長内那由多のMovie Note

映画や海外ドラマのレビューを中心としたブログ

『マッドマックス/サンダードーム』

2018-04-06 | 映画レビュー(ま)

85年製作の本作を見ていてなぜか『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還』を思い出した。
おどろおどろしいジャバ・ザ・ハットの宮殿の活劇から一転、ぬいぐるみのイウォーク達が登場するやファミリー映画へと腑抜けたあの展開がこの『サンダードーム』とダブるのだ。『スター・ウォーズ』だったからあれが許されたが、世界中のヒャッハー野郎どもはキレた。

マッドマックスでやるんじゃねぇ!
思い出したようにクライマックスで繰り広げられるチェイスシーンは何だ。
列車?そんなヌルい物にマックスを乗せるな!

 何度も言うが、前半は面白かった。砂漠の真ん中にある無法の街バータータウンは潤沢な予算もあってかプロダクションデザインが充実。ティナ・ターナーを筆頭にフリークショーと呼びたくなる異貌のキャスティングは見せ物小屋としての後ろめたい楽しさがある。ジョージ・ミラー監督はこの30年後、世間の目など全く気にせずに同じ事を『怒りのデス・ロード』でやってのけた。豪胆な人だ。

タイトルの“サンダードーム”はバータータウンにある闘技場の名前で、風雲たけし城みたいな仕掛を駆使しながらマックスが奇形の大男と戦う。前半以外では全く登場しない場所で、なぜタイトルになったのか不明だ。

中盤からイウォークもとい子供たちが出てくると途端に子供向けアドベンチャー映画へとテンションが緩くなる。そりゃ子供を殺したら映画は世間でかけられなくなる。ジョージ・オギルヴィーとの共同監督といい、製作体制に疑問が付く。

 ファンはこの惨敗と言うべき仕上がりの後、ほぼ都市伝説と化した第4作を実に30年待つ事になる…。


『マッドマックス/サンダードーム』85・豪
監督 ジョージ・ミラー、ジョージ・オギルヴィー
出演 メル・ギブソン、ティナ・ターナー
 

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