片桐はいりさんのエッセイ〈グアテマラの弟〉を読み終わって
江國香織さんの〈シェニール織とか黄肉のメロンとか〉を読み始めました。
エッセイなのでどっちかと言うと軽い目のはいりさんの文章に比べて
江國さんの文章は文学なので細胞が重い感じです。
さて、〈グアテマラの〉は、本当にいろいろな面白い出来事がいっぱい詰まっていてとても面白かったのですが
特に印象深かったのは、グアテマラは離婚率も自殺率も低い、と言う事
全般的に緩い感じのグアテマラ
結婚してからもどうやら恋人(愛人?)を作って自由に恋愛するのもOKなようです。
もちろん例外もあるでしょうが
なのに、離婚率が低いとは不思議ですね。
自殺率も低い
どうも読んでいると、孤独とは無縁の国なような気がします。
弟さん夫婦と街を15分間一緒に歩くだけで
そこかしこのお店の人、行き過ぎる人、窓から顔を出している人から
「オラ」「オラ」と声がかかるそうです。
オラとは、やあとかこんにちはの意味です。
「誰?」と弟さんに聞くと「友達」と答えるそうで
はいりさんは弟は町中の人と友達みたいだ、と思ったそう。
しかしじっくり観察するとその友達にも種類があって
「ブエノスタルデス(こんにちは」で通過する人は見知らぬ人
立ち止まって「ケタル?」「コモエスタ?」最近元気?と会話をする人は顔見知り
ハグしてちょっとの間立ち話をする人はようやく日本で言うところの友達になる、と言うことです。
そんな風なので15分の道のりと言ってもその時間で行けたためしがない、と書いてありました。
家の中にもいろいろな人が出入りしていて
ほとんど一人になる時間はなさそうです。
それがいいことなのかどうかは分かりませんが
1人で暗く考え込む時間はなさそう。
なんだかわけが分からないうちに誰かとしゃべって一日が過ぎていく感じなんでしょうか?
1人でじっくり人生について考えたり、何かを創作する時間はなさそうです。
なかなか面白かったのでこの本はメルカリで売らずに手元に置いておくことにしました。
グアテマラは、中央アメリカ北部に位置する共和制国家。
*******
さて秋の気配を感じる今日この頃
今日のBGMはしっとりとプラターズの〈煙が目に染みる〉
この曲を皮切りにプラターズを聴きながら、〈つるし雛〉の続きを描きます。