草いきれの中でこの空を見たかった

辻仁成 『目下の恋人』

短編小説集。いまいちでした。辻仁成は初めて読んだけど、長編の方がいいのかなぁ。表題作の中で、ある老人が言った「一瞬が永遠になるものが恋、永遠が一瞬になるものが愛」という言葉はすっと心に残りましたが。

油彩J-4

詩３２５「まどろみつくる」

まどろみつつ
つくる
時間が好きだ。
現実ではない
何かに遇える。
朦朧とし
倒れこみ
彼の世と
此の世を
ふらりふらり
散歩する。
向こう側からやってくる
何かに出合う。
無理やりに起きても
其処にあるのは
異界の現実。
出合った後の現実だ。
だから僕は
倒れるまで
つくってやる。
つくり続けてやる。