名古屋北部青年ユニオン  2012/8/13~

職場のお困りごと、相談しませんか?
私たちは、共に学び行動する労働組合です。
ひとりじゃない、一緒に生きよう!

「ブラック雇用改革」 労働者“使い捨て”メニュー

2013-10-08 | 労働ニュース
ざっくり言うと・・・
・安倍政権は臨時国会で、解雇特区や日雇い派遣について提言する
・自民党の規制緩和で、派遣切りや正社員の解雇が深刻になる恐れもあるという
・その他にも「企業寄り」の緩和が進行中で、国民は注視する必要があるという

安倍政権「ブラック雇用改革」 労働者“使い捨て”メニュー
 庶民を苦しめる消費増税を決めたと思ったら、今度は労働者イジメの“ブラック雇用改革”に突き進む安倍政権。臨時国会に「解雇特区」を提案するだけでなく、「日雇い派遣」を復活させるという。さらにその先にも、労働者“使い捨て”の改革案がズラリ。その中身をサラリーマンはよーく知っておいた方がいい。

 先週、雇用に関する2つの提言があった。

 政府の国家戦略特区ワーキンググループの八田達夫座長(大阪大招聘(しょうへい)教授)は、「事前の労使の契約で解雇ルールを定める」「5年を超えた契約社員は無期契約に転換できる権利を制限」という“解雇特区”の詳細を発表。対象は外資系やベンチャー企業の弁護士や博士号取得者としているが、いったん新たな解雇ルールの風穴が開いたら、一般社員へもズブズブになりかねない。

 政府の規制改革会議(議長・岡素之住友商事相談役)は派遣に関する意見書をまとめ、「日雇い派遣禁止」の抜本的見直しを求めた。リーマン・ショック後に続発した「派遣切り」を厳しく規制するため民主党政権時代に法改正が行われ、日雇い派遣は昨年10月から禁止になったばかりだ。それを1年も経たないうちに元に戻そうというのである。

 さらに、マージン率(派遣料金と派遣労働者の給料の差額の比率)の情報開示の義務化についても「重要な経営情報を公開するのは好ましくない」と撤廃を求めている。派遣会社による不透明な賃金の中抜きを避け、労働者を守るための義務化だったのに、企業側の論理に屈する形だ。政府は、これらの変更を来年の通常国会に提出する派遣法改正案に盛り込むつもりだ。

 他にも規制改革会議では、雇用に関する見直しが目白押し。

(1)裁量労働制やフレックスタイム制の緩和

(2)時間外手当の見直し

(3)限定正社員の導入

(4)派遣の無期化、固定化

(5)グループ企業内派遣8割規制の緩和

(6)労使双方が納得する雇用終了のあり方

 今年から来年にかけて結論が出されるが、企業寄りの制度に変更されるのは確実だ。

 労働相談を行うNPO法人POSSEの今野晴貴代表はこう言う。

「『解雇特区』は、たとえ法案が成立しても裁判になれば違憲でしょう。そんな非現実的でムチャクチャな政策が真面目に議論されてしまうのがいまの安倍政権です。『日雇い派遣』にしても、当時、マズイということになったから禁止したのに、それを再び解禁するなんて信じられません。通常はもう少し妥協というかバランスをとった制度設計がなされるものですが、自民党が強すぎて反対勢力がないのでやりたい放題。この状況を厚労省は懸念しているようですが、いまや『雇用改革』は実質的には経産省が主導している。だから、一部の大企業の利益のための改革になってしまうのです」

 いま声を上げないと、取り返しのつかないことになる。

http://news.livedoor.com/article/detail/8137843/
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

派遣労働の規制は撤廃し、多様な雇用形態を労働者が選べる社会に

2013-10-08 | 労働ニュース
政府の規制改革会議は、労働者派遣法で原則禁止されている30日以内の「日雇い派遣」を見直す意見書を出し、厚生労働省に労働者派遣制度の規制緩和を求めた。これは小さな話のようにみえるが、民主党政権で一貫して強化されてきた雇用規制を緩和する方向に転換する、大きな一歩である。

 派遣労働についての政府の方針は、二転三転してきた。2000年代初頭の信用不安にともなう不況の中で、雇用の受け皿として非正社員が活用されるようになり、それまで専門職を中心としていた派遣労働が製造業などにも広がり、26業種になった。日本が「リーマンショック」以降の世界的な不況の中でも、4%前後の低い失業率ですんだのは、こうした雇用形態の多様化の効果が大きい。

 ところが2008年末に行なわれた「年越し派遣村」をきっかけにして、派遣労働を敵視する風潮が広がり、あたかも派遣=非正社員であるかのような錯覚にもとづいて、民主党や社民党などが規制強化を主張した。これに押されて、短期派遣や製造業派遣を禁止すべきだという声が強まり、2011年に労働者派遣法が改正されて日雇い派遣が禁止された。これによって労働者の待遇は改善されたのだろうか?
上の図でもわかるように、派遣は非正社員1800万人のうち90万人、5%程度にすぎない。これは最大だった2008年より規制強化で55万人減ったが、その代わりパート・アルバイトが107万人増えた。派遣労働者には、次の仕事を派遣会社が紹介してくれるが、アルバイトには何の保護もない。つまり派遣労働の規制は、それより不安定なパート・アルバイトを増やしただけなのだ。

 この結果は最初から予想されたことで、ほとんどの経済学者が規制強化に反対した。にもかかわらず、労働政策審議会の労働者派遣に関する研究会は、派遣労働者の職種を26種に制限していた規制を廃止し、どんな仕事でも企業が無期限に派遣労働者を雇えるようにする一方、今後はすべての派遣労働者を3年で交替させなければならないという改正案の最終報告をまとめた。

 これは企業にとっては便利だが、派遣労働者の雇用は不安定になる。労働基準法では3年を超える有期雇用契約が認められないので、今までは無期限に働くことのできたSE・翻訳・放送など26業種の専門職も3年でクビになるのだ。こういう愚かな規制強化が繰り返される一つの原因は、上の「研究会」の委員7人のうち4人が労働法学者で、経済学者が1人しかいないという片寄った構成にある。

 法学者は「国民は法に従うものだ」と考え、立法する側の意図の通りに国民が動くと考える傾向がある。これは交通ルールなどでは正しいが、市場経済は法律では動かないのだ。たとえば「すべての企業は生産を倍増しなければならない」という法律をつくったら、GDP(国内総生産)は2倍になるだろうか。

 市場は需要と供給で動くので、供給をいくらコントロールしても、需要はコントロールできない。これが社会主義の失敗した理由である。労働市場も同じだ。労働供給の規制を強化して「正社員を増やせ」といえば正社員が増えると思っている労働法学者は、社会主義と同じ錯覚に陥っているのだ。

 供給側の労働者をいくら規制しても、需要側の企業は雇用コスト(賃金や待遇)を上げたくないので、派遣労働を規制したら(もっとコストの高い)正社員が増えるのではなく、もっとコストの低いアルバイトが増えるだけだ。上の図のように、規制を強化するほど非正社員は増え続け、労働者全体の38%を超えた。

 規制改革会議の提案しているように、派遣規制は撤廃すべきだ。こういう議論に対して「派遣業者のピンハネがけしからん」という話がよく出てくるが、それは派遣労働の市場が小さく、競争がないからだ。派遣会社が増えて競争が激しくなれば、労働者はピンハネする会社には登録しなくなるだろう。労働者をだますような悪質業者は取り締まればいいことで、警察の仕事である。

 雇用が多様化する中で、パートやアルバイトのようにまったく雇用保証のない労働者の比重が増えることは好ましくない。雇用がなくなったら次の職場を紹介し、労働者が専門性を生かして働き続ける派遣会社は、労働者のセーフティネットになっているのだ。派遣労働の規制は撤廃し、多様な雇用形態の中から労働者が選べばよい。「正社員」以外の雇用形態を敵視する労働行政も、これを機に転換すべきだ。
http://www.newsweekjapan.jp/column/ikeda/2013/10/post-739.php
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ネスレ日本と労組 30年の労使紛争終結

2013-10-08 | 労働ニュース
約30年にわたり労使紛争が続いていたネスレ日本(神戸市)と、同社の少数派組合「ネッスル日本労働組合」が6日までに、紛争終結で合意した。労組によると、組合員の遠隔地異動や解雇などで訴訟や労働局への申し立てに至った紛争は、計100件以上に上った。

 関係者によると、1982年から83年にかけ、会社介入でネッスル日本労働組合が分裂。多数が新組合に流れ、同労組は少数派に転じた。それでも当時、組合員は300~400人いたが、長引く紛争で6人に減った。

 裁判では会社の敗訴が相次ぎ、2005年には労組側が、経済協力開発機構(OECD)の多国籍企業行動指針に違反すると主張し、OECD日本国連絡窓口に申し立てていた。

 合意は今月1日付。「ネスレ日本は過去の裁判所、労働委員会の判決、決定内容を真摯に受け止め、順守することを表明する」とし、「人権侵害、いじめなどの疑いが持たれる可能性のある行為がないように努める」などとした合意書が、同社と同労組、同労組の上部団体である兵庫県労働組合総連合(兵庫労連)の間で交わされた。また、過去の紛争について、双方が金銭の請求をしないことなどを約束した。

 同社は「OECDなどのグローバルガイドラインを全面的に支持する。各国の法律を順守し、事業活動全般で人権を守り、労働慣行の模範となるよう努めたい」とコメント。同労組の播戸夏樹委員長(60)は「わずか6人の組合と会社が和解したことは評価できる。組合のあり方を若い人に示すことができた」と話していた。(中部 剛)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする