寝転んで空を見る

山高きを厭わず 海深きを厭わない

2010秋 北アルプス蝶・涸沢・奥穂・前穂縦走 最終日 寄り道編②

2010年11月07日 | 2010北アルプスの旅

10月9日徳沢テン場にて

3時過ぎに眼を醒ますとやっぱり雨・・・しかも結構な雨量。

どうせ上高地まで雨の中を2時間歩くのなら朝一で上高地の温泉に入ろうと。

4時過ぎから雨の中テント撤収を開始。

5時過ぎから一昨日に続き真っ暗闇の中を上高地に向け歩き出した。

 

今日の目的は、「松本散策」と「そば祭り」(おっとその前に温泉も!)

その為に今日10月9日まで滞在したのだ。

新そばを思えば、雨なんてへっちゃら。

 

徒歩1時間の道のりを30分少々で明神館に至る。雨を避けれるトイレ前でアンダーウェアを脱いだ。

明神館を過ぎて暫く進むと明るくなり出し、すれ違う登山者もちらほら。

河童橋から徒歩20分ほど梓川右岸を下った場所に建つ「上高地温泉ホテル」に6:50到着。

売店で長野名物「お焼」を食べようと思ったが、未だ蒸けて無いと言われたのでドーナッツ5~6個入りをムシャムシャと食べ、7時から温泉へ入浴!(800円タオル等は別料金)。

温泉は雨のせいか、露天風呂も内風呂も共にぬるかったが樽風呂の一つが丁度良い湯加減だったので、そこに長く浸かってこの旅の疲れを癒した。

1時間位入浴してバスターミナルへ向かい、9:20分のバスで新島々駅へ向かった。

  

すると途中の、「中の湯温泉バス停」から乗り込んでくる人が・・・。

その人は、この旅で何度か出会い、別れ、再会、した『Aさん』!

再会を喜び、御互いの山行話しを語り合い。(Aさんは飲み話?笑)

中の湯温泉→新島々→松本まで時間が経つのを忘れた。

『Aさん』は厳冬期の北アルプスも登られる大変経験豊な方だが(ヘリで搬送された経験もあり 笑)

今回は涸沢でのんびりして、帰りも横尾泊→上高地→中の湯温泉泊で楽しんで来られたそうだ。

毎年、年末年始は中の湯に行かれるそうなので、俺も何時か行って見たいと思う。

 

11:16分、松本着。松本は雨がぱらつく空模様。

『後で、そば祭りに行くかも』と言う「Aさん」と再々々会を期待して別れた。

駅で集めたマップ&パンフを頼りに、松本散策開始。

先ずは、Mウイング(中央公民館)へ「すいすいタウン(無料貸し出し自転車)」を借りに行く。

借りた自転車はサドルが低く(小学生か小さな女性が乗ったのか?)サドルがクルクル回るだけで1ミリも上がらない・・・・。(レンチが必要)

身長180cm以上ある俺が、デッカイザックを背負い膝の裏が腿に当たる様な、サドルの低い自転車をこいで行く。

町の人の目線が痛い(笑)

雨も、そんな目線も受け止めて『松本市旧司祭館(県宝)』に向かった。

Img_1712 旧司祭館

長野県内に現存する最古の西洋館で、アーリーアメリカン風建築。設計者は最初の居住者でもある松本カトリック教会のクレマン神父。1889年 に宣教師用住居として松本城下・地蔵清水町の武家屋敷跡地に建設され、その後松本市へ寄贈。1991年に現在の旧開智学校の隣地に移設。

Img_1714 Img_1715

館内は、各部屋に暖炉や古い家具が置かれていた。(入場料無料)

アーリーアメリカンとやらが何を意味するのかは知らないが、昔よく再放送で観た「トムソーヤの冒険」に出てきそうな家だと感じた。

次は隣に建つ『旧開知学校』を見学に。

Img_1718 Img_1719

旧開知学校(きゅうかいちがっこう)は、長野県松本市にあった旧制小学校で、日本で最も古い小学校のひとつ。明治6年に開校。昭和40年からは明治時代の教育資料を展示した博物館になっており、当時使われていた机(二人掛けで、天板が開く)や筆記用具(チョークと黒板消し)などが展示してある。昭和期に使われなくなると信州大学付属病院跡地であった現在の場所に移築された。国の重要文化財に指定されている。

えらい洒落た校舎だが、当時坊主頭やおかっぱ頭で鼻水を垂らした子供が通っていたかと思うと・・・う~む、お洒落すぎ(笑)!

 

次に松本聖十字協会・松本カトリック教会を見学後(通っただけとも言うが・・・)

旧開知学校の北東に建つ武家屋敷『高橋家住宅』へ向かった。

大きな武家屋敷を想像していたので少々見つけづらかったが(通り過ぎたかも・・・)

12:40分発見&到着

Img_1721 高橋家&すいすいタウン

写真に写っているのが、『高橋家』と我が『すいすいタウン号』

Img_1722 Img_1730

高橋家住宅は、松本市内に現存する数少ない武家住宅のひとつです。
  高橋家は、美濃国加納(現在の岐阜県岐阜市)で戸田家に召し抱えられてから、代々戸田家に仕えていました。享保(きょうほう)11年(1726)に、志摩国鳥羽(しまのくにとば  現在の三重県鳥羽市)から戸田光慈(みつちか)が松本藩主として移ってきますが、その時に藩主に従って松本に移り住みました。
  この建物は、高橋家のある徒士町(おかちまち)ができた17世紀前半から、高橋家が移ってきた享保11年(1726)までの間に建てられたものです。建物の特徴からも江戸時代中期のものと考えられています。現存する武家住宅としては、旧松本藩内はもとより、長野県内でも最も古い建物の一つとされています。
Img_1726  Img_1728  

禄高50石の御徒衆の住宅なので小さな建物だったが、池波正太郎や山本周五郎の小説の登場人物の家もこんな感じかな?と思わせる中々味のある住宅だった。

家内には展示物もあり、しかも入館無料!

 

この後、『そば祭り』会場でもある松本城に向かうのだが、その前に『すいすいタウン(自転車)』を変えてもらう為に城を通り過ぎ、もう一度Mウィングへ向かった。

自転車チェンジ後に松本城に向かうが、今度はペダルが重い!全然『すいすい』イカねー(笑)!

まあ~放置自転車か中古をもらって使っているのだろうから・・・無料だしね問題ない!感謝!

 

松本城に到着後、本丸へ向かった。

Img_1735 本丸内からの天守

拝観料600円を払って国宝の天守内へ。

天守内は甲冑・火縄銃等が展示されていたが、何よりすごい混み様・・・。

三階まで上がるのに1時間以上かかったのでは無いだろうか?(天守内部は六階まである)

四階でギブアップ!天守から外へ出てしまった(並んで待つの嫌い!)

外に出ると雨脚が強くなっていた。(持っていた折り畳み傘は骨が2本折れて既にゴミ箱へ・・・)

雨に濡れ、もう帰ろうかと思ったが・・・やっぱり、蕎麦!そば!だろう!

って事で、『そば祭り』会場内の『信州ゆかり庵』で十割そばを注文!(500円)

ついで『会津山都蕎麦 蕎邑(福島県)』でも『会津のかおり(十割そば)』を頂いた(500円)。

同じ十割でも『信州ゆかり庵』の方が香りがあって美味かった様に感じたかな。

Img_1748 写真を全然撮っていない事に気づき撮影のそば

『そば祭り』では、そば以外にも『スローフード・スローライフ物産展』も行われていた。

 

ビニール傘を購入後、『縄手通り』を自転車を押しながら店を観て回る。

去年秋と同じく、成果店「越中屋」でお土産にリンゴとプルーンを購入。

「去年も林檎買って、好評だったんですよ」と言ったからかな?

安い買い物なのに、雨に濡れない様に丁寧に紙袋とビニール袋で丁寧に包んでもらった。

おばちゃんありがとう!皆さん瞬の成果を土産にするなら「越中屋」で!

 

縄手通り後はMウィングにすいすいタウンを返却して、自分へのお土産に日本酒を探す。

夏には店主お勧め「山清の吟醸酒」だったが・・・(これも美味い)

今回は、全国新酒鑑評会・金賞受賞!

亀田屋酒造『アルプス正宗・大吟醸』を購入!

Img_1764 アルプス正宗と山清

普段あまり日本酒は飲まないのだが・・・とっくに空っぽ!う・ま・い!

酒瓶を抱きしめて17時過ぎの電車で帰路についた。

 

神奈川の実家に帰ると、母&兄が「もう帰って来ちゃったのか~」と一言。

10日に兄夫婦&母が俺を迎えに行きつつ『そば祭り』に行くつもりだったらしい・・・。

俺が帰ってもこの連中、行く気満々なので・・・

「じゃ俺もまた行くわ~」と翌日再び車で松本へ遊びに行ってきました(笑)。

Img_1755 帰路サービスエリアからの諏訪湖

 

山旅を終えて

何時もの様に旅を記したバックパッカーズノートを読み返し、記憶を辿り、写真を見返してこの記事を記してきました。

今回は蝶ヶ岳からの眺め、涸沢の紅葉、奥穂・吊尾根・前穂の岩場を楽しんだ。

次はちょっとのんびり、一つの山を味わうのも良いかな?と思ってるのだが・・・。

欲張りな俺は、結局縦走になっちゃうのかな?

今だ余韻に浸って、「ぼ~」っとしちゃって次を考えれない俺ですが・・・ね(汗)。

  

この山旅も良い人達と交わった。いい経験をした。

初対面の人と出会って30分後には、同じツェルトの中で寝たりね(笑)。

きっと一人の山行だからこそだと思う。(オープンな心で行けば!)

俺と同じ様に、出会った人達も知らない時に知らない場所で・・・

その出会いをその出会った山と一緒に想い出して、笑顔になって居る瞬間を想像すると頬が緩む

一生の中のほんの一時、一瞬出会っただけの人と心で接する。

この経験、人とのこの距離感が得も言われない物を俺の中に蓄積させて行く。

古来「袖振り合うも多生の縁」と云うけれど、みんな下界じゃすれ違うだけの人が殆ど全てだろう。

でも、山じゃ違う。

この人とはもう一生会う事は出来ないのかも知れない。

出会ったのなら良い物をあげようや!

その気持ちで接する。

「一期一会」

その心で旅をすれば、挨拶を交わしただけの間でさえ意味のある出会いになって行く。

再会する事は無くてもね。

何かに気づき、教えられ、与え、もらっていく旅。

これも俺が山に行く沢山ある理由の中の、ひとつ。

                                                   終わり


2010秋 北アルプス蝶・涸沢・奥穂・前穂縦走 四日目 寄り道編①

2010年10月31日 | 2010北アルプスの旅

10月8日、夜明け前に小梨平のテントの中で眼を醒まし4時過ぎにはテントを出る。

目的は田代池&大正池。

大正池までの1時間の道のりを、LEDライト・携帯・折り畳み傘を持って真っ暗な上高地梓川左岸を下流に向かい歩いていく。

少しずつ明るくなってくる中、携帯でDewの歌を流し、聴きながら歩いて行った(稀に熊が出るので)。

明るくなってきた頃、薄靄の中の田代池に到着。

上高地のホテルに宿泊したであろう方々数人とすれ違い挨拶を交わす。

静かな朝だった。

Img_1670 田代池

Img_1671 田代池・大正池分岐の湿原

時代を遡ればこんな湿地の風景は、何処にでもある風景だったのだろう。

道すら満足に無い、平安時代の頃のこの国を旅してみたかった。

  

そして、大正池に到着。

Img_1673  Img_1674

大正池は大正時代に焼岳の噴火により生まれた池。

この池を見るなら上高地公園線側からが、お勧めかも知れない。

Img_1676

霞み立つ池と梓川を眺めたら、来た道を小梨平に引き返す。

Img_1680 河童橋 9時、徳沢に向け歩き出す前に撮影

御覧の様に、この日の朝も晴れ。

上高地で調べた所によると、今日は「晴れのち曇り」明日は「曇りのち雨」の予報だった。

 

テントに帰り、朝食に「棒ラーメン豚骨味、+乾燥野菜」を食べ、梓川沿いの日向でテント・フライシートを干した。

その間に小梨平のゴミ捨て場にゴミを捨てたり靴下を濯だ後、テントを撤収して靴下とタオルをザックにぶら下げつつ徳沢を目指した。

徳沢へ向かい歩き出して直ぐに、この日10月8日は明神池で行われる

穂高神社奥宮、例大祭の行なわれる日であることを思い出した。

たしか11:00時から行われるはずだったが、小梨平を立ったのが10時すぎだったので急いで明神池へ向かった。(明神まで1時間の道のり)

Img_1683 明神橋と明神岳

明神橋を渡り11時前に明神池に到着。

11:00大例祭が始まる。

Img_1684 Img_1686

この時間から拝観料無料!なので明神池へ先回り。

地元の人曰く、この社は水神さんを祭っているからか例大祭の日は大抵雨なのだそうだ。

去年は霙が降っていたのだそう(去年と言えば、俺が槍沢に居た頃だろう)。

しかし、この日は晴れ!

凄い人出の中、池のほとりで30分ほど待っていると、やっと御出ましに・・・。

Img_1691 Img_1700

笙や笛を鳴らしながら、くるりくるりと明神池を二週して終了。

徳沢に向かう。

橋手前の嘉門次小屋で、名物「岩魚の塩焼」きを食べている人達に胃袋が泣き声をあげるが、徳沢へ後1時間の道のりを行く。

13時前に徳沢に到着。

徳沢園で受付を済まし(500円水は無料)以前は牧草地だったテン場にテントを張る。

テントは少なく、木下の良い場所を確保できた。

Img_1708 徳沢のテント場

横尾方面へ向かう人達が口にする・・・

「いい場所だね~」 「ここでテント泊したいね~」

と言う言葉を聴きつつ、旧牧草地に寝転び山本周五郎の『ならぬ堪忍』を読みながら

昼食の『アラビアータ』を煮込む・・・この贅沢な時間・・・。

(このイタリアメーカーの保存食は美味いしボリュームもあるのだが、調理に時間が掛かるのが欠点、ガスを使うから)。

ここでの一泊を以前からしたかったのだが、徳沢の位置が中途半端な所に有る為に毎度通り過ぎるだけだった・・・。

それがついに実現。

Img_0284 Img_0282

↑去年秋の徳沢テン場                                   ↑同じく、テンバ横を横尾→上高地へと向かう道

昼食後は徳沢園や周辺をブラブラして過ごした。

次の機会には、カツラの木が黄金になる時期か、夏にまたこの贅沢を味わいたい。

 

この日の夕食を徳沢園で「岩魚定食」にするか「おでん定食」か、はたまた「カレーライス」にするか・・・二時間くらい迷ったが・・・(笑)

結局、この夜も最後に残った「棒ラーメン」で我慢して19時就寝。

この為、明日の朝食は無し!(食料を全て使い果たした)

日が暮れると降り出した雨がフライシートを叩く音で腹の虫の鳴き声を消してくれた。

最後に星空を眼に出来なかったのが残念。

 

次回は最終日、徳沢→松本散策

 

                                               つづく


2010秋 北アルプス蝶・涸沢・奥穂・前穂縦走 三日目

2010年10月23日 | 2010北アルプスの旅

10月7日、3:00時くらいだろうか?テントの中で眼を醒ます。

外は未だ真っ暗だが今朝も天気は、晴れの様だ。

どうも今回は体内時計が山生活に順応出来ていない感じ。

ぐっすりと眠る事が出来ない。

しかし、ここ涸沢は、昨日の蝶ヶ岳に比べれば随分と暖かくフライシートも凍ったりしなかった。

起きたらまず、食事!

今日は長丁場になるので、何時ものカロリーメイトでは無く、朝からカロリーの高い食事。

メニューは岳食の「味噌煮込みうどん(+乾燥野菜)」と「豚汁」を食した。

食事を終えたら、テントの撤収を暗い内から始め涸沢を照らす日の出を待つ。

5:30を過ぎると日が昇りだし、6:00時前、穂高・涸沢・北穂がモルゲンロートに・・・。

Img_1526  Img_1529

Img_1533 本日の第一目標、奥穂高岳3190m

モルゲンロートの時間が終われば、山はまた違う形で美しさを見せてくれる。

一瞬一瞬姿を変えるその様は、本当に綺麗だった。

だから、中々奥穂へ向けて登り出す事が出来ない(笑)。

Img_1540

これぞ日本が世界に誇る日本山岳の聖地『涸沢カールの秋!』

Img_1546  Img_1541

↑涸沢小屋・北穂南稜方面                                 ↑奥穂・涸沢岳方面

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↑写真左の方がAさんなのだが、そのAさんと「お互いに気をつけて!」と挨拶をして別れた。

ここ涸沢でぼーっとしていたいが・・・

7:01分、やっと今日の行程を歩き出す事に。

始めに落ちを書いてしまうと

この日、涸沢から岳沢まで行く予定だったのだが、その先の上高地迄一気に行ってしまった。

したがって、本日の行程と一般平均タイムは以下

涸沢→2:30→奥穂高山荘→50→奥穂高岳山頂→1:30→紀美子平→30→前穂高岳山頂

→20→紀美子平→2:00→岳沢小屋→2:00→上高地→小梨平テン場

合計9:40分の道のり!長い!!

 

先ずは、奥穂を登る!

涸沢テン場→涸沢小屋を経由してザイテングラートに取り付くルートで奥穂を目指した。

Img_1553  涸沢小屋・北穂方面

涸沢小屋の外トイレ横から始まる奥穂への登山道を登り出すと・・・。

Img_1565

紅葉の綺麗な場所に出たので、色付いた木々に日の光が当たる時を30分位待っていたが

結局、太陽は顔を出さず・・・。

仕方ない、長丁場なので先を急ぐ!

少し登ると、太陽が顔を出した・・・(苦笑)・・・。

Img_1572 Img_1573

↑ザイテングラートと奥穂高岳3190m                      ↑涸沢岳3103.1mと涸沢槍

Img_1576

これらの景色が素晴らしすぎて、足が進まない!(これが後々響く事に・・・)

そして、ザイテングラート(ドイツ語で岩壁の側面の支稜と言う意味)に取り付く。

このザイテングラートの上を通って、奥穂高山荘まで登って行くのです。

 

ザイテングラートを登りつつ振り返ると・・・。

Img_1589 ヘリと常念岳2857m

常念岳の右にある昨日下った『蝶ヶ岳』は、残念ながら姿を見せてくれなかった。

昨日はあの辺から涸沢まで来たのだと、振り返る。

これから行く道を眺めるのも良いが、自分が来た道を振り返り眺めるのも、また楽しいものだ。

ザイテングラートを登りつつ、左手に目をやると・・・。

Img_1587 吊尾根と前穂高岳3090.2m

この後通る『吊尾根』と、登る『前穂高岳』が確認できた。

 

ザイテングラートも後半!

Img_1596 ポップアップで登山者を確認出来ると思います

Img_1598 奥穂高山荘

9:42分奥穂高山荘に到着!

ここで水(有料)と切らしてしまった行動食にクランキーを購入。

曇ってきた事と高度が上がった為、寒くなってきたので防寒着を着る。

Img_1600 奥穂高山荘からの奥穂への登山ルート

奥穂のPEAKはこの奥にある。(写真の位置からは山頂は目視できない)

小休止後、ピークを目指し登りだす。

ここから岳沢小屋までは、北アルプスらしい岩場!

岩場を登り、奥穂ピーク手前にたどり着くと・・・。

Img_1607 雲の中の巨人の頭

ガスの中に、『ジャンダルムの巨人の頭』が姿を現した!

そして『奥穂高岳』のPEAKも!

Img_1609

そして、10:49分『奥穂高岳3190m日本第3位』に登頂!

数人の方達の記念撮影を買って出て展望指示盤の上から撮影。

交代してもらい、俺も御社の上に座ったり立ったりで数パターンシャッターを押してもらった。

Img_1612  Img_1619

奥穂高岳3190m登頂!                            ↑奥穂高小屋から奥穂へ登ってくる人達

残念ながらガスで展望は、ほぼゼロ・・・となってしまった。

今日は長丁場!ノンビリはしていられない。

前穂を目指し、『吊尾根』を行く!ここからがこの日の本番!!

 

Img_1629_2    

  ↑吊尾根と前穂。 写真左に吊尾根を行く登山者が確認できると思います。(見えなかったらポップアプで 笑)

ここで雷鳥の母子を目撃した。

夏に南岳で見頃とは違い、大きく成長した雛達だった(親子の見分け出来ない位)。

 

涸沢―奥穂間では多くの人で賑わっていたが、奥穂―前穂間では、数人の人しか確認出来なかった。

距離がある為に、行く人も少ないのだろう。

Img_1628  Img_1637

 ↑吊尾根から見下ろす涸沢                         ↑吊尾根からの奥穂(左のPEAK) 

Img_1638

 ↑ポップアップで奥穂から吊尾根に下りて来る登山者

上写真一つ一つをクリックでアップにして御覧頂くと、登山者の雰囲気を味わえると思います。

右手に岳沢・上高地を見下ろしつつ、ひたすら前穂に向かって行く。

御馴染みの河童橋から眼にする、上高地を代表する風景を逆から観ている事になる。

各方面からの写真を並べてみると・・・↓

 ↓上高地って写真(上高地から岳沢&穂高)            ↓その逆(岳沢の上吊尾根から上高地を)

Img_1680  Img_1643

 

13:40分過ぎ、ようやく『紀美子平』に到着。

今回の山旅は行動食を少なくしたし、アミノ酸類も持ってこなかったからかもうバテバテ(笑)。

小休止後、ザックをデポして前穂の頂を目指し岩場を登る!

Img_1658 見上げる前穂

この山旅で初めてザックを背負わず登る山は、体が軽い軽い!

途中、軽くて調子に乗りすぎたのか、ルートを外れてしまい浮石だらけの岩肌をかなり登ってしまった(汗)。

引き返し下りる方が危険だと判断してそのまま登ってしまったが、この時は流石にヒヤヒヤしたね(笑)。

そして、この山旅最後の頂に立った!

Img_1648 前穂高岳山頂

14:00時、前穂高岳山頂3090.2m登頂!

前穂のピークは細長くなっていて一等三角点も立っていた。

ピーク東端に立つと上高地と梓川、そして奥又白池を見下ろせた。

Img_1652  Img_1654

眼にした奥又白池は美しく、まるで空中庭園!

前穂に登って良かった!(此処こそ妖精が居そうだが、昔はクライマーの糞尿で凄かったらしい・・・笑)

時に、この時点で今日は岳沢泊では無く、上高地まで下ってしまおうと決めていた。

その為、とっとと下山!

ザックをデポした場所で色白で20代前半~?に見える綺麗な奥さんと、

ちょっと歳の離れた?旦那さんの御夫婦二人と話した。

旦那さんに『元気が出るよ!』と『サラミ』を頂いた。美味かったな~!

旦那さんが俺に向い『若い内から自然を美しいと思える事は良い事だよね・・・』と言われた。

俺も同感!以前からそう思うのだが・・・

『若い内から』って・・・、もしや俺の方が奥さんより年上なんじゃね?・・・・って思った(笑)!

昔から実年齢より下に見られるんだよね・・・。

 

ところで、今思うとその奥さん何処かで見たことがある様な・・・・?

旦那さん曰く奥さんは『かなり登ってる』と言っておられたが、雑誌で眼にした事があるのかも知れない(最近、山登っている綺麗な女性はスグ雑誌で取り上げられるからね・・・舞魅さんの様に)』

 

奥さんには『北アルプスで彼女探せば良いのに!』って言われた(笑)

そうだね、街の中で自分を飾り付ける事に夢中な女性より

自然の中に飛び出し、眼を輝かしている女性は最高に素敵だと思うな。

ここ北アルプスは、そんな人達ばかりだろうしね。

ここでは他にも、釜トンネルから走って来たトレイルランナーな?

関西の派手な「おっちゃん」に『おにーちゃん、ブログ用の写真撮ってくれへん?』とシャッターを頼まれた。

更に、上高地のアルペンホテル従業員の男性、二組のご年配の御夫婦と出会い言葉を交わした。

Img_1660 振り返り見た尾根 

そんなこんなで又しても時間を使ってしまい、急いで上高地を目指して「重太郎新道]を下りて行く。

ここからでも、上高地まで平均歩行時間は4時間もかかる!

途中の鎖場で身動き出来なくなっていた年配の女性(そりゃ疲れるさ)を助けたりしながらひたすら下山・・・梯子・鎖・ガレバを通ってとにかく下山していく。

昼食抜きなのでもう、腹へって、ハラヘッテ・・・(涙)。

道中言葉を交わした何人もの方が「水あるよ?(昼食の為の)」と言ってくれたが、時間無いのでね・・・皆さんありがとう!

やっと当初、今日の幕営予定地だった『岳沢小屋』(雪崩で崩壊したヒュッテに変わり今年からオープン)が見えてきた!

Img_1661  Img_1662

岳沢パノラマからの~                         岳沢と小屋&上高地!

前穂で会った御夫婦と岳沢小屋で再会して、少々話し(大抵の人は此処で一泊)

水を補給(0円)して先を急いだ(暗くなる事を心配して頂き、ありがとう御座いました)

どうも俺は、足で稼いだ時間を、景色に見とれ、人と話す事で時間を使ってしまう様だ(笑)。

この時点で17時前だったろうか?半ぐらいだったっけ?

ここから上高地まで2時間の道を下山!

岳沢小屋から下は樹林帯を下って行き、18時前だっけかな?

暗くなってきたのでライトを付けて森の中を下りていった。

此処からは跳ぶように下りていった。

間も無く真っ暗闇になった樹林帯をひたすら下山して行くと、森の中の平坦な道を進む事になる。

「そろそろ上高地か?」

そう思ってからが長かった~(笑)。

まあ、漆黒の闇の中だが迷うような所は無いし、俺的には問題なし!(真似しない様に!)

真っ暗な道の先にかすかな明かりが見えて来て・・・

『おお~う、文明の明かり!』と呟いてしまった。

19時前?19時?に上高地に到着。(もう時計も写真も忘れていた)

そのまま小梨平キャンプ場に行き、受付を済ませ(700円)闇の中テントを設営。

受付前の自販機で「バナナ牛乳」を一気飲み(美味かった!)

[ビール500cc]300円[発泡酒500cc]200円山に比べりゃ安い!を買い食事後に堪能して

とっとと就寝。

夜中、度々テントの前室に置いたゴミ袋にガサガサと小動物が来るものの無視して熟睡(もしかしたらオコジョだったり?)

こうして、過酷な一日を終えたのだった・・・。

そして縦走も終わり!

 

次回は、大正池→明神池→徳沢へ!

                                                          

                                           寄り道編へつづく

 


2010秋 北アルプス蝶・涸沢・奥穂・前穂縦走 二日目

2010年10月17日 | 2010北アルプスの旅

満天の星と天の川の下、標高2600m超のテン場を一人占めする贅沢な夜をすごし

10月6日未明に起床

去年10月、霙の降った槍沢程では無いにしても中々に寒かった。

Img_1380

俺の別荘(笑)!

Img_1385凍りついたテント

フライシート(テントの外張り)の外は夜露、内は結露がパリパリに凍りついていた。

Img_1386蝶ヶ岳山頂から見た東の空

5時を過ぎると空が少しずつ明るくなってくる。

雲海の下には安曇野市が・・・夕暮れには街の明かりが見えていた。

Img_1388 左から、キレット・南岳・中岳・大食岳・槍ヶ岳

薄暗い空に浮かび上がる槍や穂高のシルエットを眼にして、今朝の天気が良い事を確認。

急いでテントを撤収した後、地球が創った芸術作品を観賞する。

誰よりも早く外に出て・・・

独り占めに出来る場所で「貴方がくれた、この風景♪愛しく想っています♪」なんて歌ったり

誰よりも永く眺めていた・・・。

 

山の良さには色々ある。

その姿が美しい山、ルートが険しい山、頂から見る景色の素晴らしい山・・・。

そんな山々の頂に立ちたいと人は想う訳だが、

この『蝶ヶ岳』は人気のある穂高連峰を一望にできる。

その眺望は北アルプスでも、トップクラスの『頂から見る景色の素晴らしい山』だ。

多くの人に、写真には収める事の出来ない迫力を、その眼で見て欲しい。

(危険な山では無いのだし! 熊いたけどね・・・・笑)

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ずっと眺めていたい素晴らしい眺めだったが、そうも行かない。

今日はここ蝶ヶ岳から、涸沢まで行くのだから!

涸沢カールまでの一般コースタイムは以下

蝶ヶ岳→2:30→横尾→1:00→本谷橋→2:00→涸沢。計5:30分の道のり!

とは言え、何度も足を止め穂高連峰に見入ってしまう・・・・。

蝶ヶ岳から横尾まで標高差1000m以上を一気に下り、

今見ているこの↓

Img_1430 蝶から見た涸沢カール

『涸沢カール』(遥かな昔、氷河が削り取ったすり鉢状の地)まで登る訳だ。

(上下写真、中央のすり鉢状の地が涸沢)

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幾度も足を止めて、今まで登った山、そしてこれから登る山を眺めた。

↑左から・・・、前穂3090.2m→奥穂3190m→涸沢岳3103.1m→北穂3106m大キレット

南岳3032.7m→中岳3084m→大食岳3101m→槍ヶ岳3180m。

立ち止まって眺め・・・ニヤニヤしているだけで、時間がどんどん過ぎていく(汗)。

Img_1456 槍沢ルートと槍ヶ岳3180m 

7:15分、いい加減未練を断ち切って 下山開始!

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蝶ヶ岳の稜線の日陰は未だ霜がビッシリ↑                こちらは日向↑

稜線から少し下って行くと樹林帯に入って行く事になる。

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ここで槍は見納かと思ったが・・・足に負担のかかる横尾への急斜面を下りていくと

槍見台なる場所があり、そこで眼にした姿がこの旅で見た槍の最後の姿になった。

Img_1467槍見台からの槍ヶ岳

横尾への下山で親指の裏にデッカイ豆が出来たが、痛みを無視して横尾まで下山して辿り着いた横尾→本谷橋→涸沢間は、紅葉を眼にしようと涸沢に向かう人達でいっぱいだった。

Img_1472 本谷橋から涸沢を目指す人々

本谷橋を過ぎると斜度がキツクなって、蝶ヶ岳からの下山で疲れた足腰には正直こたえる。

しかし涸沢に近づき高度を上げていくと、周りの木々が色付き始めてくる・・・・。

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ナナカマドの赤とダケカンバの黄色・・・

生憎の曇り空でも、この色彩!晴れていれば、どれ程美しい事か・・・。

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疲れなんて消し飛ぶ!全てが報われる。

自然の美しい景色に感動できるのは人間だけなのだろうか・・・。

犬だって自然の中へ連れて行けば喜ぶしな・・・。

生き物は自然を眼にすると何か感じるものがあるのだろう。

そんな事を想った。

Img_1502 いよいよ涸沢へ!

俺は涸沢小屋方面から涸沢に入る道を選んだ。

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Img_1509 涸沢カール到着

石段を上り涸沢とテン場の入り口に至ると、見たことのあるツェルトが・・・

新島々駅で御一緒したAさんのツェルトだった。

姿は見えないが、恐らく北穂を登っているか、ヒュッテで「おでん」と「酒」でも飲んでいるのだろう(笑)

12:40分、涸沢到着。

先ずは良い幕営地を探さねばならない。

涸沢のテン場は角ばった岩がゴロゴロしているので、平らに均してある数少ない場所を確保しないと寝返りも打てない夜を過ごす事になるのだ。

今回の俺は、運良くいい場所が開いていたので(ヒュッテに近く平らだった)ラッキーだった。

『テント設営両500円、水は無料、トイレはチップ制100円』

昼食を作る為に水を汲みにヒュッテにいくと・・・テラスで酒を酌み交わしているAさんを発見!

この時は挨拶程度ですましたが、夕暮れ前に新島々でのお礼にAさんへビールをご馳走して、Aさんと俺そしてもう一人の方3人、テン場で日が沈むまで山と星の話をしていた!

(寒かったけどね・・・)。

その後、テントの中でチーズクリームリゾットと小屋で購入の白ワインハーフボトルを堪能。

 

涸沢の紅葉はこんなモンじゃない!

明日に期待!

朝日の中の紅葉を目にする為に20:00には就寝。

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  ↑テン場から見た涸沢ヒュッテ方面              テン場から見た涸沢小屋方面↑

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 ↑テン場から見た大雪渓                           涸沢小屋から見たテン場と涸沢ヒュッテ↑

 

明日は紅葉を眺めながら奥穂を登り、吊尾根→前穂→岳沢へと向かいます。

                                                    つづく


2010秋 北アルプス蝶・涸沢・奥穂・前穂縦走 初日

2010年10月13日 | 2010北アルプスの旅

今回の山旅の目的は、蝶ヶ岳・奥穂高岳・前穂高岳を登る事。

更には徳沢での野営と松本のそば祭りでした。

当初はこの旅、10月5日から出発する予定でしたが、5日始発の電車で向かうと上高地に到着するのが12時過ぎ・・・。

そうすると、一日目の蝶ヶ岳ヒュッテ着が夕暮れになってしまう。

かと言って、一日目を徳沢・横尾泊にすると・・・・

これは時間の無駄だし(のんびりして良いが)天気予報も5・6・7・日以降は崩れる予報だった・・・。

そこで、4日の最終電車で松本電鉄「新島々駅」に向かい新島々駅でビバーク後(笑)

翌朝6時発の始発バスで上高地へ向かう事に急遽変更した。

 

さて、10月4日22:23分松本駅着、天気は曇り。

その後、新島々行きの電車を待つ、松本電鉄のホームでザックを背負った30~40代と見られる男性と出会った。(この男性を仮に『A』さんとしておきます)

Aさんに俺の方から会釈をしたところ「新島々でビバークですか?」と話し掛けられたのだが、

その方、すごく話好きな方で、終点新島々に着いても駅員に声をかけられるまで気がつかない程に、二人で話し込んでしまった(笑)。

23:37分、新島々駅に到着。

Img_1234今年夏の槍穂縦走時撮影「新島々駅

新島々到着後Aさんに『私のツェルト(簡易テント)で御一緒しませんか?』と誘われたが

上記写真の新島々駅には屋根が有るので、大丈夫ですと断ったが難度も進められ・・・

人の好意は素直に受け入れるってのが俺の信条!

ツェルトにお邪魔させていただいた。

漬物を肴にチューハイを回しのみしながら山の話をして0時過ぎだったろうか?

上写真自販機とベンチの前で就寝。

しかし、全然寝れない・・・すぐ横の道をトラックがブンブン走って行くしね・・・(泣き笑い)。

3時前、トイレにツェルトを出ると、空に綺麗な星空が広がっていた。

山に行かなくてもこんな星空が見れるのだと思うと、長野に住みたい想いが強くなっていく。

 

10月5日4時頃に起床(といっても全然寝れなかったケド)。

6時の始発バスは、民宿に前泊した方2名を合わせ、計4名を乗せバスは上高地に向かう。

途中から乗ってこられる方もパラパラと増え

7:09分定刻より4分遅れて上高地バスターミナルに到着。

バスを降り、Aさんに別れを告げようと思ったが姿が見えないので河童橋に向かう。

涸沢に向かうと言っておられたので、また会う事もあるだろう。

Img_1318 河童橋からの梓川・穂高・岳沢

この旅の後半、写真中央の奥穂の頂にに立ち、同じく岳沢を下りてくる予定。

何時もの様にデジカメでパチリとやって、7:25分スタート!

天気は今のところ晴れ!

今日の目的地は蝶ヶ岳山頂にある「蝶ヶ岳ヒュッテ」のテン場。

一般平均コースタイムは以下

上高地バスターミナル→1:00→横尾→1:00→徳沢→3:40→長塀尾根山頂→1:00蝶ヶ岳山頂。計6:40分の道のり!

Img_1321 明神岳2931mと5峰2726m

毎度御馴染み、梓川と明神岳を左手に見ながら先を急ぐ。

Img_1325 明神館

7:56分明神館に至る。

Img_1326  Img_1328

明神館前に生えるこの木は何て名の木なのだろう・・・・。

実は実家に生えるユスラウメに似ている。

 

8:36分徳沢に到着。

Img_1330 徳沢園とテン場

小休止後、徳沢園脇の登山道から『長塀尾根』を登り始める。

ここは急登で且つ俺の大嫌いな展望の利かない樹林帯の中の登山道。

俺、美しい景色を目にしながらなら疲れを感じないのだが、展望ゼロのここはキツかった!

北アルプスで初めて、『ここは二度とのぼらねえ~』と難度も独り言を言わされた(笑)。

自分が一体どの辺りを登っているかも解らず、ひたすら登っていった。

Img_1334 長塀山への登山道

11:45分、やっとこ長塀山山頂に至る。

Img_1336 長塀山山頂2564.9m

山頂では、今朝徳沢から登ってこられた御夫婦とお会いした。

昼食中の関西弁の50~60代のお二人との会話を楽しみ小休止。

「お昼を食べないでよくシャリバテせんな~」と言われたが、お二人との会話が行動食一食分位の元気をくれたんですよ!

その後、お二人に先んじて蝶ヶ岳山頂を目指し歩き出す。

此処からは尾根歩きに成るし、色付いた木々を眼にしながら行くので心が浮き立ち楽しかった。

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この尾根には『妖精ノ池』と呼ばれる池が存在する。

Img_1351 妖精ノ池

この池、夏も花が咲き誇る美しい池なのだそうだ。

しばらく歩くと突然、

樹林限界を過ぎハイマツに囲まれた、なだらかな『蝶ヶ岳山頂』が姿を現す。

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ここまで来れば疲れなんて吹っ飛んでいる!

そして山頂へ。

Img_1370 蝶ヶ岳2677m山頂

13:35分、『蝶ヶ岳』2677m登頂。

Img_1366 山頂手前から見た北方面(常念は雲に・・・)

山頂から北に眼を向ければ蝶ヶ岳ヒュッテと常念岳の姿が見えた。

 

さて、この蝶ヶ岳に登った理由はここから眼に出来る

槍・大キレット・北穂・奥穂・前穂・涸沢等々の大パノラマを眼にする為なのだが・・・。

その景色はと言うと・・・。

Img_1363_2 蝶ヶ岳からの眺め

雲が出てきて今一の眺めだが、この時は十分感動し、長塀尾根で二度と登らないと言った想いは吹き飛んだ(笑)!

上の写真では、前穂や西穂は雲の中だが、かろうじて涸沢岳が見える。

そして、この夏縦走した山々が・・・

右から槍ヶ岳・大食岳・中岳・南岳・大キレット・北穂高岳・涸沢カールと見えている。

Img_1360 クリックで槍ヶ岳のアップ

槍ヶ岳の姿と、そこへ続く槍沢ルート(谷間)を眺め過去の山旅を想い・・・。

Img_1367 クリックで涸沢カールのアップ

明日向かう涸沢を眺め、眼に出来るであろう日本一の紅葉にワクワクしていた。

そして、今日は雲のかかったこの眺めも、明日の朝には最高の眺めを眼に出来ると期待に胸を膨らませた。

 

その後、山小屋でテン場の受付をすませ(500円 水1?150円)テントを設営していたところ、長塀山山頂でお会いしたお二人が蝶ヶ岳に到着し、俺に話しかけてきた。

その会話の中で、今さっき蝶ヶ岳山頂で熊を見た人が居るらしいと聞いた!

テン場から山頂は眼と鼻の先・・・。

しかも、この日のテン場泊は俺一人!

当然最高の場所をおさえ喜んでいた処だったのに・・・・(涙)。

まあ、気を取り直してテントの中で食事を取り『ナイフを枕元に置き』20時頃、就寝(笑)。

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夜中に難度もテント裏のハイマツからガサゴソと音がして何度か起こされ・・・

そのつど「俺~は、村じゅ~で一番♪強い~と言われた男~♪」と歌う縦走1日目の夜は暮れて行った・・・・。

 

次回2日目は、早朝蝶ヶ岳からの眺めを堪能し、紅葉に彩られる涸沢を目指します。

                                                    つづく