寝転んで空を見る

山高きを厭わず 海深きを厭わない

2011夏の大縦走~立山から上高地へ~ (8th Day)

2011年09月30日 | 2011北アルプスの旅

8月5日、4時40分ごろ起床。

天気が良いので、とりあえず外へ出てみる。

Img_0464

Dewの曲『クロノス』を聴きながら、その歌詞にある通り『生まれ変わる日々の光』を見ていた。

Img_0469  Img_0468

今朝の天気は『晴れ!』

槍ヶ岳(写真左)も、この後向かう南岳・北穂方面(写真右)にも雲一つかかっていなかった。

山小屋で朝食を取らず早々に出立する人達を見送った後、美味しい朝食をいただいて俺も山小屋を後にした。

一晩共に過した人々が、別れを告げてそれぞれの目指す方角へ歩き出す。

ある人は西を目指し、またある人は東へと、綺麗に東西南北へ散って行く事が面白い。

俺はと言うと、槍へ上り返し南岳へ向かう。

 

本日の一般平均コースタイムは以下。

『ヒュッテ大槍』→0:50→『槍ヶ岳山荘』→0:30『槍ヶ岳山頂3180m』→0:30→『槍ヶ岳山荘』→3:00『南岳3032.7m』

→0:20→『南岳小屋キャンプ地』

計5時間10分の道のり。

今日は楽だ!

 

満足の『ヒュッテ大槍』を後にして東鎌尾根を進み、7時前に『槍ヶ岳山荘』に到着。

今朝朝食を取らず先に出発した同部屋の男性に、槍の肩で再会。

休憩がてら山荘前の人々と言葉をかわした後、7時10分ごろ槍ヶ岳山頂を目指して約100m程ある槍の穂先を登る。

Img_0472  Img_0492

すいすいと登って7時20分二日連続『槍ヶ岳3180m』登頂。

今朝は好天に恵まれたので動画を撮影、特徴的な『笠ヶ岳2897.5m』と『富士山3776m』も確認。

コースタイムでは30分の岩場を10分程で登ったので、『ハアハア』言ってます。

ろれつも回ってません。流石3180m (笑)

今年も富士山が出迎えてくれた。

 

下の動画は、『槍ヶ岳山頂』の様子とパノラマ動画。

後半、この山旅で歩いてきた立山方面から薬師→鷲羽→双六→西鎌、そしてこの後向かう南岳・北穂方面へとカメラを向けています。

槍ヶ岳の山頂はこんな所です。

デジカメの動画なので綺麗な画像とは行きませんが御覧あれ!

中々ここを去る気になれず、1時間位山頂に居たと思う。(毎度の事だが・・・)

(ヒュッテ大槍で同部屋だった御老人御二人も登って来られた。)

名残惜しかったが槍の肩まで下りて、槍ヶ岳山荘で売っている『マフィン』(バターと抹茶チョコ味)二つを購入して、本日の目的地『南岳』へ向け歩き出した。

 

槍から一度大きく下りそして上り返した所が『大喰岳2101m』、再び下って上った先が『中岳』Img_0496  Img_0497

9時52分『中岳3084m』到着。

Img_0503  Img_0504

更に更に下って上った所が『南岳』。

10時50分頃、『南岳3032.7m』山頂に到着。

Img_0505

この頃には気温の上昇と共に雲がモクモクと湧き出して周囲の山々を隠していた。

南岳からなだらかな下りを歩き、本日の野営地『南岳小屋』脇のキャンプ指定地に到着。

昼前と言う事もあり、テンバは一張りのみでガラガラ。

テント設営後キレットと北穂を眺めにシシバナへ向かう。

設営料500円、水1?200円、トイレ0円。

残念ながら大キレットと北穂は湧き出した雲の中。

 

仕方が無いので北穂を望む断崖絶壁へ。

Img_0516 ゾクゾクする!

切り立った崖の縁に立つと、フラフラと吸い込まれそうな感覚に襲われる。

そんな感覚を楽しみながらこの場所で、ゆっくり流れる時を過ごした。

 

日が傾きだすと時折雨がパラつき出したのでテントの中へ。

昨年の爆発するような夕焼けや、満天の星空を見る事は出来なかった。

閑散としていたテンバも賑やかになり、酒を酌み交わす人達の姿も・・・。

昨日贅沢をした俺は我慢。

 

テントの中で、今日槍ヶ岳山頂から目にした風景を思い出していた。

自分が歩いてきた山々、立山・五色ヶ原方面から薬師岳・鷲羽岳・三俣蓮華岳・双六岳・西鎌尾根と、この先進む北穂を眺める事ができた事に満足。

動画だけでは味気無いので、以下その写真。

Img_0476_2  Img_0483_2

Img_0484  Img_0486_2

Img_0487_2  Img_0488_2

『あんな遠くから来たのか』と思う自分と、『結構近いな』そう思う自分が居る。

歩んで来た道を振り返る事は、大切な事だと心から思う。

進む先を見詰める事と同じ様に。

 

何時もの様にフリーズドライの夕食を腹に詰め込み、18時に就寝。

 

明日は、大キレットを行きます。

Img_0494_2

                                                    つづく


2011夏の大縦走~立山から上高地へ~ (7th Day)

2011年09月23日 | 2011北アルプスの旅

8月4日、未明に起床。

6時過ぎには、ここ『双六キャンプ場』を出立。

 

今日は『西鎌尾根』ルートから『槍ヶ岳』を登り『東鎌尾根』に建つ『ヒュッテ大槍』へ向かう。

本日の一般平均コースタイムは以下。

『双六キャンプ場』→0:45→『従沢岳2755m』→3:00(西鎌尾根)→『千丈乗越2734m』→1:50→『槍ヶ岳山荘』→0:30→『槍ヶ岳山頂3180m』→0:30→『槍ヶ岳山荘』→0:30→『ヒュッテ大槍』

合計7時間5分の道のり。

 

先ずは『従沢岳』山頂へと続く歩きやすい道を登って行く。

6時40分『従沢岳2755m』の山頂へ到着。

Img_0398 従沢岳山頂

ここは絶好の槍ヶ岳方の展望ポイントなのだが、この朝はガスのせいで槍の姿を拝む事が出来ず。

当初この山旅は、『遠くに見える槍ヶ岳へ、近づいて行く』そんな旅を想像していたのだが・・・・。

この日に至るまで、この時点でも『槍』の姿を目に出来ていない。

まあ、山旅ってのはこんなもんで、出発前に描いてた事を100%叶えるのは難しいものだ。

だからこそ、山旅は止められない。

 

『従沢岳』から少し進んだ所で右手を見ると『鏡平山荘』が見えた。

Img_0403 鏡平山荘

この山荘から見る槍ヶ岳の姿も素晴らしいと聞いている、何時か行って見たい場所だ。

 

『硫黄乗越』の辺りでは晴れていたものの『左俣岳2674.1m』付近に至ると、行く手を再びガスが覆った。

Img_0407 槍へと続く登山道

ここまで『従沢岳山頂』で老夫婦に会っただけで人に会わなかったが、『西鎌尾根』に至った所で20人くらいのパーティーに追いついた。

Img_0408 西鎌尾根を行く登山者達

ツアー登山だろうか?そのパーティーに道を譲ってもらい先に進んだ。

Img_0409

『千丈乗越2734m』の手前まで来た時、雲の切れ間に『槍の肩』に建つ『槍ヶ岳山荘』のシルエットが見えた。(写真での確認は難しい)

ここから傾斜のキツイ登山道を更に1時間半登り、10時38分『槍ヶ岳山荘』前に到着。

Img_0416  Img_0417

『槍の穂先(山頂)』は、雲に隠れたり姿を表したりを繰り返していた。

山荘前で休憩を兼ねながらガスが晴れるのを待った。

頃合いを見計らい、ザックをデポして槍ヶ岳山頂へ登る。

Img_0422 槍ヶ岳

11時過ぎに『槍ヶ岳3180m』の頂に立った。

山頂はガスに包まれて大パノラマを堪能する事は出来なかった、残念。

Img_0420

8~10畳ほど?ある山頂の端に座り、下を見下ろしても御覧の通り雲の中。

長居はせず山荘まで下りて、山荘内の『キッチン槍』でラーメン(1000円)を食べる。

Img_0427 キッチン槍のラーメン

去年も食べたこのラーメン。

チャーシューと味付け卵、出汁も良く出ていて美味かった。

しかし去年と同じく、麺はのび気味(笑)。

街じゃこう言う『あっさりラーメン』が少なく、残念だ。

 

さて、この後は今日の目的地『ヒュッテ大槍』を目指す。

Img_0430 槍の肩から見下ろす槍沢方面

 

上記写真の左の尾根『東鎌尾根』の上にポツンと立つ『ヒュッテ大槍』へ向う。

(因みに、東鎌尾根の下に立つのが去年テントを張った『殺生ヒュッテ』)

槍の肩から痩せ尾根を30分も行けば、評判の山小屋『ヒュッテ大槍』に到着。

Img_0436ヒュッテ大槍

ここ『ヒュッテ大槍』から眺める『槍ヶ岳』の姿は美い。

Img_0439_2 槍ヶ岳3180m

正に『天を指す!』って感じだ。

惚れ惚れと槍を眺めた後、受付を済ませて山小屋の中へ。

1泊2食付9000円。

 

あてがわれた上下二段の寝床が向かい合った部屋へ入ると(部屋名は東鎌だったか・・・?)

70歳位だろうか、男性二人が居られた。

この方達も山で出会う人の御他聞に漏れず、オープンで話好きの人達だった。

中でも印象に残った話が・・・。

北海道でヒグマに遭遇した体験、藪漕ぎをしたら全身をダニにたかられた話し。

夜明けに鏡平から見た『真っ青に染まった槍ヶ岳』の心を打つ美しさ。

山梨の富士五湖周辺のマイナーだけど素晴らしい山の話し。

こんな話を夕食前後に楽しく拝聴した。

 

部屋に荷物を置いた後、食堂でドリンクバーと読書で過ごす贅沢な時間。

Img_0441  Img_0444

500円を払えば滞在中コーヒー・ロイヤルミルクティー・黒豆ココア・アップルティー・緑茶等が飲み放題!

16時を回ると雲が切れたので外へ出てみた。

Img_0450  Img_0448  

槍の穂先には雲がかかったり晴れたりしていた。(上記写真左)

また、北鎌尾根を眺められた。

東へ目を転ずると、こちらは雲が多いのだが時折『常念岳2857m』が姿を見せてくれた。

残念ながら『燕岳2762.9m』の姿は確認できず。

明日向かう『南岳3032.7m』へ目を向ければ、その先に『北穂高岳3106m』の姿を目にする事ができた。

Img_0451 北穂・南岳・・・ 

山小屋から続々と出てきた宿泊者達が、360度のパノラマを思い思いに堪能していた。

その中の槍へカメラを向け熱心にシャッターを切っている可也御高齢の男性と話しながら、この眺望を楽しんだ。

『ヒュッテ大槍』からの眺めを楽しんだら、次の楽しみは夕食となる。

因みにメニューはこちら↓

Img_0440ヒュッテ大槍の御品書き。

こうして見るとお洒落な感じだが、勿論コースで出て来る訳は無くそこは山小屋の食事。

3分の1位食べた後、気がついて撮った写真がこちら↓

Img_0455 夕食

この日はサラダバー食べ放題の日だったそうだが、連日のガスのせいでヘリによる荷揚げが行われず、残念ながらサラダバーはお預けとなった。

ホスピタリティーと食事が(あと酒も)評判の山小屋だけあって、美味い。(グラスワインまで付く!)

同席となった6人と御飯・スープを何度もお代わりしながら、会話と夕食を楽しんだ。

 

夕食後、食堂は御待ちかねのBARタイム。

ここ『ヒュッテ大槍』では、山小屋とは思えない程、豊富な種類の酒が飲める。(日本酒・焼酎・スコッチウイスキー・バーボン等々)

Img_0460 宇宙兄弟を読みながらBARタイム!

俺自身は、安曇野の地酒4種類から3種類を選ぶ『利き酒セット900円』と洒落たカクテル?を、行動食のカシューナッツをつまみに味わった。

酒を飲みながら、置いてある漫画『宇宙兄弟』(これが面白い!)を2巻の後半まで読んでいた。

お陰で本日は、21時前に就寝・・・(苦笑)。

 

この日の締めくくりに、縁があり同部屋で話に花を咲かせた人達を記して置きたい。

 

先記の定年後山を楽しんでるお二方、御住まいが東京で内の実家と近い。(一人の方は娘さんが3人居て全員国際結婚だそうな、娘さん曰く『日本の男は頼りない』そうだ・・・納得いかね~笑)

 

サラダバーを楽しみにソロで来た細身で眼鏡の男性(天候の為ヘリが飛ばずサラダバー無し)。

 

初めて北アルプスに来た男性二人。

 

部屋は違ったが夕食のテーブルが一緒になった男性。

 

『こっち空いてるよ』と自分の寝床の方へ俺を誘った男性。(何か恐かった・・・笑)

 

全身サポートスーツと高価な装備で身を包むが山の頂きには立たず、山の写真だけを撮る男性。(この方は良い意味で遠慮が無く面白い人だった。夕食時、皆の御代わりを率先してガンガン頼んでくれる方 笑)

 

みんな山に来る人特有の『オープン』で『気持ちの良い人達』だった。

こう言った人達と、交流できる事が山小屋の魅力なんだろう。

勿論こちらも『心を開いて行けば』だが。

 

さて、明日は槍ヶ岳へもう一度登り南岳へ向かいます。

 

                                                    つづく

  


2011夏の大縦走~立山から上高地へ~ (6th Day)

2011年09月16日 | 2011北アルプスの旅

8月3日、北アルプスの最深部である『雲ノ平キャンプ場』のテントの中、この日も夜明け前に起床。

今朝の天気は『晴れ時々曇り』と言ったところか。

のんびり朝食を食べ、テントを撤収。

本日は、ここ日本最後の秘境『雲ノ平』から『双六キャンプ場』を目指す。

 

この日の一般コースタイムは以下。

『雲ノ平キャンプ場』→0:45→『祖父岳2825m』→0:40→『岩苔乗越』→1:10→『鷲羽岳2924.1m』→1:00→『三俣山荘』→1:00→『三俣蓮華岳2841.2m』→0:55→『双六岳分岐』→0:40→『双六キャンプ場』

計6時間10分の道のり

 

先ずは、テンバから木道を歩き『祖父岳』山頂へ続く木道の末端へ向かう。

この道は背丈ほどの『ハイマツ』の中を行く道だった。

木道が終わった所に大きな石があったので、その石にザックを置いてレインフエアを脱いでいた時、昨日御一緒させて頂いた『岡山の方達』4人がやって来た。

岡山の皆さんも『祖父岳』→『鷲羽岳』→『三俣蓮華岳』へと向かうらしいので、俺もまた御一緒させてもらう事にした。

『旅は道連れ』ってやつだ。

 

7時40分頃、『祖父岳2825m』の広くなだらかなピークに到着。

Img_0364 祖父岳山頂

この山の生い立ちを示す様に軽石がゴロゴロしている。(この山の噴火で雲ノ平が作られた)

この道中、岡山の方から昨日遭遇した雑誌取材班一向と(女性モデルさん含む)雲ノ平山荘にて同宿だった事を聞いた。

直接話も聞いたそうで、曰く『輝いていた』 『ショートカットの女性の笑顔に、癒された』と言っていた(笑)。

(ショートの女性はライターさんか、モデルの大西さんか・・・・?)

羨ましい限り…俺も癒されたかった。

こんな出来事も山を楽しむ一つの要素だと思う。

ここ山頂で、岡山の方達4人は朝食(雲ノ平山荘の弁当)。

 

さて、この日『祖父岳』山頂からは百名山の内、三つの山を望む事が出来た。

Img_0371 水晶岳2986m

Img_0374 鷲羽岳2924.2m

Img_0377 黒部五郎岳2839.6m

祖父岳からの眺めでは、カールが特徴的な『黒部五郎岳』の雄大な姿が特に印象に残っている。

デジカメで動画を撮影してみた。

デジカメにて動画撮影した、祖父岳山頂のパノラマ動画です。(実験的に当ブログに載せてみました。雲が多いですが、鷲羽岳→黒部五郎→水晶岳の姿を御覧下さい)

Img_0375 三俣山荘?

小休止した後、苔岩乗越を経てルートを間違えそうになったが、9時半に『割物岳(ワリモ岳)2888m』山頂を通過。

Img_0381 ワリモ岳2888m

鷲羽岳へ向かう途中、この旅三羽目の雷鳥に出会った。

Img_0382 目の上が紅いので若い雄だろうか?

ワリモ岳からの稜線を歩き、10時9分頃『鷲羽岳2924.2m』の山頂に到着。

Img_0384 鷲羽岳山頂

雲が出てきた為に残念ながら展望を楽しむ事は出来なかった。

 

お互いに写真を撮り合った後、ここ鷲羽岳山頂から急坂を下って行き『三俣山荘』へ到着。

山荘前にある木製のテーブルと長椅子に腰かけ、岡山の方達が持参したコーヒーを御馳走になった。(俺はアイスで!)

Img_0388 三俣山荘で一服

普段コーヒーを飲む事は殆ど無いのだが、やっぱり山のコーヒーは美味い!(山じゃ何でも美味いけど 笑)

一時パラパラと雨が降り出したが、すぐに収まった。

この日もこれまでと変わり無く、夕方には降り出しそうな空模。

 

一服後『三俣蓮華岳2841.2m』へ向け出した。

この雲ノ平への急登から始まった即席パティーの旅は、三俣蓮華岳の山頂で終わる事になる。

岡山の方達4人は、其処から『黒部五郎小舎』で宿泊、翌日『黒部五郎岳』を目指す。

俺はと言うと『双六キャンプ場』でテント泊、翌日『槍ヶ岳』を目指すからだ。

『もうすぐお別れ』そう思うと、何か心の中にムズムズと疼く物を感じるが、この感覚嫌いじゃ無い(笑)。

三俣蓮華岳へ向かう道中も、昨日と変わらず他愛も無い会話をしつつ歩いて行った。

 

12時40分ごろ『三俣蓮華岳2841.2m』の山頂に登頂。

『みんなで写真を撮ろう』と言う事で、記念写真を撮影。

『ブログに載せて』と言われて居たので、ブログにアップ。

 

Img_0390_2 旅は道連れ

岡山のみなさんは

リーダ的でオープンな人(雲ノ平でモデルさん達に話しかけたそうで・・・)。

去年他界した俺の義兄に似た、人あたりの優しげな人。

ひょうきんで面白い、ムードメーカー的な人。

サブリーダー?影のリーダー?の様な寡黙で誠実そうな人。

本当に個性があって、いい仲間・いいパティーだと思った。

二日間に渡り、行動を共にして楽しかったです。

『気をつけて!』

お互いにそう言葉を交わして別々の道を歩き出した。

 

心の中にある、心地良い物を味わいながら『双六キャンプ場』へ向かい歩いた。

『丸山2854m』を経て、『双六岳2860.3m』山頂向かう道と、山頂を通らず双六小屋へ向かう中道の分岐へ到着した。

展望が利かない事、雨が振り出しそうな事を理由に中道ルートを選択して双六キャンプ場へ急いだ。

ハイマツ帯を駆け下り『双六岳』の姿を望めた。

Img_0393 双六岳を見上げる

しかしここで雨がパラパラと降り出したので、再び足を速める。

雨は間も無く止んだが、また降り出す事は確実。双六小屋への急坂を下っていった。

Img_0394 双六小屋と従沢岳

14時半過ぎに『双六岳キャンプ場』へ到着。

昨日雨が流れたらしいテンバで、良い場所を探してテント設営。

設営料500円、水0円、トイレは・・・0円だったかな。

テントを設営した直後、雨が音を立てて降り出した。(絶妙のタイミング!双六岳に登っていたらアウトだったろう)

 

テントの中で寛ぎつつ、一つ決断。

それは明日、かの有名な『燕山荘グループ』の中の一つ『ヒュッテ大槍』へ泊まる事だ。

実は『鈴木ともこ』さんの『山登りはじめました2』を読んだ時から、ヒュッテ大槍の夕食、その時に出るワインと利き酒コーナーが

『それ魅力!』だったのだ。

贅沢になるが、スゴ乗越小屋での良い体験が俺の背中を押していた。

双六山荘の公衆電話で予約を済まし、テントの中でライス大盛りルー極少カレーを食べて18時就寝。

Img_0396

一緒に歩いた人達のおかげで、5日間で一番疲れを感じない、凄く楽しい楽な一日だった。

 

明日は西鎌尾根を進み、槍ヶ岳を目指します。

 

                                                    つづく

 

 

 


2011夏の大縦走~立山から上高地へ~ (5th Day)

2011年09月08日 | 2011北アルプスの旅

8月2日、夜明け1時間前に起床。

夜半から降り出した雨は夜明けまで降っていたが、食事を済ませてテントから出ると止んでいた。

テントをザックに押し込み『太郎平小屋』へ向かって歩き出す。

テンバから少し登って木道へ出れば『太郎平小屋』まですぐだ。

Img_0309 太郎平小屋

『太郎平小屋』は、なだらかな稜線の上に建っている。

 

6時過ぎに『太郎平小屋』へ到着。今後の天気を確認する為に玄関へ入る。

すると『愛知のお姉さん』達に又々再会。

『御姉さん達は』今日、折立から下山されるので、別れを告げた。

その時、ハーフ?の女性と目が合い、すれ違った。

綺麗な女性だったので(素人じゃ無いと)『ピンッ!』と来た! 笑)

もう一度その女性の方へ目を向けると、その女性の横には・・・良く雑誌で目にする『舞魅さん』の姿と男性カメラマンらしき人を確認。

玄関前で宿泊客20~30人と、楽しそうにラジオ体操をしていた。

小学生の頃の夏休みを思い出す光景だった(俺はサボってたけどね 笑)

Img_0312

せっかくモデルさん2人に遭遇したのだから写真でも撮らしてもらえば良かったと、後になって後悔。

しかし後日、山小屋を写した写真を確認すると、それらしき人が写っていた・・・。

恐らく玄関前に居るのが雑誌取材班だろうと思う。

 

皆さんがラジオ体操をしている間、山小屋玄関内で天気予報をチェック。

今日の天気は、曇り時々晴れ午後から雨の予報。

ついでに山小屋の売店で牛乳を購入した後、今日のルートを思案。

山小屋の前に人が居なくなっても、『雲ノ平』か『黒部五郎岳』のどちらへ行くか答えを出せないで居た。

 

今日の天気を鑑みて、展望が魅力の『黒部五郎』か日本最後の秘境『雲ノ平』へ向うか?

『黒部五郎の展望』と『日本最後の秘境・・・』のフレーズ、どちらも魅力。

取り合えず分岐まで悩みながら歩いていると、『雲ノ平』へ向かう下りの木道200~300m先を、先程のモデルさん達が歩いているのが見えた。

『こりゃ~こっちへ行けって、御告げだろう!』

そう声に出して、女神様が導く『雲ノ平』へ向かう事に決定した(笑)!

 

と、言う事で本日の一般平均コースタイムは以下

『薬師峠キャンプ場2294m』→0:20→『太郎平小屋』→1:15→『左俣出合』→1:00→『薬師沢小屋』→3:20→『雲ノ平山荘』→

0:25→『雲ノ平キャンプ場』

合計6時間20分の道のり。

 

『雲ノ平』を目指して木道を下って行くと、先を行く山の女神様達に追いついた。

『雲ノ平』か『高天原の温泉』へでも行くのだろう。

(話しを聞きたい所だが取材の邪魔になるかもって事と、皆さんすごくゆっくり歩いて居たので先を行かせてもらった)

道を譲って頂いたので、挨拶をして先を急ぐ。

美女に出会った事で浮かれたせいなのか、濡れた木道で何度かコケてしまったが・・・

『このエピソードだけで、この旅を歩き通せる!』そう呟く単純な自分に笑ってしまった。

ルンルン♪気分で木道を下って行った。 

Img_0318 先日流され、昨日架け架け直された橋を渡った。

『薬師沢小屋』までの道は歩きやすく、周囲の草木も綺麗で疲れを感じる事は無かった。

Img_0319  Img_0322

この欧州や北米の様な針葉樹の森と、足元の草花を眺めながら休憩。

Img_0320花の名前を殆ど知らないのが悔やまれる

先を行く男性に追いついた時、後からモデルさんが来る事を教えたり(笑)

道行く人との会話も楽しみつつ、8時40分『薬師沢小屋』に到着。

黒部源流と薬師沢の合流点に建つこの小屋の近くに『カぺッケヶ原』と言う河童伝説の地がある。

Img_0330 黒部川

黒部の水と辺りの自然を眼にして、人の踏み込まなかった昔を思えば『居たとしても不思議じゃ無い』そう思える。

 

『薬師沢小屋』の前で牛乳を飲み行動食を食べて、力を蓄える。(この時は、カシューナッツを食べた)

Img_0325 薬師沢小屋の吊り橋

何故なら、この吊り橋を渡ると『雲ノ平』まで樹林帯の急坂を2時間登る事に成るからだ。

 

ぐらんぐらん揺れる吊り橋をワイヤーにつかまらず、楽しんで渡り(真似しないように 笑)

そして、その急登へ向かう。

Img_0332 雲ノ平へと続く急登

苔と水で滑る石と木の根の道をひたすら登って行くこの道、しかも樹林帯の為に風が通らず暑い。

1時間位登った所で休息を取り、ズレ落ちるズボンをたくし上げていると4人の男性が(40~50代だろうか?)登って来た。

『お先にどうぞ』そう言って道を譲ると最後尾を歩く男性が『いやぁぁ、後ろから追われるのはもうやだぁ!』『どうぞ先へ先へ!』と言われる(笑)。

(実際、登山道で後ろから人が来ると、煽られる様で嫌だと感じる人は多い。逆に、追い抜くと張り合って必死に付いて来ようとする人も稀に居たりする 笑)

じゃあ・・・と、先に行かせてもらおうと思ったが4人のうち2人は先に進んでいて、前を行く2人と後ろの2人に挟まれる形で歩き出した。

自然と5人が一列に並ぶ事になり、話しながらこの登りを行く事に成った。

 

この4人の方達は岡山の人達で、折立から入山して『雲ノ平』『鷲羽岳』等を縦走する予定だそうだ。(下山は打保だったか新穂高?忘れてしまった)

良くこのメンバーで山を登られるらしく、北アルプスにも何度も来られている事を伺った。

道中、この方達との会話のおかげで急な登りの辛さを忘れ、楽しんで登る事が出来た。

岡山の食べ物の話しを聞き、太郎小屋で見かけたモデルさんの話をした。(山の話はしたっけ? 笑)

岡山の方達は雲ノ平山荘に泊まるそうなので、『そのモデルさん達と同宿に成るかも』と話したり・・・。

『普通の女性と違う?』と聞かれ『違いますねぇ~』と答えたり。

やっぱり男同士、美しい女性の話は、疲れを忘れさせてくれる。

 

そんなこんなで楽しく登って居ると、傾斜の緩い木道に出た。

『これでこの急登は終わりかな?』なんて話しながら歩いていると、行く手から一人の女性が来たので、岡山の方達の御一人が『登りは、ここで終わりですか?』と聞く。

すると、その女性『いやいや、まだ此処は地獄の入り口ですよ・・・』と言うので5人絶句してしまった・・・。

しかし何の事は無い、ここで登りは終わって後は歩きやすい木道の道に成っていた。

あの女性こそ、あそこから続く下りで『地獄を見た』のでは無いだろうか?(笑)

 

そこから少し木道を行くと、ベンチとテーブルのある少し開けた場所に出た。

そこが『アラスカ庭園』と呼ばれる場所だった。

Img_0335 アラスカ庭園2463.9mと岡山の方達

ここで少しの休憩を取る。

北北東の方角へ目を向けると、雲の切れ間に昨日登った『薬師岳2926m』

Img_0336雲の中の薬師岳2926m

西に目を向ければ、今朝立ち寄った『太郎平小屋』が遠い稜線の上にちょこんと建っていた。

Img_0337 アラスカ庭園から見た『太郎平小屋』

行動食のドライトマトとパインを食べた後、平坦な木道の道を『雲ノ平山荘』の建つ『雲ノ平』へ向かい歩き出した。

 

12時過ぎに去年新築された『雲ノ平山荘』へ到着。

Img_0338  Img_0339

山荘でテント設営の手続きをして、岡山の方達4人に別れを告げた。

ここからテンバまでは、木道を25分の道のり。

すこし高くなった雷岩付近を超えて下った所、祖父岳の麓にテンバがある。

Img_0340 雷岩付近から見た雲ノ平山荘

Img_0342 雷岩付近から見た雲ノ平キャンプ場

テンバに到着して、木道すぐ脇の水捌けの良さそうな場所にテントを設営。

設営料500円、水は0円、トイレはチップ制100円(写真赤い屋根の白い建物がトイレ)

テントからトイレと水場が遠く、ちょっと失敗。

テントの中で昼食を取った後、寛いでいると聞いた事のある声が・・・。

外を見ると岡山の方達が『水場』の方へ木道を歩いて行った。

何処へ向かったのだろうか?スイス庭園かな?

Img_0350_2 テントから見た祖父岳2825m

この『祖父岳』からの火山灰が『雲ノ平』を生み出した訳だ。(御爺ちゃんが生んだ?)

 

小説を読んだりのんびりした後、16時を過ぎた頃から雲ノ平を散策。

湿った風が吹き出し雨が降りそうなので、木道を走って山荘の方へ向かった。

Img_0362 雲ノ平の花畑(チングルマ)

山荘の近くで花の写真を撮っていると、初老の女性に『珍しい花ですか?』と話しかけられた。

花の名前なんて全然知らない事を告げ、幾つかの花の名前を教えて頂いた。

実はこの女性、テンバの方から長い距離を走ってくる俺を見て驚いていたとの事だ。

標高が2500m程度あるこの地をサンダルで走ってたからね。

ちょっぴり空気の薄さを少し感じた・・・・。

こんなアホは、中々見かけないだろう(苦笑)

Img_0355 水晶岳2986m

Img_0351 黒部五郎岳2839.6m

名峰に囲まれ高山植物の豊富な台地、女性に人気があるのも頷ける。日本最後の秘境『雲ノ平』。

Img_0349  Img_0359

Img_0353

散策を終えてテントに帰ると雨がパラパラと落ちてきた。

だんだん天気も夏山モードになって来たらしい。

夕食を取って18時頃就寝、楽しい山旅5日目を終えた。

 

翌日は『雲ノ平』から『鷲羽岳2924.2m』を登り『双六キャンプ場』へ向かいます。

 

追記

この日遭遇した『舞魅さん』達の記事は、『ランドネ2011年10月号NO.20』に掲載されているそうです。

今現在、ランドネHPにも雲ノ平とそのモデルさん2人の写真がトップに載ってる様です。

 

                                                    つづく