台所の床掃除をしました。
水で思いっきり濡らして汚れを浮かす。
そして汚れをこすりながら取って水をふき取る。
最期は乾いた雑巾でから拭き。
全体を一度にまとめてにやらずに、膝をついて手の届く範囲で順次移動していったのです。
部屋を一巡したと思ったのに、なぜか汚れがついている。
仕方ないのでそのまま掃除を続けていく。
あれ、二巡したのに、また、汚れが、ついている!
さすがにこれはおかしい!
私が拭いた後から何者かが汚れをつけて廻っているのだ。
さては・・・怪しの類か・・・
そのまま床掃除三巡目に入りながら、後ろへ意識を集中する。
何者も見つからないのに、汚れだけはついていく・・・
逆まわりに掃除を始めても、やはりついてくる。
そのまま、しばらく動けなかった。
目がまわり始める。
これは非常に危険な状態だ。
ここから逃げ出さなければならない。
「おお、あ、あ、あ、あ、あ~」
声を出す事はできるようだ。
手足にも力は入り、金縛りの様子はない。
そのままゆっくり立ち上がり、
ゆっくりと出口の方へ向かう。
ぺりっ!
!?
足のあった場所に汚れの粒
スリッパの裏にいるのか。
そいつは・・・そこにいるのか・・・
どきどきしながら、
スリッパを裏返す。
そこには、
そこ(底)には、びっしりと汚れがついていた。
「?」
『ああ、水分を含んだ床にスリッパの裏の汚れが吸い付いていたのね。私の体重がかかって、ゆっくりとスタンプされていたのね~』
きょくたんはスリッパの裏を先の掃除して、もう一度床掃除をしなおした。
妖怪が現れることも無く、きれいな床が西日を反射していた。