旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

酒と肴と男と女 那須家宗庵@中浦和

2024-05-15 | 日記・エッセイ・コラム

初鰹の季節ですね。今日のおすすめ “初カツオのたたき” を見つけて、声を上げたのは同時だったね。
あいにく土佐の酒はラインナップになかったから、先ずは奈良の “春鹿” を択ぶ。
今宵、ふたりして西へ旅してみようという趣向でね。ラベルに遊ぶ鹿を見て「修学旅行見たいね」と微笑む。

調子に乗って二杯目も奈良の酒、“百楽門” は備前雄町で醸した甘口の生酒、白身魚に合いそうだね。
これは絶品、“長ネギの天ぷら” を抓みながらに杯を重ねる。
ところで “新ホタルのごま和え” に “生カスベの唐揚げ” と、アテは勝手に日本海側を北上していく。

修学旅行はバスを連ねて大阪に入る。この “秋鹿” は山田錦の山廃純米生原酒、濃醇辛口な男酒が旨い。

この店の蕎麦は、のど越し良い “二八そば” と、甘みが強い “あらびきそば” の2種類を手打ちする。
前者はくるみ汁で、後者は本枯れ節のつゆで味わう。

〆の蕎麦前には、穏やかな香りと軽快な口当たりの純米酒 “琵琶のさざ浪” が美味しい。
「あらっ京都には寄らないのね」と彼女がつぶやく。
いやいや、京都に寄らずに帰路の新幹線に乗ってしまったようだ。すでに車窓を琵琶湖が流れていくのだ。

悲しみがとまらない / 稲垣潤一 & 小柳ゆき