さんぽみちプロジェクト

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品種改良の恩恵は無くとも 家庭でも育てられる「メロンの種子」

2024-08-25 16:46:00 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、容易にできる「桃の湯むき」について取り上げた。
たいていの果実に存在し、食する人にとって少々厄介な存在が「種子」である。桃であれば、果実の中央に位置し、夏の風物詩のひとつ、スイカやメロンは中央部分に細かい種子が多数存在する。

スイカの種子を庭に飛ばし、そこから発芽したものが大きなスイカに育つのではと、子供心にワクワクした記憶がある。
先日、メロンの種子の一部がキッチンのゴミカゴに残り、知らぬ間にそこから発芽するという出来事があった。そもそも、果実の種子から二世代目の果実はできるのか。二十数年越しにその疑問について調べてみた。


【写真】発芽した「メロンの種子」

結論から申し上げると、食せる果実にまで成長するが、病気にかかりやすく、味が低下する可能性が高い。

その理由は、種子を持つ果実(親)は、そもそも、病気に耐性があるAという品種と、味に魅力があるBという品種を掛け合わせたCという品種であることが多い。同じ畑でCという同じ品種同士が交配してできた果実の種子は、親の品種と同じ(クローン)では無く、親の品種よりも劣る可能性が高くなるというもの。

通常、メロンの種まきの時期は3〜4月で、生育には25度以上の気温が維持されることが望ましい。今の時期に発芽してもこれから気温が下がる季節になるため露地栽培で果実になるまで育てるのは難しいが、春まで種を保管し、適切な時期に発芽させることはできる。

同じ労力をかけて育てるならば、病気に強く美味しさ重視の種子を購入したいところだが、自分が食した果実の種子から、次の果実を育てるというのも悪くない。

あまり実用的な情報ではないが、大人の夏休みの課題として笑納いただければ幸いだ。

(次田尚弘/和歌山市)
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