詩３２０「くじらくん」

くじらくん。
ぼくをごくんとのんでくれ。
ぼくはしってる。
あのこがきのうたべられた。
もうとけてるかもしれないけれど。
できればひとめあいたいな。
そしていっしょにとけるんだ。
こころもからだもとろけるんだ。
きみのなかでひとつになるんだ。
ずっとずっといっしょなんだ。
だからくじらくん。
ぼくをごくんとたべてくれ。
えんりょはいらない。
のまないのならこっちから。
とびこむぜ。

きみのなまえをおしえてほしい

北村薫 『謎物語 あるいは物語の謎』

北村薫によるミステリーについての講義的エッセイ集。それも本格ミステリーを軸にした。僕は別にミステリーが特別好きというわけではないのですが、おもしろかった。北村薫さんのミステリー愛が伝わってきました。そして北村薫さんの書いたものを読むと、なぜかそれに関連する本を読みたくなってくる。そういえば中高生の頃、『空飛ぶ馬』シリーズを読んでいると芥川龍之介と夏目漱石を無性に読みたくなって、半分以上分からないまま読破したことを思い出しました。本は本をよぶ。のか。

油彩Ｉ－３

詩３１９「ストレッチ」

ストレッチ。
ストレッチ。
あなたと絡む。
ストレッチ。
月を手に。
夜空をまたぐ。
１００億光年。
宇宙をこえて。
１００億万年。
時間をこえて。
悠久の彼方。
ゆっくりと。
ゆっくりと。
あなたと同じ。
数を唱える。