長内那由多のMovie Note

映画や海外ドラマのレビューを中心としたブログ

『ダーティハリー2』

2025-01-14 | 映画レビュー(た)

 1971年の『ダーティハリー』は大ヒットを記録したものの、“ニューシネマの女神”とも言われたポーリン・ケイルを始め、多くの批評家から警察権力、体制を礼賛していると批判された。『ダーティハリー2』は68年のイーストウッド主演作『奴らを高く吊るせ!』のテッド・ポストが監督を務め、脚本に後の『サンダーボルト』を手掛けたマイケル・チミノが参加するなど、“イーストウッド映画”としての文脈が色濃い続編である。

 法の裁きを免れた凶悪犯が次々と殺害される事件が発生。白昼堂々、車両を停止させての犯行にハリー・キャラハンは交通警官が関わっているのではと気付く。警察内部に暗躍する私刑集団との戦いは“人は人を裁けるのか?”というイーストウッド終生のテーマでもあり、これは『陪審員2番』まで反復されていくこととなる。「法律を守る。腐っていても、別の秩序ができるまでは守るんだ」と言うハリー・キャラハンは国家権力の信奉者でも無頼の徒でもない。彼はアメリカが標榜する自由の賛同者なのだ。


『ダーティハリー2』73・米
監督 テッド・ポスト
出演 クリント・イーストウッド、ハル・ホルブルック
 

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