7・8番ホームに昔ながらの蕎麦スタンド、出し汁の匂いに誘われてついつい券売機のボタンを押してしまう。
“山菜そば” を択ぶ。ワラビにタケノコ、そばと対極にあるその食感も楽しみながら春を先取りした気になる。
冷え込むこの時期、ワンコインで身も心も温まる一杯、おまけに旅情も演出する立ち喰いそばが好きだ。
在来線ホームに唯一残った4号店、新幹線高架に覆われた薄暗い階段下で「野州そば」のサインが浮かび上がる。
JR東日本フーズにまとめられて、すっかり独自色が失われたメニューラインナップがちょっとさびしい。
下野国の異称「野州」を冠するんだから、栃木ならではの尖ったメニューがあれば再訪するんだけど。
頑張って欲しいなぁ。3年半を暮した宇都宮にはそれなりの思い入れがあるのだ。ごちそうさまです。
file-011
ラブ・ミー・テンダー / 松本伊代 1982