旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

温泉街の蒸留所でクラフトジンを愉しむ

2024-08-24 | 旅行記

オーク樽をテーブルにして、外国人のカップルがジンを楽しんでいる。
投宿した旅館から下駄を鳴らして温泉街を漫ろ歩く夕方、野沢温泉蒸留所を訪ねることにした。

銅板のサインボードを手がかりに、民宿が並ぶ細い道を登っていく。
えっ、こんなところにあるのと訝しみながら進むと、突然に洒落たテラスが現れた。

ガラス張りの建屋は2階の高さまで吹き抜けて、無骨な木枠の棚には真新しいオーク樽が天井まで積み上がる。
樽たちにはシングルモルトが寝かされて、琥珀たちはやがて訪れる出番を夢見て、熟成の時間を待っている。

2022年12月に開業した野沢温泉蒸留所だから、未だウイスキーをリリースしていない。
その代わり、50年の時を隔てて湧き出た雪解け水、地元産のボタニカルで抽出したクラフトジンが味わえる。

ブルーラベルの “NOZAWA” は、爽やかな味わいのシグネチャードライジン。すぎの香りがするね。
和風のテイストのボタニカルクラフトジンは、ブラックラベルの “CLASSIC DRY”、山椒が効いているね。

“IWAI” は、レモン、スモモ、桜の葉が効いている。春の味わい、新緑と祝いの季節を表現したグリーンラベルだ。
これまた春を感じる爽やかなテイストは “SHISO”、アップルウッド、赤紫蘇、青紫蘇の風味だそうだ。

ガラスの向こう、胴が鈍く光る蒸留釜を眺めながら、深い眠りにつくシングルモルトの樽に語りかけながら、
ゆっくりと食前酒のボタニカルジンとの時間を愉しんで、夏の終わりの陽は傾いていく。

さてと、旅館に戻っての宴は、水尾に北光正宗に、北信濃の酒肴を思う存分味わおう。

<40年前に街で流れたJ-POP>
夢伝説 / スターダストレビュー 1984 



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