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「終点:大宇宙!」 |
ヴァン・ヴォークト短編集 |
創元推理文庫 |
1973年発行 1952年 |
DESTINATION:UNIVERSE!
◆はるかなるケンタウリ
恒星間宇宙船が5百年の旅に出た。〈永遠〉剤を飲み交代で航行チェック。(コールドスリープの概念はなかったらしい?)だが、目的地へ到着した時、すでにもっと効果的な航法が開発され、人類はそこを開発していた。
500年後の子孫たちにとって、彼らは体臭の酷い原始人だった。
彼らは最新の宇宙船を手に入れると、〈独身太陽〉の重力を使って自分たちの時代へと帰還した。
前半のアイデアはそこらじゅうで漫画なんかで使われたようですね。
で、最後の時代をさかのぼるアイデアですが、物質はどうなるんでしょうね。いいですけど。
◆怪物
銀河規模の天災で滅んだ文明。そこへやってきた侵略種族ガナ族。
ガナ族は何があったのか調査する為に、生物再生機で一人を生き返らせる。
だが、それは超能力を持った超種族だった。
よみがえった超種族の男は、紳士的行動を取りながら、ガナ族を自滅に追いやる。
超種族はガナ族の銀河ポジションとテクノロジーを手に入れ、再生装置で復活する。
◆休眠中
大昔の銀河大戦の忘れ形見イーラは地球にあった。
敵の抑制処置によって仮死状態にあったイーラは、原爆実験の放射能によって目覚める。
イーラの周りには小さな者たちが動いていた。
イーラは話かける。だが、それは人間には死の放射だった。(怪獣映画のイメージのギャグみたい…
人類はイーラに対し原子爆弾を投下する。それはイーラに彼の目的を思い出させる。
イーラは太陽系を破壊する為の原子力兵器だったのだ。
◆魔法の村
宇宙船パイロット、ビル・ジェナーは事故で火星の砂漠に遭難する。
そこには異生物の村があり、無人だが異生物の生活には全自動の村だった。
自分の必要とする水と食料を村から得ようと苦心するがうまくいかず。
だが、ある日、彼はそこに適合する。
二つの解釈がある。
一つは村が彼を飲み込み、その異生物の姿に変えたと言うもの。
村を変えようとする主人公に対し、もう一つの生き残る答えを与える。これが作品の趣旨だと思うが、読み方によってはもう一つの解釈が生まれる。
最初からビル・ジェナーは人間ではなかった。そして、村を自分に適合させることに成功したとするもの。だが、この解釈は作品的に面白くない。
◆一罐のペンキ
金星人のペンキ容器。この扱いにくいが完璧なペンキは金星人のテスト。まあ、ギャグかな。
キルガーのペンキとの奮闘。そして金星との交易開始。
◆防衛
つきには自動防衛システムが備わっていた。人類初の月面着陸に反応し、1千個の超原子爆弾が地球に注ぐ。
1948年の作品です。
◆支配者たち
歴史の背後で暗躍してきた13人の支配者たち。H薬の存在はその支配に利用され始めた。
それに気付いた心理学者レイサム博士。H薬の効果を逆に利用し、支配者たちを倒す。
◆親愛なるペンフレンド
懲役中の宇宙人が地球のペンフレンド協会から手紙を出す。
写真を交換することで人格(肉体)交換が出来るのだ。それが最初から目当てだった。
だが、その交換相手は死を間近にした人間だった。
◆音
地球人の巨大宇宙船。それを探りに来た敵性宇宙人イェーヴド人。
9歳の少年は初めての”探検”の日にやつらと出会い、一人でそれを処理しなければならなかった。
少年はその音を聞きながら育っていく。
◆捜索
記憶をなくしたドレイクは〈能力者(時間移動能力者)〉であり、未来の妻の父親が〈能力者〉の存在を元から消し去ろうとするたくらみを阻む為、最初の作戦に従事する。
◆著者あとがき
現地アメリカでの再版(1953)では削除されたらしい。
読者に媚びた内容と言い訳だけに、なくても良いと思いつつ、科学や社会への影響、作品作りについてヴォークトの言葉を聞けたのはラッキーだと思えた。引用のために覚えようなんて気もないが、他の作品を読みつつ思い出すこともあるかもしれない。
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