寝転んで空を見る

山高きを厭わず 海深きを厭わない

2011夏の大縦走~立山から上高地へ~ (4th Day)

2011年08月29日 | 2011北アルプスの旅

8月1日、朝5時前に起床、今朝の天気は曇り時々晴れ!

朝食を20代双子の姉妹と食べる。

メニューは忘れたが、魚の甘露煮?の様な保存食(岩魚?山女?缶詰だろう)が美味かった!

6時30分、『愛知のお姉さん』達に別れを告げて、今日の目的地『薬師峠キャンプ場』へ向け歩き出す。

(『おかあさん』と言いたいところだが、御不満もあろうかと・・・ねぇ?)

『薬師峠キャンプ場』までの一般平均歩行時間は以下。

『スゴ乗越小屋』→1:20→『間山2585.2m』→1:40→『北薬師岳2900m』→0:40→『薬師岳2926m』→『薬師岳山荘2701m』→1:20→『薬師峠キャンプ場2701m』

合計5時間40分の道のり。

先ずは『間山2585.2m』を目指し樹林帯を登る、少し進むと展望の開けた場所に出た。

北の方角へ目を向けると、『剱岳2999m』と立山の姿を目にする事が出来た。

Img_0265剱岳・立山方面

『立山の室堂』から始まった山旅なのに4日目にして、初めてスタート地点の姿を目にした。

更に『剱岳』の左手に目をやると、富山の町と富山湾を望む事が出来た。

Img_0263山々の向こうは富山の町と海

写真では良く確認できないが、富山湾・剱岳・立山連山の眺望は心と足を軽くさせる効果抜群だ!

足が軽いのは山小屋の食事と布団のせいだろうか?兎にも角にも良い朝だ。

少し歩くと行く手に小高いピークが現れる。

Img_0267

ここが地図上に記された2308mの地点だろうか。

このピークの上で小休止、展望を楽しむ。

残念ながら、目指す『薬師岳』方面は雲に包まれていたが、剱岳の姿を眺める。

Img_0269剱岳2999m
休憩後、幾つものピークを越えて先へ進む。

展望の良いとされる『間山』まで進んだが、残念ながら展望は利かなかった。

しかし、今日は心が軽い。

小さな事は気にならない(笑)

休憩を取る事無く先へ進み、次なる『北薬師岳』を目指す。

此処からは樹林限界を超えて、北アルプスらしい岩山の稜線を行く。

その先は『北薬師岳』へと続いている。

Img_0278北薬師岳へ!

見た目より歩きやすい稜線を進み『北薬師岳』のピーク直下まで至る。

Img_0282見上げる『北薬師岳』のピーク
左手に残る雪渓で『カキ氷でも食べてぇもんだ』と呟きながらピークを目指し登って行く。

9時12分、『北薬師岳2900m』のピークに立つ。

Img_0284_2北薬師岳2900m

『間山』へ至る道すがら、かなりの人を追い越したせいで、静かな稜線歩きとピークを独占して休息を取った。

しかし展望は利かない・・・(笑)

山頂のプレートには、『ここで雨なら薬師岳は風雨強し!引き返そう』的な事が書かれていた。

時々ガスで服が濡れる程度で、雨は未だ降っていない。

先を急ぐ事にした。(後から来る『愛知の御姉さん』達が少々気にかかった)

ここから『薬師岳』への道はたったの40分。

Img_0286薬師岳を望む

この辺りで太郎平方面から来た人とチラホラと擦れ違いだす。

そしてこの旅の前半の目的地『薬師岳2926m』へ登頂。

Img_0288 Img_0290

山頂には朝食を御一緒した双子の姉妹が休憩していた。(双子って仲良いねぇ)

この場所には薬師如来を祭った祠が立っているので、手を合わせ中を覗き込んでみる。

すると薬師如来よりも祠の中にある『スナック菓子』に目が行った。

『アレ食いてぇ』と呟くと・・・

どんな菓子だったか何味だったかも忘れたが『〇〇味って珍しいですよね!』と、少々興奮気味に話しかけられた。

それが珍しいのか正直俺には、わからなかった。(女子はホントお菓子好きだよね)

ガスって来たのでレインウエアを着込む。

水分補給を済ましたら薬師峠へ向かって下って行く。

途中、昭和三十八年に命を落とした愛知大山岳部十三名を慰めるケルンと慰霊碑を目にした。

Img_0291

スゴ乗越への道中でも高校山岳部員が、落雷により命を落とした地を示すプレートを見ていた。

手を合わせた後、先を急ぐ。

11時15分『薬師岳山荘2701m』に至る。

Img_0294薬師岳山荘

先に下りていた双子の姉妹にまた再会。

売店のメニューにある『白玉(なんとか)』に『それ魅力!』と呟くも前日の山小屋泊が響き、財布の紐を硬くさせる。

すると件の姉妹の元へ『白玉(なんとか)』が運ばれて来るじゃないか!

・・・・・・。

羨ましそうに眺め『松本で贅沢してやる・・・』そう心で呟き誘惑を振り切り、先を急ぐ事にした。

天気は崩れず回復傾向に!

正午前に本日の野営地、『薬師峠キャンプ場2294m』に到着。

未だテントを設営している人は少なかったが、ちょっとした谷間に位置するこのテンバは、山側の左右から雨が流れた後が地面にありありと残っていた。

その為、いい場所を選定するのに時間を要した。

結果、お椀状に盛り上がり、南東へ少し傾斜した場所に決定。

寝転がると、海老反り状態&斜面下側へズルズル滑ってしまうが、雨を考えればここで良い。

Img_0297テントの中、寝袋の上で胡坐をかき撮影

テント設営料500円

受付はテンバにある管理小屋で行われるので便利!(おまけにビールも売ってる!買わなかったけど・・・)

水は冷たい天然水で0円。(沢の水を引いている)

トイレは、素晴らしく綺麗で十分な広さのバイオトイレ、洋式便座あり!チップ制(100円)

この旅で最高のトイレがあるテンバ!(涸沢はアクセスを考慮して例外)

いいテンバだ!

濡れた装備類をテント周りの石や木に干して、テント前で昼食を食べる。

メニューは『どん兵緑の緑のたぬき(詰め替え用)』とアルファ米2食分+瞬間美食カレーの

ライス大盛りルー極少カレー!(笑)

ともかく、辺りの眺望を楽しみながら腹を満たした。(雲ノ平を眺めていた)

Img_0299薬師峠テンバから雲ノ平を眺め昼食

受付を済ませる為に管理小屋前で並んでいると、『おにーさぁーん!おにーさぁーん!』
と大きな声が・・・。

?っと思い振り向くと『愛知のお姉さん』方が笑顔で手を振っていた(笑)。

俺も手を振り返す(笑)。

皆さんは、ここから20分歩いた所にある『太郎平小屋』へ宿泊。(登山道は、テンバを通って太郎平小屋へと続いている)

この後、夕立があったが間も無く雨は上がった。

この日は、非情に快適で楽な行程だった。

やっぱり山小屋パワーだろうか?良い風景を目に出来たからかも知れない。

天候も日を追う事に少しずつではあるが、良くなって来ている。(予報でもその傾向が!)

この旅、昨日までは『行』って感じだったが、この先は期待出来そうだ。

当初、翌日は『雲ノ平』へ向かう心算だったが『黒部五郎岳』へも行きたくなり、この時点では未だ決め兼ねていた。

『明朝の空と気分次第で決めよう』

テントの中で小説を読んだり音楽を聴いたりのんびり過し、夕食後18時半就寝。

                                                    つづく


2011夏の大縦走~立山から上高地へ~ (3rd Day)

2011年08月26日 | 2011北アルプスの旅

7月31日五色ヶ原のテンバにて、いつもの様に日の出1時間前に起床。

そのままウォークマンで数曲を聴き、気合を入れて行動開始。

お湯を沸かし朝食を取り、5時前になると辺りが明るくなってくる。

願いを込めるようにテントのファスナーを開け、フライシートを捲り上げる。

Img_0232五色ヶ原の朝

風に流される白雲と青空が視界に入った。

この二日間、雨の中を行動していたせいだろうか、青空だけでテンションが上がる。

天気のうちに行動開始と行きたいが、この日もスタートに遅れてしまった。

道具を乾かしていたのと、テントの中を整理していないのが原因(荷物が多すぎるのもあるか)。

何処かで、ちゃんと濡れた衣類・道具を干したいものだと考えつつ、8時前に今日の目的地『スゴ乗越テンバ』を目指して歩き出す。

本日の行程、一般コースタイムは以下↓

『五色ヶ原キャンプ場』→0:20→『五色ヶ原山荘』→0:50→『鳶山2616m』→0:50→『越中沢乗越2356m』→1:10→『越中沢岳2591.4m』→1:40→『スゴノ頭2431m』→0:40→『スゴ乗越』→0:40→『スゴ乗越小屋&テンバ』

計6時間10分の道のり。

高度の偏差を見てもらうとわかる様に、中々にアップダウンの多いコースだ。

先ずは、五色ヶ原山荘へ向け木道の道を軽く登って行く。

すると山荘が見える。

Img_0239 五色ヶ原山荘

山荘に到着し、ポカリスェット500ccを3本購入。(1本300円だったか、350円だったか・・・)

そのまま『鳶山2616m』を目指し50分の道を登って行く。

Img_0237 鳶山2616m

この登山道に限らず北アルプスでは、稜線の脇に残る雪渓を通り抜けた風が、登りで火照った体に心地良い。

Img_0240 Img_0241

鳶山のピークを踏んで越中沢乗越・越中沢岳を目指す。

上記右写真の様な道を行く                          ↑

この道中、木苺を発見。

Img_0243 イチゴ

本当はイケナイのだが、数粒摘んで口に入れる。

美味い!酸味が疲れた体に染み渡る!

力を得て越中沢乗越2356mを越える。

越中沢岳への登山道は、ハイマツ帯の中に赤茶けた石が山頂へ向かいゴロゴロしており、その石の道が登山道となっている。

(雨が降ると沢に成ってしまう登山道だろう)

左手に眼をやると、黒部湖が見えていた。

Img_0245 黒部湖

この直後、辺りは白い雲に包まれ雨が降り出した。

『また雨かよ・・・』そう呟きザックをザックカバーで覆い、レインウエアを着込む。

このルート、地図では『濃霧時注意』と書かれているが、注意するような所があった様には感じなかった。

11時17分『越中沢岳2591.4m』登頂。

Img_0248 越中沢岳2591.4m 

ここで行動食の『とっておき』、栗羊羹を食べる。

しかし、一口かじっただけで落としてしまった・・・。

砂塗れの羊羹を、ジャリジャリ言わせながら食べた。

天候が崩れだした為に、御覧の通り展望は利かない。

さらに、山頂にあるプレートが気持ちを萎えさせる。

Img_0249 山頂のプレート(表示)

『近くて遠いはスゴの小屋 アップダウンが続くよ!』

あと少し!

そう思っている所に、こう書かれると正直ゲンナリする(笑)。

頑張れ!あと少し!と書かれた看板に元気をもらった事は幾度もある。

今度行ったら、マジックで『頑張れ!』って付け足しとくか?

雨が降ったり止んだりの空の下、次の通過点『スゴの頭2431m』を目指す。

越中岳沢から急坂を下って行き、最後はまた急坂を登る1時間40分の道のり。

その道中、雷鳥が現れた。

Img_0252 雷鳥

この旅初の雷鳥。

霧の中から現れる、とは良く言ったものだと思う。(一説には、鷹・鷲等から身を隠す為だとか)

地図上にある、スゴの頭やスゴ乗越には表示が無い様だ。(見逃したか?)

ここからがこの日の本番だった↓

Img_0254 登山道

上記写真の辺りを過ぎると樹林帯になって来るのだが、其処からの道は険しかった。

樹林帯で木の根や大きな石を乗り越えて行く急登が続き、鎖場もあった。

しかも雨は雷雨に変わり、土砂降りに。

ウエアに進入してくる水と背面パネルから浸み込む水で、体もザックの中もビショビショ・・・。

『此処は屋久島かっての!』そう毒つきながら、木の根や石を掴み、よじ登ったり下ったりしていた。

この時が、『今回の山旅で一番のドン底』だったと今にして思う。

その証拠に、その辺りから写真を一枚も撮っていない。(カメラが壊れかかっていたのも、ある)

この三日間、殆ど景色を眼に出来ず心も体も文字道理、雨に打ちのめされた。

『こんなの、何にも楽しくねぇ・・・』そんな愚痴も言った。

しかし旅を終えた今は、良い経験をしたと思っている。

そして実は、雨に打たれている時にも、後でそう思える事はわかっていた。

その後、雷鳴と雨の中『スゴ乗越小屋』に到着。

15時を過ぎていたと思う。

越中沢岳に11時14分到着して小屋に15時過ぎってのは、道中UFOにさらわれたとしか思えない。(笑)

それだけ精神的に落ちていたって事だろう。

テンバを見てみると水捌けが悪そうで、水溜りの中にテントを張っている状態・・・。

ここで決断を下した。

『スゴ乗越小屋』へ泊まろう、と。

理由は2つ、三日連続で濡れたマットには寝たくない、ダウンの寝袋を濡らしたら最悪だと言う事。

もう一つは、山小屋へ泊まれば乾燥室で装備・ウエア一式を乾かせるって事だ。

『水曜どうでしょう』の大泉洋ならば『それ魅力』って絶対言う所だ・・・。

こうして人生初の山小屋泊を決意した。(テント大好きなんです)

Img_0257 翌朝撮影のスゴ乗越小屋

料金は2食付で8600円。受付を済ませたらそのまま乾燥室へ直行。

乾燥室でアレを干し、これを干しで1時間位篭っていた。(と言うか小屋で着る物以外の全てを干した)

夕食を待っている間、愛知から来て居る(50~60代位?)の女性4人パーティと関西から来た男性(30代?)との会話を楽しんだ。

愛知の女性たちは、俺と同じく明日『薬師岳2926m』を登り太郎平小屋へ宿泊、翌日下山だそうで。

関西の男性は、剱沢へ向かい『剱岳2999m』を目指すそうだが、天候を心配していた。

どちらも話し好きな方達で、楽しい時間を過ごさせてもらったが、特に関西の男性は熱かった!(笑)

一人で山を登る楽しさ、それに伴う出会いの素晴らしさを熱く熱く語っていた。

全く持って俺も同感なのだが、翌朝話しかけるとえらい静かで口数の少ない人だった・・・。

どうやら、あの時は酒に酔っていたようだ(笑)

夕食は、その男性と50~60代位の男女3・4人パーティと同じテーブルで頂いた。

メニューは、天ぷら・キノコの味噌汁・漬物・・・後は忘れたが、天ぷらが美味しかったのは覚えている。(写真を忘れた)

無論、魚貝の天ぷらは無いが、竹の子・カボチャ等、畑・山の物の天ぷらを堪能。

北アルプスの山小屋の食事は良いとは聞いていたが、本当だった。(何処かのレトルトカレーオンリーとは、大違いだ)

夕食後ビールを飲みながら小説を読み、その後19時就寝。

寝床は、一階の二段目一番奥だった。(畳八畳位を横に並べた長い寝床で、それが上下二段になっている)

俺の隣には誰も割り振られず、布団3・4枚横に上記愛知の女性達が寝ているだけで朝まで安眠させて頂いた。

人生初の山小屋泊は、同じ屋根の下同じ釜の飯を食べた者同士の交流が楽しかったし、飯は美味いしで、癖に成りそうな夜だった。

翌日は、薬師岳2926mを登り薬師峠キャンプ場を目指します。

                                                    つづく


2011夏の大縦走~立山から上高地へ~ (2nd Day)

2011年08月18日 | 2011北アルプスの旅

7月30日3:45分頃、Dewの曲クロノスで目を覚ます。

(ウォークマンのイヤホンは耳栓代わりになってGood)

昨日からの雨は止まず、この日の朝も雨。

テント内でお湯を沸かしアルファ米『西尾食品の山菜五目御飯』を食べる。

西尾食品、パッケージは地味だが中々に美味い!

種類が豊富なサタケより、美味いんじゃないだろうか?侮れない!

雨が降っているので、なかなか外に出る気にならない。

8時近くまでグズグズしていたが、そうもしていられないので雨の中テントを撤収、この日の目的地『五色ヶ原』を目指す。

先ずはテンバから玉殿湧水へ向かい、ハイドレーションに水を入れる(テンバの水は塩素臭い為)

其処から五色ヶ原へ向かう訳だが、一般コースタイムで表すとこうなる ↓

雷鳥沢テンバ→1:25→玉殿湧水→0:50→室堂山2668m→0:20→浄土山2831m

→2:00(竜王岳2872m鬼岳2750mを巻き)→獅子岳2741m→0:50→ザラ峠→0:40で五色ヶ原

計6時間5分の道のり

Img_0207 立山のミクリガ池 

水を補給して室堂山荘前まで行くと、ツアー登山者らしき人達を多く見かける。

おそらく立山三山へ行く人達、俺とは反対の道を行く。

室堂山山頂手前の小さな雪渓を渡って、浄土山・竜王岳の辺りから鬼岳まではガスの中を歩く、

この間、人の姿は見無かった。

鬼岳付近で先行している人達に追いつきだして、幾つかのパーティーに遭遇、挨拶と会話を交わす。

その中にテント泊で五色ヶ原だったか薬師岳を目指す20~30代?女性3~4人のパーティーも居た。

最近の山ガールは凄い。

この辺りで大きな雪渓を二度渡った。

Img_0213 渡っているのは、上記の女性達

この雪渓、遥か雲の下まで続いていて、巨大な滑り台の様だった。

『この荷物でこけたら、止まんね~なっ・・・』そう呟いた。(でも、チョッピリ滑って見たい気もあったりする)

12時半過ぎ、『獅子岳2741m』へ登頂。

この辺りで雨が止む。

Img_0214 獅子岳山頂2741m 

此処で休憩を取っていた50~60代の男女数人のパーティーと遭遇。

『おにいちゃんもスイカ食べる?』と聞かれたので有り難く頂きました。

シャーベット状に凍らされたスイカは、そりゃーもう最高に美味かった!

(糖度何十とか言ってたな・・・ハイドレーションの水はシリコン臭くて辟易していたので、スイカが尚更に美味く感じた)

この方達は、地元富山の人達で『家じゃ子供に相手にされないから、皆で山に来た』と言っておられた。

曰く『みんなの憧れ』五色ヶ原が最終目的地だそうだ。

人生最高のスイカを食べて元気百倍の俺は、富山の方達にお礼を告げて先を行く。

『獅子岳』からの急坂を約400m下り、『ザラ峠2348m』へ到着。

Img_0216 ザラ峠2348m 

この『ザラ峠』、今から400年以上の昔、織田信長の家臣で越中(現富山県)を治めていた佐々成政が、信長の死後羽柴秀吉と対立。

秀吉に対抗する為に、当時三河・遠江・駿河・甲斐・信濃を治めていた徳川家康と同盟を結ぼうと、佐々成政自ら厳冬期のアルプス越えを成した場所なのだ。(佐々成政のサラサラ越え)400年も昔、しかも厳冬期にここを越えたってのは信じられない位、凄い事だ・・・。

しかも帰りも通ったらしい。

秀吉方の能登の前田と越後の上杉に前後を挟まれ絶対絶命だったのだろう。

しかし、同盟は家康に断られて帰る事に・・・。(なんてこったい)

現在でも富山県と長野県を結ぶ道は、登山道以外には『立山アルペンルート』しか存在しない。

『ザラ峠』での休憩中、この旅で初めて晴れ間が顔を見せた。

Img_0217

休憩を終えて、『五色ヶ原山荘と五色ヶ原キャンプ場への分岐』へ向け40分の道を登りだす。

よく、山では『せっかく登ったのに、また下るのか』と呟く人を見かける。

確かにキツイ、『ピークとピークに橋でも架けといてくれ!』と思うこともしばしば。

でもそれを繰り返しピークを踏んで行くのが縦走登山だから仕方が無い、みんなMだ(笑)。

道中振り返ると、ザラ峠で休息中の人達とその後ろに頂を雲に包まれた『獅子岳』が・・・。

Img_0221 見下ろす『ザラ峠』

あと数歩で登りきる。

ついに五色ヶ原・・・

Img_0220

と思いきや、この先もまだ登りがつづく・・・これも山では良くある事。

此処が目的のピークと思い登りきると、次のピークが目に映る。

少し前に振り出した雨の為に着たレインウエアーを、また此処で腹立たしげに脱ぐ。

そして更に登って今度こそ、五色ヶ原へ。

Img_0227 やっと五色ヶ原の木道へ

『五色ヶ原』はその名から想像できる通り、花の楽園。(雨に濡れカメラが不調の為に写真少なし)

標高2000mを越える地にある高層湿原で、岩・花・湿原・が点在する広大な庭園の様な地だ。

残念ながら木道に到着すると御覧のようにガスに覆われてしまった。

Img_0230 お花畑 クリックでポップアップ

Img_0231 クルマユリだったかな?

木道を更に20分位木道を歩いただろうか?15時過ぎにテンバに到着。

Img_0233 翌朝撮影のテンバ

テントを設営、設営料500円・水場あり0円・トイレ0円。

広々としており景観のいい良いテンバだが、トイレが臭い!

おまけに大きい方は、もれなく御釣りが帰ってくる始末・・・。

テクニックと経験が必要だっ!

テント設営後、黒部湖方面への道へ往復40分程度の散歩をした。

両脇にチングルマが群生した木道が続いていて、中々に素晴らしい景観。

テンバに帰ると、道中追い越した山ガールさん達も到着してたいた。

テントに入りりパンツとシャツで寛いでいると、山小屋の従業員が設営料の徴収に来た。

山小屋とテンバが離れている為、明日払えば良いと思っていたが、手続きがメンドクサイのでラッキー。

18時過ぎに夕食を食べた(昼食は抜き)

(因みに、この旅では寝る前にアミノバイタルプロとDHCの総合ビタミン剤を飲んでいる)

余談だがこの山旅でほぼ毎日、寝る前にウォークマンで曲を聴いていたのだが

秦基博の曲『やわらかな午後に遅い朝食を』に

『やがて潤む西の空の向こうに 辿り着ける答えが あるかも知れないね』

『だとしたら 明日吹く風の中に 一人僕は 迷わず 行けるのかな』

こんな歌詞があり、山を行く自分の心とピッタリ重なってこの曲が好きになった。

19時過ぎから、そんな曲やDewの曲を聴きながら依然濡れたマットの上で就寝。

今日はスタートが遅すぎたので、明日は早く行動開始する心算。

翌日は、『スゴ乗越テンバ』を目指す。

                                                    つづく


2011夏の大縦走~立山から上高地へ~ (1st Day)

2011年08月14日 | 2011北アルプスの旅

今年も北アルプス縦走の旅へ行ってきました。

スタートは立山、ゴールは上高地。もしくは蝶ヶ岳を越え、安曇野へ。

この記事は、そんな『行き当たりばったり、風の吹くまま気の向くまま』な山旅の記録です。

7月28日23時過ぎ、神奈川の実家を出発。

電車を二本乗り継ぎ、日付変わって7月29日0時40分八王子発のムーンライト信州で信濃大町を目指した。

この列車に乗るのは2年ぶり、相変わらず煌々とした灯りと車体の軋み、ドアの音で眠れず朝を迎えた。

それでも大糸線『穂高駅』辺りに至ると曇り空の下、車窓には安曇野の田園風景と常念・蝶ヶ岳の裾が・・・

気がつくと眠気なんて吹っ飛んでいた。

5時20分位だろうか?『信濃大町駅』に到着。

Img_0195 篠ノ井線『信濃大町駅』

トイレに行ったり待合室へ入ったりウロウロしながら、扇沢行きのバスを待つ。

(この間に雨が降り出す)

6時15分発のバスに乗り込み扇沢へ。

(ここ信濃大町から立山室堂までバスとアルペンルートの総運賃は、7,030円+手回り品610円 ザックが10㌔を超える為)

扇沢からトローリーバスに乗換えて『黒部ダム』駅へ。

黒部ダム到着後、少々遠回りになるが、200段ほどの階段を上り展望台へ上がる。(せっかくだしね)

Img_0196 黒部ダム展望台から

このダムの上を歩いて次なる黒部湖駅へと向かう。(名物ダムカレーを我慢して・・・)

因みに信濃大町から室堂までは ↓

『信濃大町』→バス→『扇沢』→トローリーバス→『黒部ダム』→徒歩→『黒部湖』→ケーブルカー→『黒部平』→ロープウェイ

→『大観峰』→トローリーバス→『室堂』へと乗り継いで行く。

黒部平から大観峰間はロープウェイ。

天候に恵まれれば良い眺めなのだが、この日は雨。

真っ白な雲の中で何も見えず。

何度も乗換えと、それに伴う待ち時間を過し9時29分頃、『室堂(標高2420m)』に到着。

Img_0199

レインウエアを着込み降りしきる雨とガスの中、この日のキャンプ地である雷鳥沢キャンプ場へ向かった。

あらためて地図を見てみると、室堂からキャンプ地まで50分の道のりと記されてある。

しかし、そんなに時間がかかった印象は無い。

そんな事より、道中の硫黄の匂いが凄かった!(因みにこの臭いを我が家では『卵っ屁』の臭いと言う 笑)

Img_0203 卵っ屁の匂いだ・・・と口ずさみ歩いた

キャンプ地へ到着後、雨の中テントを設営。

キャンプ設営料500円。

このテンバ水は0円!

『天然水です』と説明されたが、塩素消毒している為に塩素臭い!意味なし!

腹は減っていなかったが、荷物を減らす為にフリーズドライの昼食を食べた。

当初の予定では、この日のうちに立山三山を登るつもりだったのだが、雨と風の為に断念。

と言うか、眼に出来るはずの立山の景色を眼に出来ず・・・気力が萎えていたのかも知れない。

そんな事もあり、持って行った小説『破軍の星』をテントの中で読みつつ夕方まで過していた。

16時前、温泉に入るべく雷鳥沢ヒュッテへ。

立山の山小屋・ホテルには温泉が多い、さすが卵っ屁臭いだけある・・・。

雷鳥沢ヒュッテの温泉は男女共に?内湯と外湯があり、内湯は無色透明、外湯は乳白色のお湯だった。

始めに内湯を頂き(貸切状態)続いて外湯へ行くと初老の男性が入っておられた。

その男性と歓談しつつ入浴。

久々に硫黄の香り漂う温泉らしい温泉に入って満足。

入浴料は500円だったかな?

湯上がりにビール350ccを『ぐびっ』と、あおりテントへ・・・。

その時眼にした山小屋の外の温度計は、12℃をさしていた。

テントに帰るとテンバは水浸しの状態・・・マズイ。

モンベルのマットが水を吸っていたので、ゴミ袋をマットの上に敷き寝袋が濡れな様に工夫。

この日の目的は、山時間への順応!

19時過ぎに無理やり就寝。

温泉で会った初老の男性曰く、『明日は今日よりも良い天気』の言葉に期待してこの山旅のプロローグと言うべき初日を終えた。

翌日は、『五色ヶ原』を目指します。

                                                   つづく


下山!

2011年08月11日 | 2011北アルプスの旅

本日0時過ぎに帰宅。

 

今回の山旅も色々ありました。

雨の日が多くて大変だったけど、人との出会いも多かった。

愛知の50~60代の女性4・5人の方達。

関西のトレイルランナー。

岡山の40~50代?の男性4人パーティー。

大キレットで御一緒した10人だっけ9人?

とにかく、他にもあげたらキリが無いほど! 

そうそう、雑誌の取材班にも遭遇(美女!)。

 

疲れてるので、ブログ更新は追い追いで(笑)!