旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

風を感じて! 白亜の蒸留所とZと八ヶ岳高原ライン

2024-12-01 | 単車でGO!

楓が真っ赤に色付いて、赤岳(2,899m)から吹き下ろしてくる風が冷たい。
八ヶ岳高原ラインを駆け上がって、まきば牧場までやって来た。谷の向こうには清泉寮が見える。

急に山が見たくなった。10時を回ってから中央フリーウェイに飛び乗る。
澄んだ秋の空だから、富士、甲斐駒、八ヶ岳はその秀麗な姿を見せてくれるだろうか。

韮崎ICを降りたらR20を信州方面に向かう。10年ほど前に甲州道中を歩いたのがなつかしい。
見覚えのある火の見櫓から右手に旧道を入ればそこは台ヶ原宿。
閑静な集落の中に “七賢” の山梨銘醸と “信玄餅” の金精軒が在って、そこだけ賑わいがある。

ロッジ風の建物は、七賢が直営するレストラン臺眠(だいみん)がある。
ここでは「発酵」の技を活かした酒蔵の伝統料理を味わうことができる。

択んだのは “甲州豚の塩糀づけ焼き”、七賢塩糀で漬け込んだ富士桜ポークが美味しい。
これに “麦ご飯” と “とろろ” がよく合う。田舎汁が泣かせるね。

ここからZで10分、南アルプスの麓に抱かれて白州蒸留所がある。
どうやらリニューアルしたばかりの白亜の蒸留所は完全予約制に変わっていて、今回は入場が適わなかった。

ところで白州からの八ヶ岳は美しい。
もう時計は15時を回っているんだけど、この山容にもう少し近づきたくなる。

無茶を承知で小淵沢ICを通過、右に左にZを倒し込んで八ヶ岳高原ラインのワインディングを駆け上がる。
徐々にシルエットに変わっていく八ヶ岳連峰と眼下に見渡す色付き始めた高原がキレイだ。

さてと震えて帰るか、山裾を下っていく赤や黄と競うように麓のICを目指してZを走らせるのだ。

<40年前に街で流れたJ-POP>
悲しきダイアモンド・リング / 稲垣潤一 1984