goo blog サービス終了のお知らせ 

寝転んで空を見る

山高きを厭わず 海深きを厭わない

北アルプスを堪能してきました!

2010年10月11日 | 2010北アルプスの旅

いやー今回は疲れた!

でも、楽しかった!

蝶ヶ岳・奥穂・前穂・涸沢・徳沢等々の目的を全て達成してきました。

今まで以上に多くの人達と交流を持った・・・。

いい旅だった。

仔細は、ぼちぼちブログに乗せて行くとします。


2010夏 槍穂縦走 北アルプスの旅 最終日

2010年09月03日 | 2010北アルプスの旅

8月11日の夜明け前、眼を覚ますと、フライシートを叩く雨の音は消えていた。

どうやら雨は止んだ様だ。

今の内に下山しようと急いでカロリーメイトを食べ、急いでテントをたたみザックに押しこむ。

もう、ここに至っては奥穂への未練は断ち切った。

あとは早く下山して温泉で四日分の垢を流し、信州そばを堪能して帰る事を楽しみに、気持ちを切り替えた。

 

5:55分下山を開始。

Img_1186 「涸沢ヒュッテのテラスから」

Img_1187

昨日も今朝も、涸沢から見える穂高連峰の姿をガスの為に眺められなかったのが残念。

涸沢カールから上高地へ平均コースタイムは以下

涸沢→1:10→本谷橋→50→横尾→1:10→徳沢→1:00→明神館→1:00→上高地バスターミナル 5:10の道のり。

Img_1188「下山道」

また雨が降り出す事が予想されるので 、急いで下山。

途中、下山道に雪が残っている為(ツルツルすべる)手間取った。

Img_1191 「本谷橋」

6:48分本谷橋まで下ってきた。

更に歩く事1時間程度で横尾大橋に至る ↓

Img_1209 「横尾大橋」

Img_1211 「大橋からの横尾山荘」

ここまで来れば上高地バスターミナルまで、ほぼ平坦な道のりなので楽だ。

木々の緑を楽しみながら足を進めていく。

Img_1214

雨上がりの草木は、四角夫妻の言われた通り嬉々として輝いて見えた。

Img_1221

道中、今年もサルの群れに出会ったが、ここのサルは人に無関心。

Img_1227 「徳沢のテン場」

8:38分徳沢に到着。

ここから「蝶ヶ岳」に登り、槍・涸沢・穂高の山々を眺めたかったが、やはり今日・明日も天候に恵まれ無さそうなので通り過ぎる事にした。

以前から、このテン場にテントを設営してノンビリ一日を過ごしたいと思っては居るのだが、中々機会に恵まれない。

次回こそは!

 

徳沢を過ぎて程なく、雨模様となってきた。

そして土砂降りに・・・

ザックにザックカバーを被せ、レインスーツを着込んで雨の中を歩いた。

明神館を過ぎた頃には雨は上がったので、レインスーツを脱ぎカバーも外したが、

この日も上高地を離れるまで雨が降ったり止んだりの天気であった。

 

10:10分過ぎ、上高地の河童橋へ到着。

Img_1228 「河童橋から」

観光の方達でごった返す「河童橋」を渡り、徒歩20~30分程に建つ「清水屋ホテル」を目指す。

目的は勿論、温泉!

Img_1229 「木漏れ日の中のウェストン碑」

日本アルプス命名の父「ウォルター・ウェストン」碑を過ぎた所にある、「清水屋ホテル」に到着。

入浴時間まで(11:00時)間があるため、ぼ・・・っと梓川を眺めて過ごした。

Img_1230 「ホテル前に蝶が・・・」

時間が来たのでフロントに行くと、温泉設備が故障して入れないとの事・・・。

ショック・・・!大ショック!!

隣の「温泉ホテル」を進められるが、入浴開始が13:30からなので諦めて帰る事に・・・。

ホテルから徒歩20分で上高地バスターミナルに帰り、ソフトクリームを食べて、一番早い「新島々」行きのバスが空いていたので土産も買わず(去年は買いすぎた)バスに乗り込んだ。

Img_1233 「上高地バスターミナル」

ここのバスは荷物を別に運んでくれるし、立ち乗り無しなのがいい!

Img_1234 「新島々駅」

13時過ぎに「新島々駅」に到着。

松本電鉄新島々線に乗り込み松本へ向かった。

 

松本に到着後、駅構内の観光案内所のマップ・パンフレットを片っ端からもらう。

地図を見ながら、以前雑誌で眼にした蕎麦の名店「そば処浅田」を目指した。

ここは、十割そば(勿論手打ち)が売りだが、営業時間が短く蕎麦が切れたら閉店なので、急いだのだが・・・店の戸に終了の張り紙がしてあった・・・・。

まあ・・・ここは蕎麦処信濃の国。蕎麦屋なんて掃いて捨てる程ある!

気を取り直し、マップ「まつもと水巡り」を頼りに、城下町の道端に多く点在する湧水群(井戸)を少々巡り水筒に水を補給した後、松本城に向う。

Img_1238 「松本城天守・月見櫓」

松本城は平日にも関わらず、凄い人の数。

なにかイベントでもあったのだろうか?

現存する日本最古の天守に入ろうと思ったが、入場制限が出ていて30分待ち、との事・・・。

並ぶのが嫌いなので(苦笑)、とっとと松本で一番好きな場所「縄手通り」へ!

Img_1240「 縄手通りのシンボルは・・・」

Img_1241 「かえるらしい・・・」

縄手通りは、何処か雰囲気が好きなのだが、パンフレットに「毎日が縁日の様・・・」と書いてあるのを読み同感・・・。

Img_1242 「縄手通り」

雑貨・成果・瀬戸物から、たい焼き・たこ焼き・カフェ(サンドイッチ屋?)等の店が立ち並ぶワクワクする雰囲気の場所。特に夜の「縄手通り」が好きだ。

 

「そば所浅田」の蕎麦を逃した俺は、去年も蕎麦を食べた縄手通りから女鳥羽川対岸にある「女鳥羽そば」へ行こうと考えていたのだが・・・。

結局、去年地元の方に聞いたお勧めの「もう一店」。

明治十年創業、手打ちうどん・そばの「弁天本店」に行く事にした。

老舗と聞いていたので高級なのだろうと思い、去年は入らなかった店なのだが・・・・。

入って見ると老御夫婦?が切り盛りしているお店で、実は凄くリーズナブルなお店であった。

俺の後に入ってきた3人ほどの方で、この日の「蕎麦」は終了した様で15時過ぎだったろうか?「のれん」をしまっておれれた。

因みに天ぷらそば(850円だっけ?)は品切れで、ざるそばの大盛りを頂いた(800円?)。

写真撮影を忘れて、蕎麦湯まで残さず頂いた。

Img_1243 「縄手通り」

縄手通りを後にし、更にそばを食べ歩くか?とも思ったが、それは新蕎麦の秋に取って置く事にして、駅前のお土産やへと向かった。

そこで、実家への土産に「信州味噌」を、俺自身へは地酒「山清の吟醸酒」を買った(今回は土産を控えた)。

普段ビールばっかりの俺だが、山清の吟醸は美味かった。

北アルプスと松本に後ろ髪を引かれつつ、17時過ぎの電車で帰路に就いた。

Img_1245_2 「松本駅」 

この山旅後、数週間をへて振り返って見ると、今回の山旅は思っていた事の6~7割しか味わえなかったかもしれない・・・(特に後半)。

まぁ、仕方無いと思える。

「また来いよ!」って事なのだろう。

俺は楽しみを後に取って置くタイプなので、OKだ。

 

天候には少々恵まれなかったが、『体一つで自然の中を旅したい』って俺の欲求に関しては、ある程度満たす事が出来た。

 

森を歩き岩を登り、風を感じ雨に濡れ、人と出会い、景色を眺めた。

あの場所に自分の足で行った者だけが得られる物を得て、心に焼き付けて来た。

腹六・七分目の食事、臭い靴下や伸びたヒゲ、重いザックと危険だって問題無し!

『どこでもドア』なんて要らね~さ!

山じゃ、何時だって一期一会を体現。

孤独? 自然の中でそんなの微塵も感じない。

其処では、穏やかな時間が流れるだけ・・・。

一人故に、山を登って己と向き合い、空を見上げて人を想う時間。

大自然の中、魂を一磨き。

うん、今回も良い旅だった。

 

そんな旅をしに俺は、また北アルプスへ行くだろう。

Img_1008  


2010夏 槍穂縦走 北アルプスの旅 四日目

2010年08月25日 | 2010北アルプスの旅

8月10日3:00時、テントの中で眼を醒ます。

カロリーメイトを食べながら外の様子を伺うと、昨晩程では無いが良い天気。

実は前日、南岳小屋に張り出されていた天気予報では今日の天気は「雨時々曇り」だった為に心配していたし、更に台風発生の情報も得ていたので朝の天気には、ほっとした。

日の出前、外が明るくなってきたので「大キレット」の様子を確かめに外に出る。

Img_1114

御来光を眺めようと人が外に出て来始めていた。

大キレットはと言うと・・・。

Img_1120

良いコンディションの様だ。

振り返って槍ヶ岳の方を見てみると。

Img_1123 「南岳・中岳越しの槍ヶ岳」

南岳・中岳越しに槍が見えていた。

これならば北穂小屋の名物のテラスから「大キレットと槍の絶景」が眼に出来ると期待し、気持ちが逸るが・・・、御来光を眺める。

Img_1131  「御来光」

御来光に手を合わせ「キレット」の無事通過を祈り日々の感謝を想う。

Img_1134 「ポップアップで富士山の姿が見えます」

富士山もその姿を現していた。

 

重い荷物をザックに押し込んでキレットへ向かうが、そこで数人の方達と話し込み時間を使ってしまった・・・(時間の浪費とは思はない)

改めて6:15分出発。

Img_1136 大キレットへ向かうと、雲が・・・。

大キレット(南岳→北穂小屋)は、約3:30分のルートで毎年大小の事故が起こる。

一般登山道としては最高難度の一つとされるルート。(キレットの標高は2700m~3000m程度)

しかも俺はテント泊の重い荷物(15k以上)を背負って居る為、慎重に進む事を自分に言い聞かせ、南岳南稜の岩場を降りていく。

Img_1138 「キレットの底」

ガレ場の落石とスリップを注意し降りてきた。

Img_1139「超ベテラン登山者」

時期もあってか、この日は人が多かったが、高齢のパーティーに遭遇したので話しかけたところ御高齢とはいえ流石に海外の山々を登られている(来月はキリマンジェロを登るそうな)ベテランの方達だった。

皆さん60歳以上で大キレットとは・・・、驚いた。

Img_1146「キレットからの南岳」

南岳を振り返って見ると良くもあんな所を降りてきたもんだと思うが、ここまではさして危険は無い。(スリップ・落石事故は起きているらしい)

Img_1142 「ブロッケン現象」

この辺りからガスったり晴れたりの繰り返しで岩が濡れてきて少々嫌な感じになって来たが、まだまだ余裕。

しかしその先は幾多の命を飲み込んできた難所「長谷川ピークや飛騨泣き」が待っている。

 Img_1151

いよいよ「大キレット」の核心部に突入する。

そして、問題の「長谷川ピーク」へ・・・↓

Img_1152

Img_1153「ナイフリッジ」

 ↑写真左側の割れ目に手や足をかけて進み、右の(飛騨側)ほぼ垂直なガケを降りていく(高さは100~200位あるだろうか?)

恐らく「長谷川ピーク」の事故は、この下りでの滑落事故が多いのではないだろうか?

垂直な壁の降りなので足掛かりが見つけづらく左足をかけるべき所で右足をかけたりすると、身動きが取れなくなってしまうので注意が必要な所だ。

残念ながらこの日はガスの為、滝谷が見れなかった。

下った所から見上げると・・・・↓

Img_1155 「長谷川ピーク・ナイフリッジ」

↑の写真ではHピークの全容を確認できないが落ちても200mは落ちないだろうと思う。(途中引っかかるので)

ソレでも落ちたら大怪我以上だろう・・・。

Hピークを過ぎ、A沢のコルで小休止して「飛騨泣き」へ向かう。

Img_1157 「飛騨泣き方面」

Img_1159 「振り返って見る。南岳方面」

飛騨泣きに向けてガレ場をよじ登って居ると突然、

「ラーク!ラク!ラク!ラク!!」の声が・・・!

上を向くと俺のルート上の左2mの所を小石がパラパラと落ちてきて続いて直径25cm位の石が、「ガッ!ガツッ!」っと音を立て落ちてきた・・・。

しかし、俺は不思議な位落ち着いていて「当たらない」と、判断して壁面に体を寄せやり過ごした。

実際、当たらずに済んだが、周りの人はかなり冷や冷やしたそうだ。(あの場所では避け様にも避けれないので・・・あせってもね・・・笑)

キレットの事故はこの落石による物が一番多いのだろう。

自分が落石を落とすのだけは避けたい。落石の多いこの先は非常に気を使って登っていった。

そして「飛騨泣き」に!ここも幾多の命を飲み込んでいる難所・・・。

Img_1162 「飛騨泣き」

しかしここはステップが出来ている為に恐怖は感じない(高度感はあるが・・・、100~200m)

俺に付いて来る男性の方(50~60歳?キレットが恐いので先に進んで欲しいと言われた・・・笑)方に記念撮影のシャッターを押してもらった。

この手前の場所↓写真の方が垂直に近く高度感があり、一番スリルを感じた所だった。

この時間くらいからだったか、雨が降ったり止んだりで嫌なコンディションに成ってきた。

Img_1161

「飛騨泣き」の鎖やステップのあるトラバースを越え、浮石の多いルンゼを越える。

Img_1164

上の写真をクリックすると拡大され、『写真中央に登っている人』を確認できると思います。

こんな所を登って行くわけです。(ここは比較的安全な所でしたが、こうして見ると・・・)

 

大キレットのラストは北穂への岩場を直登して行くのだが、ここが一番しんどかった・・・(汗)。

危険度は低いのだが、15~16kのザックを背負い岩場をよじ登るのは大変だった。

その証拠に写真を撮る事を忘れていた・・・。

そして、無事北穂小屋に到着!

Img_1167

この小屋には晴天時、キレット越しに南岳や槍ヶ岳を眺望できる名物のテラスがあるのだが、ガスと雨のせいで眺望が利かず残念だった。

Img_1168 「ガスってます」

迫力のある景色が見れるはずが、残念・・・。

取り合えず北穂高小屋からすぐの「北穂高岳のピーク」に向かう。

Img_1166 「北穂高岳3106m」

北穂のピークも勿論雲の中・・・。

展望ゼロだったが、涸沢から登って来た登山者達で賑わっていた。

再び北穂高小屋のテラスに戻り雨宿りしながら(テラスには、ビニールシートの屋根がある)色々な方と話した。

中でも60代の眼鏡の男性からは、面白く為になる話を拝聴させて頂き良い時間を過ごさせて頂いた。楽しかった!

この時、警察の方が涸沢で、台風が来ている事や、今後の数日間天候が崩れるので早めに下山する様呼びかけていた事を聞いた。

俺の計画ではこの日、奥穂高岳(3190m日本3位)に向かい穂高岳山荘伯で翌日→涸沢に一泊して、のんびり北アルプスと満天の星空を満喫→横尾伯→蝶ヶ岳からの槍・穂高連峰・涸沢等々の大パノラマを眺めて帰路につくノンビリ贅沢な計画だったのだが・・・。

どうやら情報通りだと奥穂には雨の中を行く事になりそうだし展望もゼロ!涸沢では星空はおろか穂高連峰すら眺められない事は明らかになったので、残念だが予定を切り上げて下山する事に決めた・・・。

 

奥穂にたっぷりのに未練を感じつつ、涸沢を目指し下山を開始した。

この下山時にも多くの方と話す機会に恵まれた。

・去年秋、初めて涸沢に来て山の魅力にハマリ今回北穂を登った男性。

・「凄い日に焼けてますね」と話しかけてきた母娘で北穂から下山中の二人。

・20代前中半?で、俺が「なんで流行のスカートじゃ無いんですか?」と話しかけたら・・・(笑)

涸沢までは、「山スカートで来ましたよ~」と言って北穂の登下山はスカートだと恥ずかしい(見えちゃうから)って、俺を笑わせてくれた二人組の山ガールさん!(タイツ類はくだろうにね? 笑)

追い越す時や休憩中に楽しい会話を交わした皆さんに感謝!

皆さんとの楽しい会話がアミノ酸よりも俺に元気をくれました!

下山して行き、ガスを抜けると・・・・ ↓

Img_1179 涸沢カールが見えてきた。

色取り取りの点はテント場のテント。その奥の建物は涸沢ヒュッテ。

Img_1178 「涸沢の大雪渓」

12時前に涸沢に到着。

北穂からの下山者を迎える位置に建つ涸沢もう一つの山小屋「涸沢小屋」に食事に行く・・・。

Img_1180 「涸沢小屋」

ここでカレーライスを注文し、外のベンチで食べたのだが・・・。

涸沢小屋の売店の女性がエライ美人で驚いた!!

その時、これは一般人では無いな・・・と思ったのだが・・・。

その正体は、現役のモデルさん!(自然に魅了され今期働かれているそうだ)

看板娘として売り上げに貢献しているのだろう・・・。また秋に行ったときは、俺も「ヒュッテ」より「小屋」選んじゃうもんな~(笑)。

 

そんな美女に見惚れていたせいなのか?テントを設営しようとした刹那、激しい雨が降ってきたので近くの「ヒュッテ」のテラスの売店に非難しラーメン・ビール・名物のおでんを食べながらテントを張るチャンスを伺うが・・・、雨は激しくなるばかり。

一向に止む気配が無いので土砂降りの中、仕方なくテントを設営した(設営両500円・水はただ!)。

テントの中に水溜りが出来たりしたが、自然の中を旅しているからこその経験だと思うとこれも有りだろう。

土砂降りの雨音と雷鳴の中、北穂からの下山道は何時の間にか、沢になり「ザーッ」っと音を立て流れていた。

その音を聴きながら小説「一人ならじ」を読んでいた。

19時頃、就寝。

 

                                                    つづく


2010夏 槍穂縦走 北アルプスの旅 三日目

2010年08月19日 | 2010北アルプスの旅

8月9日3:00時、昨日からの雨が降ったり(時には強く)止んだりしていたので、「今日は停滞してテントの中で小説でも読むか?」と判断を迷っていた・・・。(今日の行程は楽だが、雨の中の設営は避けたかったので)

日の出直前にテントの外をのぞいたら、雨は上がっていたものの嫌な雲にテン場は包まれていた。

しかし、5:00時位だろうか?雲が何処かへ行って急に明るくなってきた。

今がチャンス!天気が良い内に南岳まで行こうと急いで胃にカロリーメイトを詰め込み雨に濡れたテントをザックに押し込んで、再び槍へと登り返す。

Img_0999

Img_0994

登っていると昨日槍ヶ岳山頂まで御一緒した男性と再会。

挨拶をして一言二言、言葉を交わした後お互いに「気を付けて」と別れた。

Img_1001

山の雨は、未だあまり好きになれない俺だけど・・・。

雨の後の草木はホント嬉々としていて、俺も山の雨すらも楽しめる男になりたいね。

 

数十分で槍ヶ岳山荘前まで登った所で「tomorrow・・・なんたら~」って話しかけてくる男性がいる。

?っと思いよく見れば昨日の韓国人男性。

どうやら今日の目的地は俺と同じ南岳小屋らしい。

先に大食岳へと向かう彼らを見送ってから、俺は景色を眺める。

Img_1007 「昨日歩いた槍沢ルート後半」

Img_1015

双六岳・笠ヶ岳・燕岳方面等々を眺めて、雨が降る前に南岳を目指し出発。

本日の平均コースタイムは以下。

殺生ヒュッテ→40→槍ヶ岳小屋→40→大食岳→40→中岳→1:40→南岳→20→南岳小屋の楽な行程。

槍ヶ岳のテン場を抜け一度下って行き、稜線の飛騨側を登って行くと・・・。

Img_1017 「大食岳」

大食岳3101m日本10位に到着。

Img_1019 「振り返ると槍と山荘が見える」

風が強く少々寒かったが休憩しつつ、ここから南岳方面を眺める。

Img_1018_2

中央右手前の山が「中岳」。そこから左に下って行くのが、この日のルートで、そのルートの先、少し高くなっているのが「南岳」、そのスグ先の少し低くなっている所に「南岳小屋」がある。

その先、絶壁の様に見えるのが「北穂高岳」で、その頂のほんの少し左下にほんのり赤く見えるのが「北穂高小屋」。(ポップアップすると見えるかな?)

Img_1021_2 「右手には笠ヶ岳2897.5m」

Img_1024 「背中には槍ヶ岳」

楽なルートなのでノンビリし過ぎな位ノンビリ歩く。

ソレでも辿り着けるのが山頂。

Img_1026 景色を堪能しつつ「中岳」

「中岳3084m」に至った。 

ここから南岳まで雷鳥を探し、キョロキョロしながら歩いた。

すると、花々がより目に付く様に。

Img_1040

Img_1041

雷鳥を探していると「南岳山頂手前の雪渓辺りで雷鳥の家族を見た」と教えてくれる人が居たので急いでその雪渓に向かう。

そう言えばこの手前で白い大きな羽が落ちているのを見つけていた。

あれは雷鳥の羽だった訳だ(羽は夏でも白い)・・・拾っておけば良かったと後悔した。

 

雷鳥を中々見付けられなかったが、しばらくすると・・・。

何処からかブッ!ブブッ!っと鳴き声が聞こえる。

そして・・・・。

Img_1053 雷鳥の母子を発見!

Img_1052「雛は 4羽確認」

Img_1054 「背伸びしてちっちゃな羽をパタパタ!」

雛は母鳥の周りを(結構離れて)岩に飛び乗ったりピョンピョン飛び跳ねてるし、俺から20~30センチ手前の岩の上をピョコピョコ歩いたり・・・反則的な可愛さだった。

その後、ガスの中に消えて行く雷鳥を見送り南岳山頂へ。

Img_1063 「南岳山頂」

南岳3033m山頂に到着。そしてこの頃には、天候が崩れ始めてきたが・・・。

ここでまた雷鳥の母子に出会った。

Img_1075

南岳山頂をテリトリーにしている雷鳥が居るのをすっかり忘れてた・・・。(今後、南岳に行かれる方はここで探すと良いですよ)

Img_1064 何て名の花だろうか、綺麗だ。

Img_1078 「左奥が小屋の入り口」

南岳山頂を越えて12:10南岳小屋に到着。

設営両(500円)を払って水を買い(1? 200円)テントを設営してお馴染みの昼食、棒ラーメン(今回は豚骨味)を食べる。

この頃から雨が降り出したので、持ってきた小説(ここまで余り読めなかった)山本周五郎の「一人ならじ」をテントの中でたっぷりと読んだ。

18時過ぎ、雨が上がり空も晴れてきたので明日のルートで最大の難所「大キレット」を眺めに行く。

Img_1102 「大キレット&北穂」

右下から左上の北穂へと伸びる痩せた尾根が「大キレット」。

キレットを眺めたり足元のガケ下を眺めている人達が「よくこんな所を行ける」、「見るだけで恐い・足が竦む」と言っているが、この時俺は逆にワクワクしてきていた。

夕日に照らされるキレットと北穂は神々しく幻想的だった。

北穂の山頂をズームして撮影すると・・・。

Img_1085 「クリックでポップアップ!」

北穂高小屋と北穂のピークに立つ人々が写っていた。

この人達もこの景色を眼にして感動していたのだろう。

Img_1111 「テン場から沈む夕日も眺めた」

19時過ぎにテントに帰り、明日に備え一番高カロリーの食事を今夜の夕食とした。

Img_1113「テントの中でパスタを食べた」

美味いパスタを食べ20時に就寝も、明日の大キレットへの興奮か難度も眼が覚める。

山小屋をのぞくと数人の山男達が国籍を問わず酒を酌み交わし、楽しそうに山の話をしていた。

テント専門の俺もこの光景には素直に羨ましいと思う。

 

22時頃、トイレに行こうとテントを出ると、空は雲一つ無い満天の星空と天の川・・・・。

星が多すぎて星座も見分け難い程の星空だった・・・。

何か星の瞬きの音が聞こえて来そうな程の星々。

ずっと、眺めて居たかったが明日は大キレット。

テントに帰り寝袋の中へ

 

                                                    つづく


2010夏 槍穂縦走 北アルプスの旅 二日目② 

2010年08月17日 | 2010北アルプスの旅

二日目の出発地「横尾」から4時間ほどで「天狗原分岐」に到達。

Img_0936_2 「天狗原分岐から」

ここは槍ヶ岳と槍のビュースポットである天狗原への分岐、標識も立っている。

俺は、この天気では天狗原から槍は見れないであろうと予想し天狗原には足を運ばなかった。

Img_0935「天狗原から雪渓を渡って戻ってくる人達」

分岐を過ぎ、更に登って行くと水場があり、そこで水筒に水を補給してひたすらの登っていく。

見覚えのあるハイマツの生えた曲がり角を右手に曲がると・・・。

Img_0943

槍の穂先が姿を現す。

この先も急な登りが続くが、この姿を眼にすると足が軽くなる。

ここまで登って来ると日本アルプスを代表する花「チングルマ」にも出会えた。

Img_0953 「チングルマ」

この花、可愛い・・・。

Img_0955御馴染みの「播隆屈」前からの穂先

ここで天狗原を経由してきた50~60歳の男女二人組と出会い話した。

その女性によるとやはり今日は天狗原から槍の姿を見ることは出来なかったそうだ。

その女性に俺が播隆行者を真似て、播隆屈の前で座禅を組み念仏を唱えてる姿で写真を撮って頂いた。

楽しい時間を過ごさせて頂いた。ありがとうございました。

Img_0959

Img_0965

Img_0967

花々や、槍から力をもらって12:29分に今日の野営地「殺生ヒュッテ」に到着。

テントを設営し(設営量500円)、山小屋で水を買い(1リットル200円)棒ラーメンを食べる(基本、昼はこれ!)。

山小屋の情報だと明日は天気が崩れるとの事なのでテント他はそのままに、必要な荷物だけをザックに入れて今日のうちに槍ヶ岳山頂に登っておく事にした。

槍の肩(槍ヶ岳山荘がある)までは40分程度の登りだが、荷物が軽いためにあっと言う間に肩に至る。

Img_0972 「槍の肩からの穂先」

さあ、登っとくかと思ったら・・・・。

Img_0969物凄い渋滞!(ネズミの国かと思った)

登り出しても進まない。

降りてきた女性に聞くと山頂まで2時間かかったとの事・・・。

しかし、一緒に登ってる男性(60代?)の方と色々話が弾み渋滞もそれほど苦痛には感じなかった(寒かったけどね)。

Img_0975「山頂目指して岩場を登ります」

途中からガスってきて視界が悪くなってきたが、去年堪能したから「いいじゃねーか」と、自分に言い聞かしながら登った。

Img_0978

16:17分、槍ヶ岳3180m(日本第5位)登頂!

石塔が崩れてる・・・って誰だよ?こんなとこにコーラおいてったのは!

Img_0985 人が多すぎて、如何しても写真に入ってしまう・・・

山頂はガスっていて残念な景色だったので、何人かのカメラのシャッターを押した後、さっさと下山。

Img_0989 「槍ヶ岳山頂から殺生ヒュッテを見下ろす」

この赤い屋根の建物が殺生ヒュッテ!

テン場まで下る時40~50歳位の10人程度?(おそらく韓国人)の一団に「コンニチハ」と話しかけられたので、少しの間片言の英語・ハングル・日本語で会話を楽しんだ。

槍に登ったのか聞かれたので、登った事と今日は一端テントまで下りて(テン場を指差し)、明日また登って来る事を伝えた。

彼らは槍ヶ岳山荘に泊まるらしい。

俺は、別れを告げて下山。 

写真の殺生ヒュッテまで降りて、明日フル装備で槍の肩まで登る事を考えると・・・ちょっと後悔の念が苦笑いと共に込み上げてくる・・・。(混んでいても、槍ヶ岳山荘のテン場で良かったかな?とね・・・)

殺生ヒュッテのテン場まで降りるとすでに17時を過ぎていた。

夕食は、アルファ米(ボリュームあり)にフリーズドライの牛丼(ボリューム無し)。

結構食いでがあり、ヤッパ日本人には米だな!・・・と思った。

明日の行程は少々楽で、槍の肩まで昇り返しそこから南岳を目指す。

明日は天気が崩れるとの情報を裏付ける様に夕方から雨が降り出した。

20時ごろ就寝。

Img_0991 「殺生ヒュッテのテン場」 

次回は殺生ヒュッテから南岳まで。

 

                                                    つづく