結婚生活をしていたアパートは、
雇用促進住宅といって、
所得によっては、2万円弱で入れる古いアパートでした。
5階建て、エレベーターなし、6畳と4畳半が1部屋ずつ、
狭いキッチンに、コンクリートの床のシャワーなしのお風呂、
洗濯機はベランダにしか置けず、そのベランダも、
かなり狭くて洗濯物を干すのも不安でした。幸い、トイレは洋式の水洗でした。
甘い新婚生活を夢見ていた21歳の新妻である私は、
いきなり出鼻をくじかれた思いでしたが、
借金まみれの夫を選んだのは、自分の責任だと
現実を見据え、いわゆる節約生活をはじめました。
狭くても、古くても、住めば都で、そこを
自分たちの居場所として生活しているときは、
それほど苦になりませんでした。
アパートに住む住人も、いろいろな人が居て、
家を建てる為に、安いから一時的に住む人(一番前向きで理想的)、
私たちのように、お金のない若い夫婦。
2世帯隣同士の部屋を借りて、頻繁に行き来する家族。
年金暮らしで、病を患い、「出費を抑えないと生活できないんです。」
と言って、町内会や隣組の退会を申し出る夫婦。
たまにトラブルで、警察が来りもします。
「きのう、警察が来てたみたいだけど、男の人がどなってたからかなぁ」
なんてアパートの人達と話してると、
「それ、うちです。お騒がせしてごめんね・・・(-“-)」
という会話もありました。
となりに住む家族は、20歳前後の年頃の子供が、男女1人ずつ居て、
仕事もバイトもしないで2人共家にいるようでした。
どうやって部屋を割り振っているのか不思議でしたが、
あいさつもろくにできない子たちで、そのわりに
母親はなにかとうちに苦情を言ってくるので(エアコンの室外機の音がうるさいとか)
世間話もできなくて、謎の家族でした。
もう一方のお隣さんは、私たちが入居するときに、夜逃げをした後だったらしく、
ドアに張り紙がしてありました。黒塗りの車が駐車場に居座り、
人相の悪い男の人がずっとその部屋を監視していたことも
あったそうです。ドラマみたい(+o+)
アパートの人たちは、今頃どうしているのでしょう。
引き続き、住み続けている方もいるんだろうと思いますが、
本来、仕事を見つけて、自立して出て行かなければいけない
住宅なんですよね^_^;