書を基に制度普及に乗り出したい考えだが、労働界が懸念する雇用ルールなどの問題にどう踏み込むかが焦点となる。
地域を限定して規制を緩和する「国家戦略特区」をめぐっては、労働界が反発した解雇ルール明確化は見送られたが、雇用政策の規制改革には「火種がたくさん残っている」(古賀氏)といえそうだ。(松本学)
産経新聞 10月29日(火)8時0分配信
安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」の成長戦略の一つである「限定正社員」制度をめぐる議論が本格化している。政府は「非正規労働者の正規雇用化につながる」とメリットを強調するのに対し、労働界は「解雇されやすい正社員だ」として導入に反発。着地点を見いだすことは容易ではなさそうだ。
◆正社員の33%
限定正社員とは、勤務地や労働時間、職務が限られた正社員。パートなどの非正規労働者の多くが契約で雇用期間が決まっているのに対し、限定正社員は正社員と同様、原則定年まで務めることができる。正社員と非正規労働者の中間的な雇用形態というわけだ。
厚生労働省が平成23年に全国1987社を対象に行った調査によると、51・9%の企業が限定正社員制度を導入しており、正社員全体に占める割合は32・9%。職種別にみると、運輸業や郵便業、医療・福祉などの業務に多い。
メリットとしては、正社員のように会社の都合で転勤したり、長時間残業したりせずにすむため、仕事と家庭を両立させやすいことが挙げられる。非正規労働者に比べると賃金水準も高く、雇用も安定している。政府が今年6月に閣議決定した規制改革実施計画には「正規・非正規の二極化構造の是正」「ライフスタイルに応じた多様な生き方の創造」などの観点から限定正社員制度の普及を図ることが盛り込まれた。
◆連合会長「疑問だ」
一方で懸念もある。非正規労働者が限定正社員へ移行するのは歓迎すべきことだとしても、「正社員の限定正社員化」が起きないという保証はないからだ。
「正規雇用から(限定正社員に)落ちることはないのか。そういうことも想定しているのではないか、という危うさがある。あの種の制度を国の統一的な制度として作らなければならないのか非常に疑問だ」
連合の古賀伸明会長は今月24日の記者会見で改めて制度導入に懸念を示した。
さらに、限定正社員は、導入する企業の労働契約や就業規則に雇用ルールが明記されていないケースが多く、工場などの閉鎖により契約で決められた勤務地や職務がなくなったときの対応が不明確だ。現状では多くの企業が、配置転換で新たな職場を提供するという正社員と同じ人事対応をしているというが、制度化された場合は正社員に比べ解雇されやすくなることを懸念する声もある。
◆有識者で議論も…
厚労省は今年9月、限定正社員制度の労働条件など、導入の際に企業が留意すべき点を議論する有識者懇談会を発足させた。来年中にとりまとめる報告書を基に制度普及に乗り出したい考えだが、労働界が懸念する雇用ルールなどの問題にどう踏み込むかが焦点となる。
地域を限定して規制を緩和する「国家戦略特区」をめぐっては、労働界が反発した解雇ルール明確化は見送られたが、雇用政策の規制改革には「火種がたくさん残っている」(古賀氏)といえそうだ。(松本学)
◆「うちの会社ってまるでブラック企業みたい」と思うことはありますか?
「ある」と答えた人が49%、「ない」が51%と、「うちの会社ってまるでブラック企業?」と思う人とそうでない人がほぼ同数という結果に。「ありえないくらいのサービス残業」「そもそも就業規則があいまい」「これってパワハラでは?」という赤裸々な声がある一方、「残業もなく、福利厚生もしっかりしている」と、幸せな環境で仕事ができているという人も。
[回答者数:300(1年目=3.0%、2年目=7.0%、3年目=11.0%、4年目=11.3%、5年目=14.0%、6年目=7.3%、7年目=11.0%、8年目=9.7%、9年目=9.7%、10年目以上=14.6%、その他=1.4%)/『マイナビウーマン』調べ。2013年9月にWebアンケート]
そそう答えた理由や、ブラック(とまではいかなくともグレーだ)と思うエピソードがあれば具体的にお答えください。
残業が当たり前の風潮
残業しないで退社する社員がほとんどいないこと。親会社に逆らえないため、理不尽な指示も耐えなければならないこと。(情報・IT/技術職/5年目)
社員は残業をすることが当たり前だと思っているから。チーフ・店長クラスになると休日関係なく毎日職場にいる。(小売店/販売職・サービス系/3年目)
退社時刻になってから仕事をがんばる上司。基本的に定時に帰宅しない雰囲気。(その他/その他/7年目)
定時という概念がないかのように、残業が当たり前であるところ。明らかに終電等も無視している。(マスコミ・広告/クリエイティブ職/9年目)
福利厚生について人事部からいっさい説明がなかった。部署によっては15時間労働で休日出勤が当たり前であること。(学校・教育関連/クリエイティブ職/5年目)
定時で帰ると「空気読めないやつ」扱いされる。(金属・鉄鋼・化学/秘書・アシスタント職/10年目以上)
規則&制度がないって……
社員5人程度の小さな会社なので就業規則がない。(商社・卸/秘書・アシスタント職/10年目以上)
「有給という制度はウチにはない。休んだら無給です」と、友だちがいた会社はそういう決まりだったみたいです。(その他/その他/6年目)
タイムカードで時間の管理をしていないところに不満があります。(生保・損保/販売職・サービス系/5年目)
サービス残業は当然。タイムカードがそもそも存在しない。上司たちにメンタルヘルスの意識がない。コンプライアンス部門の部署にいる人たちの中にはセクハラでほかの場所にいられなくなった人が在籍している。(金融・証券/事務系専門職/6年目)
会社の雰囲気がやばい
大声で怒鳴っている人をよく見かけるから。(金属・鉄鋼・化学/事務系専門職/9年目)
誰かが席を立つと、いない人の悪口が始まる。(商社・卸/事務系専門職/3年目)
毎日怒鳴り声が鳴り響いているところ。(金融・証券/専門職/6年目)
ブラックというほどではない
仕事は忙しいですが、ブラックだとは思わないです。(学校・教育関連/事務系専門職/10年目以上)
給料は安いが勤務体系などは厳しくないので。(情報・IT/営業職/3年目)
給料は安いが仕事はきつくないし、まあまあの環境。(小売店/販売職・サービス系/10年目以上)
給料は安いけど、休みも有給も残業代もある。残業もほぼないから。(医療・福祉/その他/5年目)
サービス残業は少しありますが、多分どこの企業にもあるだろうし、ブラックだとまでは感じません。(小売店/販売職・サービス系/10年目以上)
休日なのに……
友人の話だが、土日に会社のイベントがあり実質休みがない。(金属・鉄鋼・化学/営業職/1年目)
休日に会社の社長の娘の結婚式に参加させられていた友だちがいました。(その他/事務系専門職/10年目以上)
社内行事が多くて、休日がつぶされる。(医療・福祉/事務系専門職/3年目)
>(次ページ)名ばかりの代休? 残業代が出ない!?
http://news.ameba.jp/20131028-426/
「ある」と答えた人が49%、「ない」が51%と、「うちの会社ってまるでブラック企業?」と思う人とそうでない人がほぼ同数という結果に。「ありえないくらいのサービス残業」「そもそも就業規則があいまい」「これってパワハラでは?」という赤裸々な声がある一方、「残業もなく、福利厚生もしっかりしている」と、幸せな環境で仕事ができているという人も。
[回答者数:300(1年目=3.0%、2年目=7.0%、3年目=11.0%、4年目=11.3%、5年目=14.0%、6年目=7.3%、7年目=11.0%、8年目=9.7%、9年目=9.7%、10年目以上=14.6%、その他=1.4%)/『マイナビウーマン』調べ。2013年9月にWebアンケート]
そそう答えた理由や、ブラック(とまではいかなくともグレーだ)と思うエピソードがあれば具体的にお答えください。
残業が当たり前の風潮
残業しないで退社する社員がほとんどいないこと。親会社に逆らえないため、理不尽な指示も耐えなければならないこと。(情報・IT/技術職/5年目)
社員は残業をすることが当たり前だと思っているから。チーフ・店長クラスになると休日関係なく毎日職場にいる。(小売店/販売職・サービス系/3年目)
退社時刻になってから仕事をがんばる上司。基本的に定時に帰宅しない雰囲気。(その他/その他/7年目)
定時という概念がないかのように、残業が当たり前であるところ。明らかに終電等も無視している。(マスコミ・広告/クリエイティブ職/9年目)
福利厚生について人事部からいっさい説明がなかった。部署によっては15時間労働で休日出勤が当たり前であること。(学校・教育関連/クリエイティブ職/5年目)
定時で帰ると「空気読めないやつ」扱いされる。(金属・鉄鋼・化学/秘書・アシスタント職/10年目以上)
規則&制度がないって……
社員5人程度の小さな会社なので就業規則がない。(商社・卸/秘書・アシスタント職/10年目以上)
「有給という制度はウチにはない。休んだら無給です」と、友だちがいた会社はそういう決まりだったみたいです。(その他/その他/6年目)
タイムカードで時間の管理をしていないところに不満があります。(生保・損保/販売職・サービス系/5年目)
サービス残業は当然。タイムカードがそもそも存在しない。上司たちにメンタルヘルスの意識がない。コンプライアンス部門の部署にいる人たちの中にはセクハラでほかの場所にいられなくなった人が在籍している。(金融・証券/事務系専門職/6年目)
会社の雰囲気がやばい
大声で怒鳴っている人をよく見かけるから。(金属・鉄鋼・化学/事務系専門職/9年目)
誰かが席を立つと、いない人の悪口が始まる。(商社・卸/事務系専門職/3年目)
毎日怒鳴り声が鳴り響いているところ。(金融・証券/専門職/6年目)
ブラックというほどではない
仕事は忙しいですが、ブラックだとは思わないです。(学校・教育関連/事務系専門職/10年目以上)
給料は安いが勤務体系などは厳しくないので。(情報・IT/営業職/3年目)
給料は安いが仕事はきつくないし、まあまあの環境。(小売店/販売職・サービス系/10年目以上)
給料は安いけど、休みも有給も残業代もある。残業もほぼないから。(医療・福祉/その他/5年目)
サービス残業は少しありますが、多分どこの企業にもあるだろうし、ブラックだとまでは感じません。(小売店/販売職・サービス系/10年目以上)
休日なのに……
友人の話だが、土日に会社のイベントがあり実質休みがない。(金属・鉄鋼・化学/営業職/1年目)
休日に会社の社長の娘の結婚式に参加させられていた友だちがいました。(その他/事務系専門職/10年目以上)
社内行事が多くて、休日がつぶされる。(医療・福祉/事務系専門職/3年目)
>(次ページ)名ばかりの代休? 残業代が出ない!?
http://news.ameba.jp/20131028-426/
2013年8月に発表された「ブラック企業大賞」のなかに、民間企業と並んで東北大学が「特別賞」に選ばれた。理由として、月100時間を超える時間外労働を強いられ、指導教授から叱責された助手が2007年に自殺したことなどが挙げられた。
不名誉な受賞となった大学では、学生新聞が兵頭英治副学長に直撃取材を試みた。本人は「ブラック認定」に対して、大学のあるべき姿を語っている。
「秘密厳守で一緒に考えます」と呼びかける
東北大学新聞は、大学の法務コンプライアンス担当の兵頭副学長にインタビューし、10月24日に一問一答形式で掲載した。
ブラック企業大賞「特別賞」の受賞について副学長は、「学生や教職員に心配な思いをさせて申し訳ない」と陳謝。続けて「このような形で取り上げられるのは極めて不本意で残念だ。外部からのそのような評価も解消してやるぞという思い」と吐露した。受賞理由とされた助手の自殺と、2012年1月に「2年以内の研究室閉鎖」を告げられたという工学部准教授の男性がやはり自殺している事案については「裁判中」を理由にコメントを避けたが、「大学としても誠心誠意尽くして対応してきた」と説明している。
これを読む限り、「当校はブラックではない」などと全面的に否定せず、ブラックと呼ばれた事実をいったん受け止めたうえで反省している印象だ。現に記者から今後を問われた副学長は、
「東北大学として『ブラック』と呼ばれるものを決して許容しないという基本姿勢をキチッと示していく」
と明言した。具体的な対策は「日常から追い込まれる環境をいかになくすか」と「万が一追い込まれた時の個々人の支援(セーフティーネット)」だという。表面化しにくい問題を解消するため、ハラスメントについて全体で意識するのも重要だと指摘し、教職員と学生ひとりひとりに問題の理解と行動を促した。
最後に副学長は、「ブラック」やハラスメントは深刻な人権侵害だと明言、そのうえで、こう呼びかけた。
「大学は皆さんの悩みや困難を真摯に受け止め、秘密厳守で一緒に考えます。一人で悩まないでください」
「改善に期待したい」と肯定的な意見
ブラック企業に対する風当たりは強いが、東北大学に対しても例外ではなかった。ノミネート段階だった2013年7月4日付のJ-CASTニュースの記事には、厳しいコメントが寄せられた。「名立たる企業に混じって国立大学が上位入賞なんて快挙だよねぇ(笑)」と皮肉るコメントに加え、「組織が腐ってるんだろ」との指摘もある。信ぴょう性は定かでないが、大学は企業以上にブラックという意見もあった。
これに対して今回、副学長が学生新聞の取材に答えたことで、その対応を評価する声がツイッターに複数書きこまれた。
「潔いし前向きな良い回答だと思う。これからの改善に期待したいし、他の企業にも見習ってほしいね」
「あえて謙虚に受け止めて、改善していく姿勢を示した東北大学は偉い」
といった具合だ。もっとも、「ブラック評価に対しての根本的な対応提示にも言及してほしかった」と注文をつけた人もいる。
ブラック認定されると、「ウチの会社がブラックであるはずがない」と声高に主張する企業が少なくない。もちろん誤認されたのなら、反論するのは当然だ。ただ、校内で発生した事故を正面から受け止めて、自ら改善の意志を見せた東北大の「潔さ」を認めた人が、インターネット上では少なくなかった。
http://news.ameba.jp/20131028-500/
不名誉な受賞となった大学では、学生新聞が兵頭英治副学長に直撃取材を試みた。本人は「ブラック認定」に対して、大学のあるべき姿を語っている。
「秘密厳守で一緒に考えます」と呼びかける
東北大学新聞は、大学の法務コンプライアンス担当の兵頭副学長にインタビューし、10月24日に一問一答形式で掲載した。
ブラック企業大賞「特別賞」の受賞について副学長は、「学生や教職員に心配な思いをさせて申し訳ない」と陳謝。続けて「このような形で取り上げられるのは極めて不本意で残念だ。外部からのそのような評価も解消してやるぞという思い」と吐露した。受賞理由とされた助手の自殺と、2012年1月に「2年以内の研究室閉鎖」を告げられたという工学部准教授の男性がやはり自殺している事案については「裁判中」を理由にコメントを避けたが、「大学としても誠心誠意尽くして対応してきた」と説明している。
これを読む限り、「当校はブラックではない」などと全面的に否定せず、ブラックと呼ばれた事実をいったん受け止めたうえで反省している印象だ。現に記者から今後を問われた副学長は、
「東北大学として『ブラック』と呼ばれるものを決して許容しないという基本姿勢をキチッと示していく」
と明言した。具体的な対策は「日常から追い込まれる環境をいかになくすか」と「万が一追い込まれた時の個々人の支援(セーフティーネット)」だという。表面化しにくい問題を解消するため、ハラスメントについて全体で意識するのも重要だと指摘し、教職員と学生ひとりひとりに問題の理解と行動を促した。
最後に副学長は、「ブラック」やハラスメントは深刻な人権侵害だと明言、そのうえで、こう呼びかけた。
「大学は皆さんの悩みや困難を真摯に受け止め、秘密厳守で一緒に考えます。一人で悩まないでください」
「改善に期待したい」と肯定的な意見
ブラック企業に対する風当たりは強いが、東北大学に対しても例外ではなかった。ノミネート段階だった2013年7月4日付のJ-CASTニュースの記事には、厳しいコメントが寄せられた。「名立たる企業に混じって国立大学が上位入賞なんて快挙だよねぇ(笑)」と皮肉るコメントに加え、「組織が腐ってるんだろ」との指摘もある。信ぴょう性は定かでないが、大学は企業以上にブラックという意見もあった。
これに対して今回、副学長が学生新聞の取材に答えたことで、その対応を評価する声がツイッターに複数書きこまれた。
「潔いし前向きな良い回答だと思う。これからの改善に期待したいし、他の企業にも見習ってほしいね」
「あえて謙虚に受け止めて、改善していく姿勢を示した東北大学は偉い」
といった具合だ。もっとも、「ブラック評価に対しての根本的な対応提示にも言及してほしかった」と注文をつけた人もいる。
ブラック認定されると、「ウチの会社がブラックであるはずがない」と声高に主張する企業が少なくない。もちろん誤認されたのなら、反論するのは当然だ。ただ、校内で発生した事故を正面から受け止めて、自ら改善の意志を見せた東北大の「潔さ」を認めた人が、インターネット上では少なくなかった。
http://news.ameba.jp/20131028-500/
粘着質の「追い出しオタク」が役員に出世して暴君化
吉田典史 [ジャーナリスト] 【第17回】 2013年10月29日
上司が役員になって一層暴君化
追い出し部屋で心が壊れた課長は今
今回は、連載第2回「心が壊れた課長を追い込む“リストラ面談”全記録」で紹介した男性・A氏に再度話を聞いた。A氏は50代半ば。40歳の頃、一流の外資系金融機関から中途採用試験を経て、今の会社に入社した。会社はメーカーで東証1部上場。正社員数は約1500人、パートなどを含めると3500人ほどだ。
A氏は正社員で管理職待遇(課長級)だが、4~5年前から所属部署(管理部門)の上司(部長、現在は役員)と仕事の進め方などを巡り、意見がぶつかることがあった。
数年前、職場の上司からある仕事を命じられる。「研修」という名目で、20代の新入社員などが行う単純な仕事を与えられた。躊躇していると、上司と人事部から「業務命令違反」と言われた。人事部からは、「所属部署を離れ、人事部付となるように」と命令を受ける。
その後、上司である部長は役員になる。人事部を通じ、Aさんに対して一層の追い出しを迫るようになってきた。「人事部付き」となったAさんは今、正社員がやるべき仕事を与えられていない。アルバイトと同じように、「追い出し部屋」で単純作業をする日々だ。
筆者 単純作業の中身は、どのようなものですか。
A氏 会社から送るダイレクトメールの送付先を、入力をするだけの仕事。このデータは、実際には仕事で使われることがない。
私は半年ほど前に労働組合・東京ユニオンに入り、「仕事を取り上げ、何もさせないことは不当だ」と訴えた。それで人事部は止むを得ず、単純作業の仕事を与えた。私を辞めさせようとする考えには、変わりはないのだと思う。
『半沢直樹』のような復讐はできないが
「10倍返し」くらいはしてやりたい
筆者 会社としては、「退職強要はしていない。仕事をきちんと与えている」という口実をつくろうとしているのでしょうね。
A氏 始業時刻から終業時刻まで、昼の1時間を除き、机に向かい、打ち込む。正社員が1500人以上もいながら、この仕事をしているのは社内でたった1人。一応管理職だったけど、今やこんな扱いだから、周囲からは冷ややかに見られる。誰も話す相手がいない。精神安定剤を飲みながら出社している。
そのままだと気がおかしくなりそうだから、時々席を外し、トイレに行く。そして、新聞記事の切り抜きを読む。特に英語に関する記事を……。語学が好きだから……。精神的に疲れ切っているから、頭になかなか入らない。
ある同僚は、「お前、そんな惨めな仕事をいつまで続けるのか?」と茶化す。口惜しいけれど、どうすることもできない。『半沢直樹』のように大胆な復讐はできないが、10倍返しはしたい。このまま辞表を出して、引き下がることはしたくない。辞めた後、ずっと後悔する。敗北感を引きずって生きていたくない。
筆者 単純作業をするのは、たった1人なのですか……? 事実ならば、退職強要の疑いがあるので、問題でしょうね。
A氏 人事部のフロアの隅に、1つの机と椅子がある。そこに1人座り、黙々と作業をする。ここに配属された1年前には、正社員が10人ほどいた。40~50代の中高年だけでなく、20代の女性もいた。いずれも、所属部署で上司から低い評価を受けたり、私のように会社と軋轢を起こした者ばかりだった。この1年間で皆、辞めた。
筆者 会社として、リストラを行っているわけではないのですね。
A氏 社を挙げてのリストラではない。業績は決して悪くはないから……。ただ、ここ1年ほど毎年、数十人のペースで追い出しを図っている。私も以前は、そんな光景を他人事として見てきた。それが今や、自分に降りかかっている。
続きは以下で
http://diamond.jp/articles/-/43634?page=2
吉田典史 [ジャーナリスト] 【第17回】 2013年10月29日
上司が役員になって一層暴君化
追い出し部屋で心が壊れた課長は今
今回は、連載第2回「心が壊れた課長を追い込む“リストラ面談”全記録」で紹介した男性・A氏に再度話を聞いた。A氏は50代半ば。40歳の頃、一流の外資系金融機関から中途採用試験を経て、今の会社に入社した。会社はメーカーで東証1部上場。正社員数は約1500人、パートなどを含めると3500人ほどだ。
A氏は正社員で管理職待遇(課長級)だが、4~5年前から所属部署(管理部門)の上司(部長、現在は役員)と仕事の進め方などを巡り、意見がぶつかることがあった。
数年前、職場の上司からある仕事を命じられる。「研修」という名目で、20代の新入社員などが行う単純な仕事を与えられた。躊躇していると、上司と人事部から「業務命令違反」と言われた。人事部からは、「所属部署を離れ、人事部付となるように」と命令を受ける。
その後、上司である部長は役員になる。人事部を通じ、Aさんに対して一層の追い出しを迫るようになってきた。「人事部付き」となったAさんは今、正社員がやるべき仕事を与えられていない。アルバイトと同じように、「追い出し部屋」で単純作業をする日々だ。
筆者 単純作業の中身は、どのようなものですか。
A氏 会社から送るダイレクトメールの送付先を、入力をするだけの仕事。このデータは、実際には仕事で使われることがない。
私は半年ほど前に労働組合・東京ユニオンに入り、「仕事を取り上げ、何もさせないことは不当だ」と訴えた。それで人事部は止むを得ず、単純作業の仕事を与えた。私を辞めさせようとする考えには、変わりはないのだと思う。
『半沢直樹』のような復讐はできないが
「10倍返し」くらいはしてやりたい
筆者 会社としては、「退職強要はしていない。仕事をきちんと与えている」という口実をつくろうとしているのでしょうね。
A氏 始業時刻から終業時刻まで、昼の1時間を除き、机に向かい、打ち込む。正社員が1500人以上もいながら、この仕事をしているのは社内でたった1人。一応管理職だったけど、今やこんな扱いだから、周囲からは冷ややかに見られる。誰も話す相手がいない。精神安定剤を飲みながら出社している。
そのままだと気がおかしくなりそうだから、時々席を外し、トイレに行く。そして、新聞記事の切り抜きを読む。特に英語に関する記事を……。語学が好きだから……。精神的に疲れ切っているから、頭になかなか入らない。
ある同僚は、「お前、そんな惨めな仕事をいつまで続けるのか?」と茶化す。口惜しいけれど、どうすることもできない。『半沢直樹』のように大胆な復讐はできないが、10倍返しはしたい。このまま辞表を出して、引き下がることはしたくない。辞めた後、ずっと後悔する。敗北感を引きずって生きていたくない。
筆者 単純作業をするのは、たった1人なのですか……? 事実ならば、退職強要の疑いがあるので、問題でしょうね。
A氏 人事部のフロアの隅に、1つの机と椅子がある。そこに1人座り、黙々と作業をする。ここに配属された1年前には、正社員が10人ほどいた。40~50代の中高年だけでなく、20代の女性もいた。いずれも、所属部署で上司から低い評価を受けたり、私のように会社と軋轢を起こした者ばかりだった。この1年間で皆、辞めた。
筆者 会社として、リストラを行っているわけではないのですね。
A氏 社を挙げてのリストラではない。業績は決して悪くはないから……。ただ、ここ1年ほど毎年、数十人のペースで追い出しを図っている。私も以前は、そんな光景を他人事として見てきた。それが今や、自分に降りかかっている。
続きは以下で
http://diamond.jp/articles/-/43634?page=2