朝の雲

油彩L-1

詩３３０「夜に飛ぶ鳥」

鳥目で夜飛ぶ。
見えるのは星の瞬き。
我が森の上空を飛んでいるはずだが。
風の具合でそれもまあ定かではなく。
地面すれすれかも知れず。
星星の間かも知れず。
木々の間を運良く縫っているのかも知れない。
つまり一瞬間後には真実の暗闇が訪れるかも知れないが。
それもまああまり重要なことでもなく。
むしろ目を瞑り余計な光を防いでみる。
すると私は一個の空飛ぶ魂である。
いや私という自我、一個の存在であるという自我は消え去り。
身体も意識も闇に溶け。
感覚は鈍り。
精神を研ぎ澄まし。
まさに今！
この瞬間に！
ここにいる。
魂は。
風を受け。
飛んでいる。