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7月23日(日)のつぶやき

2017-07-24 02:48:04 | 日記
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第20回数学カフェ ”トロピカル幾何学”

2017-07-24 00:00:02 | 日記
第20回数学カフェ ”トロピカル幾何学”

日曜日。

今日は13時~17時過ぎまで東京信濃町”NTTデータ数理システム”にて、第20回数学カフェ ”トロピカル幾何学”の講義に参加してきました。講師は東京大学大学院数理科学研究科準教授である植田一石先生でした。最初、独特の癖のある口調で話されて慣れるまでに時間がかかってしまいましたが、最後は気にならず、素晴らしい講義内容で感動的ですらありました。

それでは何ともユニークなトロピカル幾何学のお話をしましょう。トロピカル幾何学は代数幾何学の分野に当たり代数多様体を数学的対象と見做します。通常の代数幾何学では多項式環で構成された代数多様体を扱います。多項式環にはそもそも加法減法乗法が定義されており、有限生成のイデアルから構成されるというヒルベルトの有名な基底定理があり、全ての代数多様体はこれらイデアルによる商環を考えることにより同値類を形成することができます。そこで代数幾何学では多項式環が定める点への作用(関手)と見なすことができ、この環を色々と変えてみることで代数多様体を多面的に調べることができます。

そこで実数Rに∞を加えた点にトロピカル加法(min(a,b))、トロピカル乗法(a+b)で定義されたトロピカル半環(四則演算のうち減法だけができない環、因みにminの代わりにmaxでもよい、何故なら1対1の同型対応が与えられるから)を代数多様体の関手にすることにより、トロピカル幾何学が成立します。一般の多項式をトロピカル加法乗法により定義し直すことにより、代数多様体は区分的な線形関数になるのです。(ちょっと驚き)

さて多項式がn変数のLaurent多項式は、トロピカル化により、区分的に線形なトロピカル超平面となりますが、Logを差し込んだ特別な写像を定義することにより、アメーバ状の形状を持った曲面に移ります。そこで、あるパラメタの極限を取ることにより、アメーバが干からびた状態の区分的線形なトロピカル超曲面になります。(ここも驚き)

このようにトロピカル幾何学では、敢えてトロピカル半環を導入することで情報を落とし、本質的な性質を捉えようとする幾何学になります。現在、トロピカル幾何学は様々な応用分野で活躍しているとのことです。

何か代数幾何学の視点が凄く広がったような気がします。講義をされた植田先生、また主催者である数学カフェの皆さんには感謝です。ありがとうございます。次回もできれば参加したいと思います。

寝る。

後記
今日も大河ドラマ「おんな城主 直虎」面白かった。
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