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狭いベランダで育てているバラのこと、趣味のこと、トールペイントのことなどなんてことない毎日を書いていきます。

映画〈エルヴィス〉を観に行った。

2022-07-21 14:07:43 | 映画

昨日の今日なので、本来ならば野田弘志さんの〈真理のリアリズム〉の感想を書くべきなのですが

今日は、元気なうちにと午前中に観に行った映画〈エルヴィス〉の簡単な感想を書きます。

(あらすじ)

世界史上最も売れたソロアーティスト、エルヴィス・プレスリー。

彼がいなければ、ビートルズも、クイーンも存在しなかった。

エルヴィスの<誰も知らなかった>真実の物語を、『ムーラン・ルージュ』のバズ・ラーマン監督が映画化。

若き日のエルヴィスは、ルイジアナの小さなライブに出演し、

当時誰も聴いたことのなかった”ロック“とセンセーショナルなダンスを披露する。

若者たちは“彼“に魅了され、次々と叫び、熱狂する。

その瞬間、やせっぽちの無名歌手は、スーパースターに変貌した。

熱狂が瞬く間に全米へ広がるにつれ、

センセーショナルすぎるロックとダンスは社会の大きな反発も生んでゆく。

 

この映画の主人公はもちろんエルビスなのですが

語り部として最初から最後まで登場するエルビスのマネージャーであるトム.パーカー

の物語であるとも言えます。

エルビスを演じるのはオースティン.バトラー

パーカーを演じるのはあのトム.ハンクス

トム.ハンクスの存在感がともすればオースティン.バトラーを凌駕する

部分も正直あった気がします。

しかし、オースティン.バトラーは演技だけではなく歌も実際に歌ったのですから

その点は本当に素晴らしい!

歌とパフォーマンスだけでも十分に楽しめる映画だと思います。

 

アメリカ国籍を持たない山師のようなパーカーですが

きらめく才能に対する嗅覚は優れていたようです。

しがない小屋で歌っていたエルビスをパーカーは一目見て彼は金になると見抜き

スカウトします。

エルビスは声はもちろんそのパフォーマンスが図抜けてすごかった。

腰をくねらせて足を激しく揺らしながら歌うと女の子たちはもうキャーキャー

以下↓がそのシーン

どのようにして彼はそのパフォーマンスを身に付けたのかと言うと

子供のころ、父親が不渡りを出したことで極貧生活を送る羽目になり

黒人が住む地域の白人の家で暮らすことになりました。

周りはブラックミュージックにあふれ、教会からはゴスペルが流れてくる。

そのシーンがとても心に残りました。

ブラックミュージックは魂の叫びのよう

1940年代の話なので黒人の差別もひどい時代でしたが

彼らは歌うことで辛さを忘れていた、そのことがエルビスの心にも強く植え付けられました。

デビューして人気はうなぎのぼり、熱狂に次ぐ熱狂

しかしセンセーショナルに歌うその姿が社会的な問題にもなる。

そんな批判を何とかかいくぐろうと画策するパーカー

パーカーにエルビスに対する愛はあったのでしょうか?

口のうまいパーカーにエルビスはずっと騙され続けて

大金がパーカーの懐に入っていくように仕組まれるのです。

 

愛するプリシラと結婚し娘にも恵まれるのですが

ステージで歌うことから離れられないエルビス

熱狂する観客からの愛以上に彼を満足させるものはない

ステージで歌う以外はだんだん廃人のようになり過食と薬にまみれていきます。

それでも世界のあらゆる場所でステージをしたいエルビス

しかし、国籍のないパーカーは彼が自分から離れていくことが許せなくて

アメリカに縛り付けようとします。

「金の亡者め、お前は首だ!」と、パーカーをののしるエルビスですが

「ベイビー、俺も父親もお前から離れてしまったらさぞ寂しくなるだろう。」

パーカーは、エルビスの孤独な心に付け込んで結局エルビスが死ぬまで

エルビスを離さなかったのです。

 

パーカーは、すごい大金をラスベガスでのスロットやカジノで使い続けていた

と言う事実も明かされていて、

パーカーも何かに取り付かれていた悲しい人間であった、とも言えます。

「俺が彼を殺した、と世間は言うが違う、彼を殺したのは観客の愛だ。」

と、パーカーは言います。

ステージに立ちその場を支配しすべての観客の心を掴みその愛を受けると

それほどまでに喜びを感じるものなんでしょうか。

一度でいいから味わってみたいもんですね。

 

こちら↓は予告映像↓前のとは違う映像です。

 

さて、最後にここだけの話大きな声では言えませんが

エルビスの声よりも私の心を揺さぶったのは黒人の歌手やゴスペルソングでした。

BBキング〈役者名は分かりません)や、ショカ.ドゥレク(ゴスペルシンガー)他名前はわかりませんが

素晴らしい歌唱力に感動しました。

いやいや、それと、今思い出しました。

映画のラストに本物のエルビスがステージで歌う場面が流れたのですが

心がぞわっとなり涙が!

本物はやっぱり違いました。

 

〈追記〉

野田弘志さんの〈真理のリアリズム〉もとても良かったのでまた感想を書きたいと思っています。

 

 

 

 

 


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