フリーメイソンに管理される日本
フリーメイソン(英: Freemason)は、会員同士の親睦を目的とした友愛団体。イギリスで発生し世界中に派生した男性の入社的秘密結社(「非公開団体」といっている)である。「フリーメイソン」は厳密には各個人会員の事を指しており、団体名としては英: Freemasonry(フリーメイソンリー)、仏: Franc-maçonnerie(フランマソヌリ)、独: Freimaurerei(フライマウレライ)である。以下、英語的な発音である「フリーメイソンリー」と記載する。なお本項目は「フリーメイソン」と記述しているが、日本グランド・ロッジの記述は「フリーメイスン」となっている。
概要
ロンドンのグレート・クイーン・ロードにある「フリーメイソンズ・ホール」。1933年に竣工し、イングランドのグランド・ロッジが入っている
活動内容
フリーメイソン日本グランド・ロッジの公式ホームページによれば、「会員相互の特性と人格の向上をはかり、よき人々をさらに良くしようとする団体」であるとされているが、具体的な活動内容は非公開である。対外的には学校設営や、慈善団体への資金援助などのチャリティ活動を行っており、日本では5月に子供祭り、8月にバーベキューが催され、これには会員以外の一般人も参加可能であるという。 会員同士の親睦を深め合うことも活動の一環であり、集会後の食事会も正式な活動である。初期のロッジは、レストランやパブ、居酒屋が多かった。
特徴
フリーメイソンリーは、原則として国や州を単位とする、グランド・ロッジと呼ばれる本部があるものの、全体を統制する総本部はない。ただし、最初にグランド・ロッジの成立した、イングランドのグランド・ロッジによる認証が本流であるとする認識から、これを「正規派」「正統派」と称し、同グランド・ロッジが認証しないロッジは非正規な存在と見なされることが多い。以下の「#会員数」「#入会条件」も、正規派とされるフリーメイソンリーの例である。
グランド・ロッジはプロビンシャル・グランド・ロッジ (Provincial Grand Lodge) やディストリクトグランドロッジ (District Grand Lodge) と呼ばれる県・地域支部、および直轄に管理されるロッジで構成され、県・地域支部はロッジと呼ばれる支部から構成される。ただし、活動規模の小さい国や地域では、グランドロッジは県・地域支部を置かず、ロッジを直接管理している場合もある。日本においては厚生労働省認可の財団法人「東京メソニック協会」と任意団体「日本グランド・ロッジ」傘下のロッジ群の2形態で構成され、メソニック協会所有の建物に日本グランド・ロッジが入居し、各ロッジの福祉関連事業は財団の事業予算で支援されている。また、イングランド系、スコットランド系、フィリピン系、アメリカ・マサチューセッツ州の系統、アメリカ・ワシントン州のプリンス・ホール系(黒人系)ロッジが日本グランド・ロッジとは別系統で存在する。それらの殆どは在日米軍基地内にある軍事ロッジ(軍人により設営されるロッジ)である。
ロッジは他のロッジから認証されることで、フリーメイソンのネットワークに加入できる。あるロッジの振る舞いがフリーメイソンリーとして不適切であった場合、他のロッジはそのロッジへの認証を取り消すことで排除する。正式名称が Free and Accepted(承認された) Masons であるのはそのためである。
会員は"Brother"(兄弟)と互いに呼びあう。会員は秘密の符牒(ふちょう)で「兄弟」かどうかを見分け、「兄弟」はいざという時は助け合うことになっている。欧米には有力者の会員も多いため、さまざまな場面で有利に働くことがあるという。ただし、ロッジには外の問題を持ち込まない決まりになっているため、即物的に利益が得られるわけではない。
会員数
会員数は、同じく日本グランド・ロッジによれば、世界に約300万人。『朝日新聞』に明らかにしたところによれば、日本での会員数は約2000人で、多くは在日米軍関係者。日本人は300人程度という。
入会条件
1800年頃の入会儀式の一部入会資格として何らかの真摯(しんし)な信仰を要求しており、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教(以上アブラハムの宗教)の信徒はもちろん、仏教徒などであっても入会できるが、無神論者、共産主義者は入会できない。たとえ信仰する宗教があったとしても、社会的地位の確立していない宗教(例として新宗教各派)である場合は入会できない。ただし、特定の宗教を信仰していなくても、神(あるいはそれに類する創造者)の存在を信じるものであれば、入会資格はある。これらの信仰を総称して、「至高の存在への尊崇と信仰」と呼ぶ。
そのほかの入会資格として、成年男子で、世間での評判が良く、高い道徳的品性の持ち主であり、健全な心に恵まれ、定職と一定の定収があって家族を養っていること、身体障害者でないことが求められる。ロッジ会員の投票で全会一致の承認を得た上で、さらに身辺調査を行い最終的に決定する。また、入会時には4万円から6万円程度の一時金が必要である。そしていざ入会する際には儀式の暗記と宣誓の暗唱が求められる。そのため事前にコーチが付いてレクチャーも行われる(なお、昇級においても儀式の暗記と宣誓の暗唱が求められる)。入会を拒否された場合でも、一定期間を置いて再申請は可能。 儀式の中にはソロモン神殿の築家棟梁ヒラム・アビフの伝承等をメイソンの理念に絡めた演劇を行うものが存在する。
日本グランド・ロッジでは、月に1度無料説明会を行っている。1970年代には会員数が5000人規模に達したが、その後減り続け、2000人規模まで落ち込んだ。2006年、『ダ・ヴィンチ・コード』が映画化され、これを観た入会志望者が増加。無料説明会を開くようになった。しかし、広報担当の渡辺一弘によると、「人脈作りを期待したり、秘密結社という想像を膨らませたりして入って、期待と違うとやめていく人が多い」という。
また、ロッジにおける政治活動も禁じられており、宗教や政治問題を持ち込んではならないとしている。
自分が会員であることを隠す必要はなく、会員であることを公言している人もいる。ただし、自分以外の会員について、その者が存命中に会員であることを公表することは禁じられている。入会勧誘は内規で禁じており、公募はしていない。入会には2人の推薦者(保証人)が必要とされる。
外部の取材については、かつては厳しく制限していたが、近年はグランドマスターの就任式を公開したり、テレビカメラの前で会員が儀式劇を再現するなど少しずつ情報公開に方向転換している。ちなみに、日本グランド・ロッジの儀式見学を許された初めての取材者は赤間剛である。これはあくまで外部取材についての話で、会員のジャーナリストはこれ以前から少なからず存在する。
女性は入会することができないが、第3階級マスター・メイソンの妻、母、姉妹だけが入会できる外郭団体イースタン・スター (The International Order of Easten Star) が存在する。女性が入会できない理由は、石工職人団体時代において、女性が男性と同様の危険な作業を行うことが困難であったことに起因している。
また、一部のロッジでは、女性会員を認めているところもあるが、多くのロッジでは伝統などを理由にこれを認めておらず、排除している。ちなみに女性会員の場合でも呼び方は「シスター」ではなく「ブラザー」である。
なんとなく怖い。