10月7日、3:00時くらいだろうか?テントの中で眼を醒ます。
外は未だ真っ暗だが今朝も天気は、晴れの様だ。
どうも今回は体内時計が山生活に順応出来ていない感じ。
ぐっすりと眠る事が出来ない。
しかし、ここ涸沢は、昨日の蝶ヶ岳に比べれば随分と暖かくフライシートも凍ったりしなかった。
起きたらまず、食事!
今日は長丁場になるので、何時ものカロリーメイトでは無く、朝からカロリーの高い食事。
メニューは岳食の「味噌煮込みうどん(+乾燥野菜)」と「豚汁」を食した。
食事を終えたら、テントの撤収を暗い内から始め涸沢を照らす日の出を待つ。
5:30を過ぎると日が昇りだし、6:00時前、穂高・涸沢・北穂がモルゲンロートに・・・。
本日の第一目標、奥穂高岳3190m
モルゲンロートの時間が終われば、山はまた違う形で美しさを見せてくれる。
一瞬一瞬姿を変えるその様は、本当に綺麗だった。
だから、中々奥穂へ向けて登り出す事が出来ない(笑)。
これぞ日本が世界に誇る日本山岳の聖地『涸沢カールの秋!』
↑涸沢小屋・北穂南稜方面 ↑奥穂・涸沢岳方面
↑写真左の方がAさんなのだが、そのAさんと「お互いに気をつけて!」と挨拶をして別れた。
ここ涸沢でぼーっとしていたいが・・・
7:01分、やっと今日の行程を歩き出す事に。
始めに落ちを書いてしまうと
この日、涸沢から岳沢まで行く予定だったのだが、その先の上高地迄一気に行ってしまった。
したがって、本日の行程と一般平均タイムは以下
涸沢→2:30→奥穂高山荘→50→奥穂高岳山頂→1:30→紀美子平→30→前穂高岳山頂
→20→紀美子平→2:00→岳沢小屋→2:00→上高地→小梨平テン場
合計9:40分の道のり!長い!!
先ずは、奥穂を登る!
涸沢テン場→涸沢小屋を経由してザイテングラートに取り付くルートで奥穂を目指した。
涸沢小屋・北穂方面
涸沢小屋の外トイレ横から始まる奥穂への登山道を登り出すと・・・。
紅葉の綺麗な場所に出たので、色付いた木々に日の光が当たる時を30分位待っていたが
結局、太陽は顔を出さず・・・。
仕方ない、長丁場なので先を急ぐ!
少し登ると、太陽が顔を出した・・・(苦笑)・・・。
↑ザイテングラートと奥穂高岳3190m ↑涸沢岳3103.1mと涸沢槍
これらの景色が素晴らしすぎて、足が進まない!(これが後々響く事に・・・)
そして、ザイテングラート(ドイツ語で岩壁の側面の支稜と言う意味)に取り付く。
このザイテングラートの上を通って、奥穂高山荘まで登って行くのです。
ザイテングラートを登りつつ振り返ると・・・。
ヘリと常念岳2857m
常念岳の右にある昨日下った『蝶ヶ岳』は、残念ながら姿を見せてくれなかった。
昨日はあの辺から涸沢まで来たのだと、振り返る。
これから行く道を眺めるのも良いが、自分が来た道を振り返り眺めるのも、また楽しいものだ。
ザイテングラートを登りつつ、左手に目をやると・・・。
吊尾根と前穂高岳3090.2m
この後通る『吊尾根』と、登る『前穂高岳』が確認できた。
ザイテングラートも後半!
ポップアップで登山者を確認出来ると思います
奥穂高山荘
9:42分奥穂高山荘に到着!
ここで水(有料)と切らしてしまった行動食にクランキーを購入。
曇ってきた事と高度が上がった為、寒くなってきたので防寒着を着る。
奥穂高山荘からの奥穂への登山ルート
奥穂のPEAKはこの奥にある。(写真の位置からは山頂は目視できない)
小休止後、ピークを目指し登りだす。
ここから岳沢小屋までは、北アルプスらしい岩場!
岩場を登り、奥穂ピーク手前にたどり着くと・・・。
雲の中の巨人の頭
ガスの中に、『ジャンダルムの巨人の頭』が姿を現した!
そして『奥穂高岳』のPEAKも!
そして、10:49分『奥穂高岳3190m日本第3位』に登頂!
数人の方達の記念撮影を買って出て展望指示盤の上から撮影。
交代してもらい、俺も御社の上に座ったり立ったりで数パターンシャッターを押してもらった。
↑奥穂高岳3190m登頂! ↑奥穂高小屋から奥穂へ登ってくる人達
残念ながらガスで展望は、ほぼゼロ・・・となってしまった。
今日は長丁場!ノンビリはしていられない。
前穂を目指し、『吊尾根』を行く!ここからがこの日の本番!!
↑吊尾根と前穂。 写真左に吊尾根を行く登山者が確認できると思います。(見えなかったらポップアプで 笑)
ここで雷鳥の母子を目撃した。
夏に南岳で見頃とは違い、大きく成長した雛達だった(親子の見分け出来ない位)。
涸沢―奥穂間では多くの人で賑わっていたが、奥穂―前穂間では、数人の人しか確認出来なかった。
距離がある為に、行く人も少ないのだろう。
↑吊尾根から見下ろす涸沢 ↑吊尾根からの奥穂(左のPEAK)
↑ポップアップで奥穂から吊尾根に下りて来る登山者
上写真一つ一つをクリックでアップにして御覧頂くと、登山者の雰囲気を味わえると思います。
右手に岳沢・上高地を見下ろしつつ、ひたすら前穂に向かって行く。
御馴染みの河童橋から眼にする、上高地を代表する風景を逆から観ている事になる。
各方面からの写真を並べてみると・・・↓
↓上高地って写真(上高地から岳沢&穂高) ↓その逆(岳沢の上吊尾根から上高地を)
13:40分過ぎ、ようやく『紀美子平』に到着。
今回の山旅は行動食を少なくしたし、アミノ酸類も持ってこなかったからかもうバテバテ(笑)。
小休止後、ザックをデポして前穂の頂を目指し岩場を登る!
見上げる前穂
この山旅で初めてザックを背負わず登る山は、体が軽い軽い!
途中、軽くて調子に乗りすぎたのか、ルートを外れてしまい浮石だらけの岩肌をかなり登ってしまった(汗)。
引き返し下りる方が危険だと判断してそのまま登ってしまったが、この時は流石にヒヤヒヤしたね(笑)。
そして、この山旅最後の頂に立った!
前穂高岳山頂
14:00時、前穂高岳山頂3090.2m登頂!
前穂のピークは細長くなっていて一等三角点も立っていた。
ピーク東端に立つと上高地と梓川、そして奥又白池を見下ろせた。
眼にした奥又白池は美しく、まるで空中庭園!
前穂に登って良かった!(此処こそ妖精が居そうだが、昔はクライマーの糞尿で凄かったらしい・・・笑)
時に、この時点で今日は岳沢泊では無く、上高地まで下ってしまおうと決めていた。
その為、とっとと下山!
ザックをデポした場所で色白で20代前半~?に見える綺麗な奥さんと、
ちょっと歳の離れた?旦那さんの御夫婦二人と話した。
旦那さんに『元気が出るよ!』と『サラミ』を頂いた。美味かったな~!
旦那さんが俺に向い『若い内から自然を美しいと思える事は良い事だよね・・・』と言われた。
俺も同感!以前からそう思うのだが・・・
『若い内から』って・・・、もしや俺の方が奥さんより年上なんじゃね?・・・・って思った(笑)!
昔から実年齢より下に見られるんだよね・・・。
ところで、今思うとその奥さん何処かで見たことがある様な・・・・?
旦那さん曰く奥さんは『かなり登ってる』と言っておられたが、雑誌で眼にした事があるのかも知れない(最近、山登っている綺麗な女性はスグ雑誌で取り上げられるからね・・・舞魅さんの様に)』
奥さんには『北アルプスで彼女探せば良いのに!』って言われた(笑)
そうだね、街の中で自分を飾り付ける事に夢中な女性より
自然の中に飛び出し、眼を輝かしている女性は最高に素敵だと思うな。
ここ北アルプスは、そんな人達ばかりだろうしね。
ここでは他にも、釜トンネルから走って来たトレイルランナーな?
関西の派手な「おっちゃん」に『おにーちゃん、ブログ用の写真撮ってくれへん?』とシャッターを頼まれた。
更に、上高地のアルペンホテル従業員の男性、二組のご年配の御夫婦と出会い言葉を交わした。
振り返り見た尾根
そんなこんなで又しても時間を使ってしまい、急いで上高地を目指して「重太郎新道]を下りて行く。
ここからでも、上高地まで平均歩行時間は4時間もかかる!
途中の鎖場で身動き出来なくなっていた年配の女性(そりゃ疲れるさ)を助けたりしながらひたすら下山・・・梯子・鎖・ガレバを通ってとにかく下山していく。
昼食抜きなのでもう、腹へって、ハラヘッテ・・・(涙)。
道中言葉を交わした何人もの方が「水あるよ?(昼食の為の)」と言ってくれたが、時間無いのでね・・・皆さんありがとう!
やっと当初、今日の幕営予定地だった『岳沢小屋』(雪崩で崩壊したヒュッテに変わり今年からオープン)が見えてきた!
岳沢パノラマからの~ 岳沢と小屋&上高地!
前穂で会った御夫婦と岳沢小屋で再会して、少々話し(大抵の人は此処で一泊)
水を補給(0円)して先を急いだ(暗くなる事を心配して頂き、ありがとう御座いました)
どうも俺は、足で稼いだ時間を、景色に見とれ、人と話す事で時間を使ってしまう様だ(笑)。
この時点で17時前だったろうか?半ぐらいだったっけ?
ここから上高地まで2時間の道を下山!
岳沢小屋から下は樹林帯を下って行き、18時前だっけかな?
暗くなってきたのでライトを付けて森の中を下りていった。
此処からは跳ぶように下りていった。
間も無く真っ暗闇になった樹林帯をひたすら下山して行くと、森の中の平坦な道を進む事になる。
「そろそろ上高地か?」
そう思ってからが長かった~(笑)。
まあ、漆黒の闇の中だが迷うような所は無いし、俺的には問題なし!(真似しない様に!)
真っ暗な道の先にかすかな明かりが見えて来て・・・
『おお~う、文明の明かり!』と呟いてしまった。
19時前?19時?に上高地に到着。(もう時計も写真も忘れていた)
そのまま小梨平キャンプ場に行き、受付を済ませ(700円)闇の中テントを設営。
受付前の自販機で「バナナ牛乳」を一気飲み(美味かった!)
[ビール500cc]300円[発泡酒500cc]200円山に比べりゃ安い!を買い食事後に堪能して
とっとと就寝。
夜中、度々テントの前室に置いたゴミ袋にガサガサと小動物が来るものの無視して熟睡(もしかしたらオコジョだったり?)
こうして、過酷な一日を終えたのだった・・・。
そして縦走も終わり!
次回は、大正池→明神池→徳沢へ!
寄り道編へつづく