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鳥取県で栽培される源五兵衛 薄口醤油で癖が無い「とまり漬け」

2024-09-22 13:33:00 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
江戸時代から栽培が続く、和歌山の伝統野菜「源五兵衛(げんごべい)」を取り上げている。
前号では、古くから受け継がれる粕漬の製法と、その味わいについてお伝えした。
近年は、消費者の嗜好に合わせ、薄口醤油に漬け込まれた醤油漬けの販売が始まっている。
今週は、鳥取県の名産品となっている「とまり漬け」を紹介したい。


【写真】源五兵衛を加工した「とまり漬け」

和歌山市の布引地区を中心に栽培が広がった源五兵衛であるが、現在、県内での栽培は僅か。和歌山市と同様に砂地の地形が特徴の鳥取県では、源五兵衛が積極的に栽培されている。

主な生産地は湯梨浜町。鳥取県の西部に位置する。ここで栽培される源五兵衛を半年程度酒粕に漬けて寝かせた後、酒粕と塩を抜き、薄口醤油で浸ける。収穫から加工され出荷するまで約1年かけて出来上がったものが「とまり漬け」だ。

大変なのは加工の工程だけでなく、収穫も。とまり漬けに適した果実の大きさが直径5.4㎝から6.4㎝のものと定められているため、成長が早い源五兵衛は、朝に直径5.4㎝未満であっても1日で6.4㎝を超えるサイズになる。
そのため、農家は1日に複数回の収穫を余儀なくされるという。とまり漬け(鳥取県産)と源五兵衛(和歌山県産の粕漬)のサイズを比べると、とまり漬けの方が、果実のサイズが小ぶりであることがわかる。

食してみると、源五兵衛(粕漬)と比べ柔らかい。コリコリした食感は無く、巨大なオリーブを食しているような感覚である。サクサクとして粕漬特有の香りもなく、甘辛い醤油の味付けと、刻まれた鷹の爪のピリ辛さが絶妙である。
小さめのサイズで収穫され、外皮が薄いからなのか、醤油漬けによるものなのか、理由は定かでないが、柔らかくプニプニとした弾力がある。

(次田尚弘/和歌山市)

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