地中海側にあるジローナの街を後にし、次の滞在先「イトゥレン」に向かう予定だったのですが、
主人がバルセローナの自転車用品店にもう1度、寄りたいと言い出して、
(バルセローナは路上駐車と一方通行が多く、カーナビがなかったら大変でした。
カーナビも駐車中に車内に置いておくと盗られる可能性があると注意されてちょっと下りる時も持って歩きました。)
バルセローナに立ち寄ったので
バルセローナを出発したのが午後1時半くらい。
(ジローナからバルセローナに向かう途中の標識)
イトゥレンはどちらかと言うとパンプローナとサンセバスチャンの間くらいで
フランスの国境から車で15分くらいのピレネー山脈のスペイン側にあるんですが、
高速を使うとサラゴザなどを通って行くので
(ピレネー山脈があるので直線コースでは行かれない)
長時間の運転に慣れてない主人は休憩しながら行き、
結局、到着したのは午後9時。
暗くなる前のぎりぎりの時間でした。
これが暗くなっていたら絶対に到着は無理でした。
これはバルセローナの空港に行く途中にいつも見えていた墓地。
ドイツ人の友達を迎えに行って、送って行ったので
この墓地を見たのは3度目。
私、墓地って好きなんですよね。
そして高速を永遠と走っていくわけですが、
主要都市を通る時もあれば、
高速道路がかなり離れた位置にあって都市が見えない時がありました。
この都市の名前すらもうわかりませんが・・・
長いドライブ、カーナビ見ながら、地図も見ながら
結構、主人も私も緊張して走っていて
今では良い思いでです。
サラゴザという街に向かって走っていたわけなんですが、
段々と緑が少なくなっていくんですね。
工場も多く見られるようになりました。
何もないような場所もかなりありました。
スペインって広い~。
生活、大変そうです。
最初、この辺りで1泊してから行こうと主人は言っていたのだけど、
とんでもない。
ホテルくらいあるとは思いますが、
工場地帯という感じで何もない所です。
山の上の元修道院の廃墟という感じでしょうか。
牛の像は何故あるのか分かりませんが。
それが、パンプローナに近づくにつれて、
風車が数多く見られるようになり、
太陽光発電の為のソーラーパネルもあちこちに設置されていて、
バスク地方特有の家々が見られるようになり、
景色もピレネー山脈っぽく変わってきて
緑豊か~。
風車やソーラーパネルはバルセローナの方(ジローナやコスタブラバ)ではあまり見ませんでした。
バスク地方の方が観光よりも産業に力を入れている印象を受けました。
本当にこの辺りは自然が美しかったです。
(バスク地方の家はカタルーニャ地方とは全く違いますね)
でもカーナビがなかったらイトゥレンの町にはたどり着けなかったことでしょう。
特に高速を下りてからパンプローナの街を通貨するのはものすごく困難。
カーナビを使っていても
「本当にこの道でいいの?」
と思えるような路地に入って行くわけなんです。
パンプローナは道が複雑怪奇で一方通行が多いです。
そして偶然にもイトゥレンの街から今度の宿であるジョージーナの家まで4kmの山道を進んでいたら
サンセバスチャンでアイススケートのレッスンから帰って来たジョージーナ親子の車が迷っている私たちの車を追い越そうとして
もう直ぐ日が暮れそうで山道で迷って大変だったので
会えて良かった~。
彼女達の車の後をついていきました。
ジョージーナの経営する宿は
ネットで見つけて何度もメールのやりとりをして決めたんですが、
ホームページはこちらです。
Pyrenean Experience
ジョージーナはイギリス人女性ですが、
スペイン人で弁護士さんのご主人と2人でこの宿をやっておられます。
マリオンちゃんという桃ちゃんと同い年の9才の女の子が居て、
ここを決めた理由はマリオンちゃんは英語が母国語だと言う事、
同い年ということ、
それから桃ちゃんはスペインに行ったら農場で動物の世話をしたいのが希望だったのですが、
ジョージーナさんの近所には彼女がずっと家族のように親しくしている農場があって
いつでも桃ちゃんは行って良いよと言ってくれたから。
何度も分岐点があるんですが、ここが最後の曲がり角。
あまりにも道が分かりにくいので
今回、地図を作製した私です。
ここからは砂利道で、ちょっと谷底に落ちて行く感じがしますが、
実際にはそんなことはありません。
マリオンちゃんは車から降りて走ってます~。
着いたら直ぐに日が暮れました。
ぎりぎりセーフ。
母屋と別棟に分かれていて、
こちらが別棟で私たちが今回、泊まらせて頂いた家です。
(ダイニング)
屋根裏に1部屋、地下に4部屋あり、
台所は共同ですが、トイレ、シャワーは各部屋にそれぞれ付いています。
寝具もタオルも人数分用意しておいてくれました。
持って行かなくてはならないのはシャンプーや石けん、歯ブラシなど、
それから食器洗い洗剤や洗濯石けんなど。
台所に隣接したソファ。これとは別に暖炉のある居間があります。
この階段を上がると屋根裏の私たちの部屋になります。
台所。
屋根裏は1つの大きな部屋ですが、
こちらが桃ちゃんのベッド。
桃ちゃんのベッドの側にある窓からの景色。
反対側が私たちのベッド。快適でした。
他にお客さんも居なかったので家を独り占め。
テラスを挟んで母屋があります。
朝、起きるとこの景色。
イトゥレンの町から山を4km入っただけのことはあります。
昼間に見るとこんな感じです。
ここに来て一番先にやったのはオレンジの木を植えることでした。
それからジョージーナさんがフランス国境に近い大きなスーパーに連れて行ってくれました。
これがそのスーパー。今回、2回、連れて行ってもらいました。
小さい買い物はふもとの町でも十分です。
彼女は何度も山を下りるので
予め話しておき、一緒に乗せて行ってもらいました。
この週はイースターだったので
スーパーもちょっとスケジュールが変わっていました。
スペインの場合、イースターの翌日の月曜日も休日みたいです。
実はこの時期、ここに決める前に調べると
ホテルなど普段よりも値段は高かったです。
1週間の滞在の前半は本当にお天気に恵まれて、
桃ちゃんは山の子になってました~。
遠くに見える村(柵の右手の奥に見える)ですが
この場所から繋がっている道はなくて、
一旦、イトゥレンの方に下りて、
そこからその村へ続く道を行くそうなんですが、
その村を通ってさらに山の向こうに行くと奇麗な湖があるんですって。
行ってみたかったんですが、今回は無理でした。
農家のトラクターとか時々見かけます。
スペインの山道は車が1台しか通れない狭さなので
山道で車同士が出会うとどちらかがバックするんですが
彼らは慣れていてバックも速い、速い~。
臭いのも気にせず、桃ちゃん、子牛を可愛がりに行きました。
この子牛達は全部、子牛肉としてイースターの為にと殺されるそうなんです。
犬が好きな桃ちゃんは農場の犬3匹全部と直ぐに仲良しになりました。
名前も個性も覚えていて、
今でも話題にしています。
この犬はあの犬が側にいる時は絶対に触らせてくれないで守ろうとするんだよ~とか。
干し草は動物達の食料源なのでああやってビニールに入れて貯められる時に貯めておくそうです。
牛が帰ってきました。
先ずは子牛がお母さんのおっぱいを飲みます。
それからおじいちゃんが家族が飲む分の牛乳を手で絞ります。
桃ちゃんもやらせてもらいました。
桃ちゃんって自分のうんちでもオエっとなるのに
乳搾りの途中で牛がおしっこしても、
歩いてる場所がふんまみれでも
凄い匂いでも平気。
動物の匂いは気にならないんですって。
変わってる~。
マリオンちゃんは桃ちゃんに手取り足取り色々教えてくれました。
時間が空いた時は農場でサッカーのまねごと。
まだ1才の農場のお孫さん、本当に可愛い~。
それから干し草集めのお手伝いを皆でしました。
羊が帰ってくると・・・
今度は羊の乳搾りです。
数が多いので器械で絞ります。チーズ用。
桃ちゃん、こういう手伝い、大好き。
私は納屋の匂いだけでちょっと閉口しました。
運動靴が汚れるのも気になっちゃったし。
そして、主人は毎日、自転車乗りに出かけていたのですが、
一度だけ、主人が帰って来てから徒歩で山を下りてバールで飲んだことがあって、
(写真は上から見下ろしたイトゥレンの町)
帰りは携帯にテキストしたらジョージーナさんが車で迎えに来てくれたんですが、
車が下りる道と違って徒歩の道は山道で楽しく、
しかもたった1時間で町まで下りられ
(登りはきっと大変ですが)
イトゥレンの町には2軒しかバールがないのだけど、
ジョージーナさんが勧めてくれたシドラというアップルサイダー酒、
バーテンダーさんが高い所から落として注ぐと全く味が違って本当に美味しい~。
そんなに種類はないけどピンチョスも美味しくて楽しかった~。
そしてどんどん色々食べていて
観光ガイドブック(アメリカで出版されたもの)にはバーテンダーが数えてるから
会計は相手がいくらって言ってくる・・
って書いてあったのに、
「La cuenta, por favor.(お会計、お願いします)」と言ったら、
「Cuantos pintxos teneis... ??」みたいに聞いてきて
(いくつ食べました?)
主人と2人で、ええ~と急いで数えました。
シドラ1本にピンチョス4つか5つくらいで、会計は7ユーロくらいだったかしら。
酔っぱらった主人と私はさらに歩いて隣町のバールにも行ってみることに。
町の名前に赤い斜線が引いてあるのは
ここでこの町は終わりという印です。
本当はジョージーナが川の右に気持ちの良い遊歩道があると教えてくれたのですが、
この道路沿いにある海水を使ったスパ(温泉みたいだけど多分そんなに熱くない)を覗いてみたかったのです。
値段は大人1人で1時間、22ユーロだったかな、
行ってみたかったのですが、
結局、時間が取れず無理でした。
ドネステベはジョージーナさんのご主人が法律事務所を持っている結構大きな町で
スーパーなども大きいのがあります。
大きいと言っても車なら数分で通り抜けちゃうくらいの大きさですが、
私と桃ちゃんのスペイン語の先生もこの町に住んでいました。
ちなみに地名なんですが、2つ書いてあるのは1つはバスク語で、1つはスペイン語だから。
多分、下がバスク語だと思うんですが・・・。
そういえばバルセローナやジローナでは多くの表示がカタラン語になっていて
上がカタラン語、下がスペイン語だった気が・・・。
時にはスペイン語の表記がなかったりも。
カタルーニャの人達は来年には独立出来るといいけど、という話題なども多く、
スペインから独立したいので家にカタルーニャの旗を掲げている人が多くいました。
その点、バスクの人たちはわざわざ言わなくても団結してるからみたいな自信がある気がしました。
イトゥレンとドノステベの町の間に、もう1つ小さな村があって、
それがエルゴリアガ。
村に1軒だけあったここのバール、とっても素敵でした。
ピンチョスの種類もさっきより多くて、
ここで初めてうなぎの稚魚を食べて感動した私。
今までマニラのスペイン食材店で見たけど買う勇気がなかったのです。
あ~こうやって食べるのかと発見。
にんにくやオリーブ油やハーブとマリネにしてから使うと美味しいんですね。
酢漬けのアンチョビも美味~。
私たちがハムやチーズが欲しいと言ったら
息子さんがバーテンダーをしていてお母さんが調理係という感じだったのですが、
お母さんが家にハムとチーズを切りに戻ってくれました。
恐縮~。
コーヒーはスペインの何処で飲んでも絶品です。
値段も1~1.5ユーロくらいでマニラのスターバックスより安いじゃないですか。
エスプレッソがこんなに美味しいってスペインで初めて知りました。
私のお気に入りはやっぱり un cafe cortado (ミルクをほんのちょっと入れたもの)です。
バールでは agua de grifo (水道の蛇口から出てくる水)をお願いして酔いを覚ましてましたが
後でスペイン語の先生から習った un mosto という白ぶどうジュースにオリーブの実とオレンジの輪切りが入っているものも大好きでした。
最後の3日は雨、霧でお天気にはあまり恵まれませんでしたが、
霧は霧で風情があって奇麗。
たまたまその時、桃ちゃんはちょっと風邪で・・
風邪でもマリオンちゃんの家に出かけて行って遊んでましたけど、
帰る前の日は寿司パーティーも開いて
とっても楽しかったです。
スペイン語の勉強をしたい人、英語の勉強をしたい人にお勧めかなあ。
ただ普通の語学学校のような資格があって教えるようなプロを期待するのではなく
生活の中でハイキングしながらとか、
おしゃべりしながら・・という形ではありますけど、
きちんとした授業なんてマニラや日本でも出来るわけで、
楽しい旅行にしたかったので、
そういう意味では桃ちゃんはここでの体験、一生忘れない楽しいものになりました。
あまりにも山奥なのでハイキングが好きとか
自然の中でリラックスしたいという人じゃないと楽しめないかもしれませんけど、
山を下りてバールを楽しむのもジョージーナさんは車で送り迎えしてくれると言ってくれたし
(私は歩きたかったから歩いたけど)
マリオンちゃんの学校がイトゥレンにあって朝と午後に送り迎えしているし、
時間を合わせて便乗していく手もあるので
予め話し合ってさえおけば山の中でも結構楽しいんじゃないかと思います。
今回、私たちは桃ちゃんの為にここを選んだので、
そういう意味では大正解でした。
自転車もマウンテンバイクはいいんですが、
主人はロードバイクを持って行ったので
道がイマイチで、そういう意味では物足りなかったみたいですが、
フランスの国境を超えた所まで行ったそうです。
私も行きたかったなあ~、バスクの有名な小さい町々が近いのですよ。
主人が1車線しかない山道を車で走るのが怖くて、
車を8日間、動かさなかったからですが、
車が動かせたらそういう町にも行けたのに~。
ちなみにジョージーナさんはビアリッツ(フランス)やサンセバスチャンの空港までの送迎もしてるみたいですが、
メール(英語)で要相談です。
ジョージーナさんもマリオンちゃんのバレエとかアイススケートとかの送り迎えで忙しい中、
買い物に連れて行ってくれたり、
桃ちゃんを農場に案内してくれたり、
通訳してくれたり骨を折ってくれました。
スペイン語を教えてるのはご主人様や私と桃ちゃんにスペイン語を教えてくれた素敵な女性で、
もちろんプロの教師ではないけれど、彼女は自宅で子ども向け英語教室を開いたり
ヨガを教える資格も持っていて教えたりしているんですが、
ジョージーナさんのお陰で彼女に出会えて本当に良かったです。
彼女から学んだことは本当に多かったです。
8才の娘さんも英語が上手で桃ちゃんと楽しく遊んでくれましたし。
それから、ジョージーナさんの家から徒歩、片道1時間で行かれる美味しい家庭料理を出すお店があって
ジョージーナさんのところは自炊なんですが、
料理が面倒な人はそこに毎日歩いて食べに行ってもいいくらい美味しいんですよ。
ジョージーナさんとご主人もお酒を飲みたい時は歩いて行くそうなんです。
次回はそのお店のことも紹介します。