怒りの残業170時間 episode 1
金曜日の定時後、仕事をしていたら、上長がものすごい顔をして現地から帰ってきた。お客さまの資料を手元に、すぐさま関係者全員集められた。
とは言っても、その製品の技術担当者は私と上長だけ。実際の製品開発はアメリカの子会社が全て手掛けていたので、技術担当者と言えども、底が知れている。あと応援で関連会社の人が一人。それに対し製品の品質担当部署の人たちは担当以外の人も含め、全員召集されるという、異常事態だった。
これまでも、そのお客さまとやりとりがあったが、関連する別製品の担当者が、そんなの知らねえっ!と回答したものだから、お客さまが逆上したのである。
まあ我々の製品もタコだった。品質もだめ、性能もだめと、だめだめな製品だったのを何とか持ちこたえていたが、ついに逃げられなくなった。
お客さまの資料は品質担当部署に渡され、ものすごい数の人が動いて、徹底的なチェックが始まった。
私は、ものすごいことになったと事の大きさを知り、血の気が引いて青ざめてしまった。
残された私と上長は、会議室にとどまり、さあこれからどうしようかと戦略を考えた。そうしている間にも品質担当部署から次々に報告書が送られてきた。我々は徹夜で対応し土曜日曜と一睡もせずに月曜の朝を迎えた。
「もう限界なんですけど。」とうつろに言うと、「そうだね」と放心状態で上長は答えた。そこへ新人だった女性が、すがすがしい顔で「おはようございます」とあいさつしたが、私も上長も何も言えなかった。
そんな極限状態になっても、我々はまだ帰れなかったのである。
後記
混雑の中、駅で人とぶつかってしまい、”すいません。”と謝ったのに”ぶつかってんじゃねえよ”とすれ違い様に言われたので、”うるせえよ、ばか”と言ってやった。
久々にタイマン張って、2度と歩けねえ体にしてやってもいいのだが。。。まあ、逆もありうるんだけどね。。。老いても、刺し違える覚悟だけはいつでもある。久しぶりに芥川龍之介の「老いたる素戔男尊」を読みたくなったよ。
相変わらず餓鬼です。
金曜日の定時後、仕事をしていたら、上長がものすごい顔をして現地から帰ってきた。お客さまの資料を手元に、すぐさま関係者全員集められた。
とは言っても、その製品の技術担当者は私と上長だけ。実際の製品開発はアメリカの子会社が全て手掛けていたので、技術担当者と言えども、底が知れている。あと応援で関連会社の人が一人。それに対し製品の品質担当部署の人たちは担当以外の人も含め、全員召集されるという、異常事態だった。
これまでも、そのお客さまとやりとりがあったが、関連する別製品の担当者が、そんなの知らねえっ!と回答したものだから、お客さまが逆上したのである。
まあ我々の製品もタコだった。品質もだめ、性能もだめと、だめだめな製品だったのを何とか持ちこたえていたが、ついに逃げられなくなった。
お客さまの資料は品質担当部署に渡され、ものすごい数の人が動いて、徹底的なチェックが始まった。
私は、ものすごいことになったと事の大きさを知り、血の気が引いて青ざめてしまった。
残された私と上長は、会議室にとどまり、さあこれからどうしようかと戦略を考えた。そうしている間にも品質担当部署から次々に報告書が送られてきた。我々は徹夜で対応し土曜日曜と一睡もせずに月曜の朝を迎えた。
「もう限界なんですけど。」とうつろに言うと、「そうだね」と放心状態で上長は答えた。そこへ新人だった女性が、すがすがしい顔で「おはようございます」とあいさつしたが、私も上長も何も言えなかった。
そんな極限状態になっても、我々はまだ帰れなかったのである。
後記
混雑の中、駅で人とぶつかってしまい、”すいません。”と謝ったのに”ぶつかってんじゃねえよ”とすれ違い様に言われたので、”うるせえよ、ばか”と言ってやった。
久々にタイマン張って、2度と歩けねえ体にしてやってもいいのだが。。。まあ、逆もありうるんだけどね。。。老いても、刺し違える覚悟だけはいつでもある。久しぶりに芥川龍之介の「老いたる素戔男尊」を読みたくなったよ。
相変わらず餓鬼です。