赤石岳
2018年01月10日 | 山
年末年始の雪山遠征。
今年は南アルプスは赤石岳に挑戦してきました。
技術・体力ともに今までにない難易度でしょう。
1日目。
博多より静岡駅まで新幹線で移動。
思いのほか早く着いたので、静岡に住む旧友夫妻に連絡を取り夜に会食。
突然の誘いにもかかわらず出てきてもらえて感謝ですな。
この日は駅近くの「ビジネスホテルよしみ」に宿泊。
おかみさんがとてもよくしてくれて、ありがたかったです。
みかんまで貰いました。
そして雪山に行くのだというと「絶対に無理しないように!」と何度も念を押されました。
この言葉のちに何度も思い出すことになります。
2日目。
おかみに呼んでもらったタクシーで畑薙第一ダム沼平ゲートまで行きます。
2時間強のドライブで到着。
途中車道でカモシカを見ました。
ゲートで登山届を書くと、指導員の方から「無理しないように」とまたもや念を押されます。
ここから17キロの林道歩きのスタートです。
25キロのザックを背負っての林道歩きは、ほぼ平坦ばかりとはいえ疲れます。
凍結した赤石ダム
やっとの思いで椹島に到着
今夜の宿
なかなか快適な小屋でした。
この日はここまで。
3日目。
この日が体力的には核心。
25キロの重荷を背負って赤石小屋まで上がります。
去年の塩見岳の時より重いのは、50メートルのロープとクライミングギアのせいでしょう。
心配していた通りの急登を頑張って登っていると…
いつの間にか夜明け。
今日は元旦。初日の出です。
あっさり明けました。
さらに黙々と登ります。
そして疲れ切ったところで…
歩荷返し!
いやなネーミングですね。
何とかクリアして赤石小屋に到着。
歩荷訓練をする暇がほとんどなっかたせいか、かなり堪えました。
心肺はまだ元気なのですが、足が上がらなくなってしまいました。
明らかにトレーニング不足。
九州の日帰り登山ばかりでは、南アルプスの雪山には不十分なのでしょう。
今夜の宿 赤石冬期解放小屋
この日は多くのパーティが泊まっており2階は満員でしたので、1人1階の物置スペースで寝ました。
ちょっと寂しくて、寒いですが個室と思えば贅沢といえるでしょう。
満月。明日も晴れろ!
4日目。
いよいよ頂上アタックの日です。
仕事の都合上、この日しか登頂のチャンスはありません。
まだ暗いうちにスタート。
少し歩くと赤石岳が見えてきました。
遠くが明るくなってきました。
あれは富士山ではないですか!
悪沢岳も見えてきました。
赤石岳
その向こうには聖岳
さらに日が昇り
悪沢が赤く輝きます。
赤石岳も
これが初日の出だったら言うことなしですが、今日は2日です。
今度は赤石岳が金色に輝きます。
小赤石岳
聖岳
悪沢岳
完全に夜が明けました。
富士見平に到着。
富士見平より聖岳
そしてこれから向かう赤石岳
では先を急ぎましょう。
小赤石岳へ向かうルート。
ラクダの背と呼ばれる尾根を行きます。
少しずつ近づく赤石岳。
ラクダの背を抜けると
その先は雪陵が続きます。
雪庇が張り出したナイフリッジが多く緊張します。
またこの日は先行者も後続者もおらず、膝下ほどのラッセルになるところも結構ありました。
後程赤石から下山してきたパーティとすれ違い、その後はトレースを使わせてもらい少し楽になりました。
さらに近づく赤石岳
反対側を観れば悪沢岳
こちらもいつかは行かねばなりませぬな。
そしてついに核心部の壁に到着。
うーん、これか…
しかし幸運なことにフィックスロープが出ていました。
これを掴んで何とかクリアすることができました。
ロープ無しのフリーソロだったらかなり恐ろしかったでしょう。
この核心を超えればすぐに小赤石だと思っていたのですが…
まだまだ続いていたのでした。
頑張って登りましょう。
赤石岳もだいぶ近くなってきました。
そしてついに小赤石岳に到着!
小赤石より富士山
悪沢方面
そして憧れの真っ白な赤石岳!
しかしながら、予定の時間をすでにオーバーしてしまっています。
無理をすれば行けなくもありませんが、その場合ナイフリッジや雪庇が張り出した雪陵を暗くなってから通過することになります。
しかも夕方にかけて天候が荒れそうな雰囲気。
悩んだ挙句ここまでにすることにしました。
いろんな人の、そして自分自身の「決して無理をするな」を思い出して諦めることにしました。
ただもう少しだけ近づきたくて、小赤石を下りてみました。
赤石岳 やはり近いようでまだ距離があります。
振り返る小赤石岳
小赤石よりもう一度赤石岳。ああ赤石岳よ!
暗くなる前にこの長い道を下らなくてはなりません。
当然下りのほうが難しいのです。
何度も振り返ってしまいます。
核心部ですが、フィックスロープは所々傷んでいたので自分のロープを出しました。
20m2ピッチの懸垂下降ですので50メートルロープがちょうどよかったです。
夕暮れの富士山
さらば赤石岳よ…
予定通り、ラクダの背を抜けたあたりで暗くなりました。
この先は危険個所がないのでヘッドライトで充分歩けました。
無事に小屋に帰還。
非常に悔しい結果ですが、妙に納得してもいました。
要は、技術・体力ともにこの山を冬に登るには至らなかったということでしょう。
現在の自分の実力がわかっただけでも良かったです。
それに小赤石まででも充分すぎるほどのことを学び、また感動もしました。
それでもやはり悔しいのですが。
この夜は小屋は1人きり。
泥のように眠りました。
5日目。
この日は椹島まで下ります。
沼平まで下ることもできますが、疲れたのでちょっとのんびりしようかと。
下りなので、豊かな自然を楽しむ余裕もあります。
椹島の小屋も貸切でした。
6日目。
朝早く出発。
最後に赤石岳にご挨拶。
とりあえず、いつか夏に再挑戦しようか。
そしていずれは冬期に!
さて、畑薙ダムまで下り公衆電話を発見。
予定通りにここからタクシーを呼ぼうとすると…
なんとテレホンカード専用公衆電話ではないですか!
もってません!
仕方ないので1時間ほど歩いて赤石温泉白樺荘に到着。
施設の人に静岡まで帰りたいのですと告げると、なんと14:30に1本だけバスが来るとのことでした。
温泉に入って、土産を買って、食事をすればちょうど良い時間でした。
少し時間はかかりますがタクシーより遥かに安くついたので助かりました。
良いところでしたよ。
何とか博多行きの便にも間に合い無事仕事始めもできました。
初の敗退となった今回の山行ですが、多くの貴重な経験をすることができました。
きっと今後の人生の糧となるでしょう。
そうでなければ困るのです。
今年は南アルプスは赤石岳に挑戦してきました。
技術・体力ともに今までにない難易度でしょう。
1日目。
博多より静岡駅まで新幹線で移動。
思いのほか早く着いたので、静岡に住む旧友夫妻に連絡を取り夜に会食。
突然の誘いにもかかわらず出てきてもらえて感謝ですな。
この日は駅近くの「ビジネスホテルよしみ」に宿泊。
おかみさんがとてもよくしてくれて、ありがたかったです。
みかんまで貰いました。
そして雪山に行くのだというと「絶対に無理しないように!」と何度も念を押されました。
この言葉のちに何度も思い出すことになります。
2日目。
おかみに呼んでもらったタクシーで畑薙第一ダム沼平ゲートまで行きます。
2時間強のドライブで到着。
途中車道でカモシカを見ました。
ゲートで登山届を書くと、指導員の方から「無理しないように」とまたもや念を押されます。
ここから17キロの林道歩きのスタートです。
25キロのザックを背負っての林道歩きは、ほぼ平坦ばかりとはいえ疲れます。
凍結した赤石ダム
やっとの思いで椹島に到着
今夜の宿
なかなか快適な小屋でした。
この日はここまで。
3日目。
この日が体力的には核心。
25キロの重荷を背負って赤石小屋まで上がります。
去年の塩見岳の時より重いのは、50メートルのロープとクライミングギアのせいでしょう。
心配していた通りの急登を頑張って登っていると…
いつの間にか夜明け。
今日は元旦。初日の出です。
あっさり明けました。
さらに黙々と登ります。
そして疲れ切ったところで…
歩荷返し!
いやなネーミングですね。
何とかクリアして赤石小屋に到着。
歩荷訓練をする暇がほとんどなっかたせいか、かなり堪えました。
心肺はまだ元気なのですが、足が上がらなくなってしまいました。
明らかにトレーニング不足。
九州の日帰り登山ばかりでは、南アルプスの雪山には不十分なのでしょう。
今夜の宿 赤石冬期解放小屋
この日は多くのパーティが泊まっており2階は満員でしたので、1人1階の物置スペースで寝ました。
ちょっと寂しくて、寒いですが個室と思えば贅沢といえるでしょう。
満月。明日も晴れろ!
4日目。
いよいよ頂上アタックの日です。
仕事の都合上、この日しか登頂のチャンスはありません。
まだ暗いうちにスタート。
少し歩くと赤石岳が見えてきました。
遠くが明るくなってきました。
あれは富士山ではないですか!
悪沢岳も見えてきました。
赤石岳
その向こうには聖岳
さらに日が昇り
悪沢が赤く輝きます。
赤石岳も
これが初日の出だったら言うことなしですが、今日は2日です。
今度は赤石岳が金色に輝きます。
小赤石岳
聖岳
悪沢岳
完全に夜が明けました。
富士見平に到着。
富士見平より聖岳
そしてこれから向かう赤石岳
では先を急ぎましょう。
小赤石岳へ向かうルート。
ラクダの背と呼ばれる尾根を行きます。
少しずつ近づく赤石岳。
ラクダの背を抜けると
その先は雪陵が続きます。
雪庇が張り出したナイフリッジが多く緊張します。
またこの日は先行者も後続者もおらず、膝下ほどのラッセルになるところも結構ありました。
後程赤石から下山してきたパーティとすれ違い、その後はトレースを使わせてもらい少し楽になりました。
さらに近づく赤石岳
反対側を観れば悪沢岳
こちらもいつかは行かねばなりませぬな。
そしてついに核心部の壁に到着。
うーん、これか…
しかし幸運なことにフィックスロープが出ていました。
これを掴んで何とかクリアすることができました。
ロープ無しのフリーソロだったらかなり恐ろしかったでしょう。
この核心を超えればすぐに小赤石だと思っていたのですが…
まだまだ続いていたのでした。
頑張って登りましょう。
赤石岳もだいぶ近くなってきました。
そしてついに小赤石岳に到着!
小赤石より富士山
悪沢方面
そして憧れの真っ白な赤石岳!
しかしながら、予定の時間をすでにオーバーしてしまっています。
無理をすれば行けなくもありませんが、その場合ナイフリッジや雪庇が張り出した雪陵を暗くなってから通過することになります。
しかも夕方にかけて天候が荒れそうな雰囲気。
悩んだ挙句ここまでにすることにしました。
いろんな人の、そして自分自身の「決して無理をするな」を思い出して諦めることにしました。
ただもう少しだけ近づきたくて、小赤石を下りてみました。
赤石岳 やはり近いようでまだ距離があります。
振り返る小赤石岳
小赤石よりもう一度赤石岳。ああ赤石岳よ!
暗くなる前にこの長い道を下らなくてはなりません。
当然下りのほうが難しいのです。
何度も振り返ってしまいます。
核心部ですが、フィックスロープは所々傷んでいたので自分のロープを出しました。
20m2ピッチの懸垂下降ですので50メートルロープがちょうどよかったです。
夕暮れの富士山
さらば赤石岳よ…
予定通り、ラクダの背を抜けたあたりで暗くなりました。
この先は危険個所がないのでヘッドライトで充分歩けました。
無事に小屋に帰還。
非常に悔しい結果ですが、妙に納得してもいました。
要は、技術・体力ともにこの山を冬に登るには至らなかったということでしょう。
現在の自分の実力がわかっただけでも良かったです。
それに小赤石まででも充分すぎるほどのことを学び、また感動もしました。
それでもやはり悔しいのですが。
この夜は小屋は1人きり。
泥のように眠りました。
5日目。
この日は椹島まで下ります。
沼平まで下ることもできますが、疲れたのでちょっとのんびりしようかと。
下りなので、豊かな自然を楽しむ余裕もあります。
椹島の小屋も貸切でした。
6日目。
朝早く出発。
最後に赤石岳にご挨拶。
とりあえず、いつか夏に再挑戦しようか。
そしていずれは冬期に!
さて、畑薙ダムまで下り公衆電話を発見。
予定通りにここからタクシーを呼ぼうとすると…
なんとテレホンカード専用公衆電話ではないですか!
もってません!
仕方ないので1時間ほど歩いて赤石温泉白樺荘に到着。
施設の人に静岡まで帰りたいのですと告げると、なんと14:30に1本だけバスが来るとのことでした。
温泉に入って、土産を買って、食事をすればちょうど良い時間でした。
少し時間はかかりますがタクシーより遥かに安くついたので助かりました。
良いところでしたよ。
何とか博多行きの便にも間に合い無事仕事始めもできました。
初の敗退となった今回の山行ですが、多くの貴重な経験をすることができました。
きっと今後の人生の糧となるでしょう。
そうでなければ困るのです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます