ガタガタと鳴らして急行電車が多摩川橋梁を渡っていく。
河原では家族連れや若者達のタープテントのオリーブやブルーが満開だ。
この陽気だもの、BBQで缶ビールもご機嫌だろう。
渋谷のスクランブル交差点は午前中から人の波。
久しぶりの呑み鉄放浪は、渋谷の地下ホームから田園都市線を西へと向かう。
中央林間行きの急行電車は東京メトロの車両、車両にはパープルのラインが流れている。
渋谷は半蔵門線との結節点。乗務員交替のやや長めの停車の後、地下駅を滑り出す。
多摩川橋梁から溝口までは複々線になっていた。大井町線が延伸していたんだね。
長津田駅で途中下車する。こいのぼりが泳ぐ「こどもの国」 へ向かう支線を潰さないと。
長津田を発車して横浜線をオーバークロスすると、車窓はいよいよ田園都市の様相。
トンネルを潜る毎に、視界に占める緑の広がりが増して行くように感じるね。
紅いラインの急行電車は、つきみの駅を過ぎると地下へと潜って中央林間に終着する。
戦時中に小田急が開いた西口は、昔ながらの商店街が延びる。
東口は瀟洒な駅ビルから碁盤の目状に広がるベットタウン。東急が開発した町だ。
東口から歩いて3分、めざす蕎麦処「まるぬき」がある。今日はここで昼飲みを愉しむ。
ジョッキーまで程よく冷えて、キンキンの一番搾りを乾いた身体に流し込む。美味いね。
肴は "かも塩焼き" と "だし巻き"。酒は辛口が良い、"越後桜" がグラスから升へと溢れる。
越後平野は水原、白鳥飛来地で知られた瓢湖の近くに蔵元が在る。
芳醇辛口を一合愉しむうちに蕎麦が茹であがる。〆にせいろを一枚ズズッといただく。
新しい田園都市で江戸の「粋」を気どった土曜日の午後なのだ。
東急電鉄・田園都市線 渋谷~中央林間 31.5km
こどもの国線 長津田~こどもの国 3.4km 完乗
プレイバックPart2 / 山口百惠 1978