旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

Biz-Lunch 坂途中の焼き鳥屋くら@大塚「にんにく醤油だれロースステーキ」

2025-01-14 | Biz-Lunch60分1本勝負

日が暮れたら寄りたい店をまた一つ見つけました。大塚に。
大塚駅を背に都電沿いの坂を上ること3分、そう店の名前だって “坂途中の” 焼き鳥屋、気取っているね。

小さいけれど小綺麗なお店だから、客層は御同輩諸氏ばかりかOL嬢も見かける。
カウンターには津々浦々の地酒やオリジナルの蔵出し焼酎など、魅力的なラインナップが並ぶ。

日替わりの3種類のメニューから “にんにく醤油だれロースステーキ” を択ぶ。
そして黒胡椒に塗れて焼き上がったロースステーキが登場、下半分はにんにく醤油だれに浸かっている。
箸で摘んだロースをしっかり醤油だれをくぐらせて口に放り込む。美味。
小鉢の “豚と大根の煮付け” に “ポテトサラダ” はいい仕事をしているし、お椀の “豚汁” が嬉しい。

これは近々仕事帰りに寄りたい。こうしてお気に入りのカードが増えるのは楽しい。ごちそう様でした。

<40年前に街で流れたJ-POP>
恋、はじめまして/岡田有希子 1984


高幡不動尊とボルネオのご同輩ととん平焼きと 京王動物園線を完乗!

2025-01-12 | 呑み鉄放浪記 私鉄編

ホーム先端部にある構内踏切の警報音が響くなか、ピンク色した4両編成が勾配を下ってきた。
「キッズパークたまどうトレイン」と言うらしい。今回はこの賑やかで楽しいラッピング電車で短い旅をする。

高幡山明王院金剛寺は関東三大不動の一つに数えられ、高幡不動尊として親しまれている。
時節柄たくさんの参詣者を迎え、境内には露店が並んで賑やかだ。

京王線や多摩モノレールに乗って高幡不動を過ぎるとき、一瞬キラッと光るモノが目にはいる。
そのキラりの主、お不動様の五重塔の相輪(そうりん)が、ピンと張り詰めた青空に映えている。

お勤めが終わったら延長2キロ所要4分の短い旅に出る。動物園線がここ高幡不動駅から分岐している。
それにしても近代的な駅ビルは地元の方には誇らしいかもしれないけれど、
お不動様を訪れる参詣者には、門前の駅らしくないその姿は、ちょっと拍子抜けかもしれない。

1番ホームに停まっていたのは、7000系のラッピング電車。
ボディーはピンクのチークを塗って、動物園や京王あそびの森のキャラクターが描かれている。
小さなお子さんでなくても、ちょっとハッピーな気分になれそうだ。

車内はというと、ぞう、とら、となかい、ぺりかん、が描かれてる。なん両目に乗るかで喧嘩しないかな。
寒い季節だからかも知れないけれど、休日というのに案外車内は閑散としているね。

33‰の急勾配をS字カーブで繋いで多摩動物公園駅に到着、ここまでわずかに4分の乗車になる。
そういえば車窓右側には多摩モノレールが並走して、オレンジの電車がゆったり走っていた。

短い4両編成が閑散としている原因の一つが、多摩モノレールの開業だろうね。
多摩動物公園への乗客を控えめに言って半分は譲っているだろうし、かつて朝夕を満員にした
中央大学や明星大学の学生はごっそり持っていかれただろうし、厳しいものがありそうだ。

京王あそびの森 HUGHUG、屋外アスレチック HUGTRATOPS、京王れーるランド、
駅前には初めて目にするレジャー施設の案内板がツリーになっている。
鉄道会社が利用者確保のため、多摩動物公園と親和する子ども向け施設をオープンさせたようだ。

せっかく此処まで登ってきたから、600円のチケットを買って園内を巡ってみる。
若い親子連れに混じってだから、ちょっと照れくさいけれど、ご同輩を訪ねてみようと思ったのだ。
斜面を転がるミカンを追って、ボルネオオラウータンが来園者にサービスショットをプレゼント。
森の人のゆったりとした立ち振る舞いは、大衆酒場の隣に居合わせそうなオヤジさんにも思える。

すっかり日も暮れたから、開店時間に合わせて、ガラガラっと酒場の引き戸を開ける。
大手チェーン店がほとんどの小さな駅前で、ほとんど唯一と思われる赤ちょうちんだ。

まずは “生ビール” を、お通しに出てきたのはキャベツ、マヨネーズを添えてね。お店なりを伺えず残念。
店内では大村崑が戯けたり、松山容子が微笑んだり、この辺りの昭和レトロは楽しい。

お酒のことを聞いても、兄さん、よく分からないようなので今宵はホッピーにする。
アテは “焼きなす” と大粒の “かきフライ” を並べる。昼抜きで歩き回ったからお腹は空いている。
ナカをお代わりする頃に “とん平焼き” が焼きあがって、ちょうど良い感じの〆になった。

時計が18時を回るころには、なん組かの地元の若者が連れ立って来て、そこそこ席が埋まってきた。
4人座れるカウンターはまだ呑み人だけだけれど、そろそろお会計かな。
調理場もホールも若い子が頑張っているけれど、大人がひとり呑みするクオリティーではないなぁ。
ちょっぴり物足りなさを感じながら、新宿に戻る快速に飛び乗る、京王多摩動物線の呑み鉄旅だ。

京王多摩動物園線 高幡不動〜多摩動物公園 2.0km 完乗!

<40年前に街で流れたJ-POP>
HOLDING OUT FOR A HERO / 麻倉未稀 1984


酒と肴と男と女 鳥昇@浦和

2025-01-09 | 津々浦々酒場探訪

今宵は雪国の酒で酔うと決めた。まずは “ゆきつばき”、山田錦で醸した純米吟醸は新潟らしい淡麗辛口だ。
そしてこの “肉どうふ” が絶品、モツ煮の鍋で煮込むのかな?豆腐の色が変わるほど煮込んであるね。

飛び込んだ駅近の老舗っぽい焼きとり屋は、木目調のカウンターの奥に二人掛けのテーブルが並ぶ。
乾杯は “ハートランド” って、ふたりが同じものを択ぶのって珍しいと、顔を見合わせて苦笑する。

とりあえずは “やきとり” を塩で、“つくね” は辛子明太子とチーズを1本ずつ焼いてもらう。
この注文が素人っぽくて良いでしょう。実際そうなんだけどね。

コップから升へ “ゆきつばき” が溢れたら、ネギ、ししとう、しいたけを焼いてもらう。
あと “タコのお刺身” ね。これっ箸休めにいいでしょう。

“なす焼き” は生姜で食べると美味しい。すでにここが焼きとり屋ということを忘れているかも。
酒は “住吉” の特別純米に代わっている。これまた雪深い置賜に蔵元がある。
ササニシキを醸したこの酒は、あえて濾過をしないそうで、薄い山吹色をしている。

一昨年の初秋、富山地方鉄道の呑み鉄旅で訪ねた黒部の “銀盤” を品書きに見つけた。こういう再会は嬉しい。
穏やかな香り、まろやかな口当たりの淡麗辛口が美味しい。
こいつをチビリチビリ飲みながら、〆の “おやこなべ” を突っつく。出汁玉子でとじた鶏で温まる。

コートの襟を立てる夜、温かい料理を並べて杯を重ねる幸せ。また日本酒、付き合わせちゃったね。

Piece Of My Wish  / 稲垣潤一&辛島美登里


Biz-Lunch 洋食屋@浦和「ナポリタン」

2025-01-07 | Biz-Lunch60分1本勝負

油で煤けたピンクのテントにカバのシェフのマークが目印、窓のない店舗は一見さんにはちょっと入り辛い。
意を決してドアを開けると、中はいかにも昭和っぽい雰囲気の「洋食屋」という名の洋食屋さんです。

何年ぶりかの訪問で、択んだメニューは “ナポリタン”。
これっずいぶん手の込んだひと皿で、オーソドックスな具材のほかにゴロッとナスが入っていて、
トマトのクリームソースが旨味たっぷり、仕上げにジェノベーゼソースがかかっている。
美味しい、申し分なく。

連れが択んだのは “ミックスグリル”、ビーフ、ポーク、チキンを焼いたけっこうな豪華版。
特に網目状の焼色がついた厚切りのビーフが美味しそう。
塩加減バッチリ、熱々のポテトがいい感じで、ジョッキーのビールのアテにいただきたい。

値段はちょっと高めかな、老舗人気店のプライドを感じるね。あと御同輩には高カロリーかも。
レトロな雰囲気×抜群の美味しさ、高単価×高カロリー、んっやっぱり前者が勝っちゃうよね。

ランチに再訪して他のメニューを楽しむもよし、週末のディナータイムも試してみたい。
そんなことを思う、満足なランチなのであった。

<40年前に街で流れたJ-POP>
The Stardust Memory / 小泉今日子 1984


深大寺そばとブレイブルーパスと桑乃都と 京王線を完乗!

2025-01-05 | 呑み鉄放浪記 私鉄編

府中駅の高架ホームに特急京王八王子行きが駆け込んでくる。
この7000系は、呑み人が学生時代にデビューした車両だから、ずいぶん貫禄がついたね。

さっきまでの眩しいハイビームを落として、新宿駅の3番ホームに特急が終着する。
LEDの行先表示はすでに折り返しとなる京王八王子に変わっている。今日は京王線で呑む。

地下2階の下り線ホームから這い出ると、駅舎という主を持たない駅前広場が広がっている。
11番のりばから三鷹行きのバスに乗って15分、久しぶりに足を延ばして深大寺そばを啜ろう。

深大寺はご存知のとおり天台宗の古刹で、釈迦如来像は国宝に指定されている。
どちらかと言えば「だるま市」とか「深大寺そば」の方が有名だろうか。

っと言うことで、如来様に手を合わせるのもそこそこに、護摩行の念仏が響く境内を抜けて、
門前に蕎麦挽く水車が回る蕎麦処の暖簾をくぐる。時間にして11時半、なんとか待つことなく席を占める。

この店の定番酒は出雲の “王録”、東京ではちょっと珍しいけど、出雲だけに蕎麦とは親和性があるだろうか。
五百万石で醸した超辛をチビチビやりながら蕎麦を待つ間が楽しい。

あとクラスに一杯を残したタイミングで、本日限定の “炙りきつねそば” が着丼する。
温かいそばに、おろし蕪、香り柚子、生海苔をのせて、この香りには冬を感じる。
そして最優秀助演は、香ばしく炙ったお揚げ、ほどよく出汁を含んでいるけど、パリッと食感もある。
先ずは木杓子でひと口出汁と香りを楽しんで、あとは一心不乱にズズっと啜る。美味しい。

調布を発った特急が飛田給という駅に臨時停車するという。なっ何ごと?こういう時は降りてしまうに限る。
コンコースに吊り下がる大きなサッカーボール、青赤と緑のフラッグ、そうか味の素スタジアムの最寄駅か。

人波に紛れてボクも駅から北へと流されてみる。歩くこと6〜7分、あっさりとスタジアムに至る。
どうやら真っ赤なジャージの東芝ブレイブルーパスの試合みたいだ。リーチ マイケルが所属するチームね。

納得がいったら、次の特急停車駅府中までコマを進める。
1990年代に連続立体交差事業を終えた府中駅は、高架ホームに駅ビルを併設した都会的な駅だ。

南口に抜けると「ラグビーのまち府中」のモニュメントを見つけた。
なるほど、東芝ブレイブルーパスとサントリーサンゴリアスの2チームが府中を拠点にしているからね。

そのまま欅並木を南に進むと大國魂神社の大鳥居を潜ることになる。
大國魂大神(おおくにたまのおおかみ)を武蔵国の守り神としてお祀りした神社は大きくて威厳に満ちている。
武蔵の国府もここに置かれたから、まさに武蔵の國の中心地であったわけだ。

府中を出ると、京王線は一旦進路を南に変え、やがて轟音を立てて多摩川橋梁を渡ると、
聖蹟桜ヶ丘の駅構内までかかる大きな右カーブを切る。こうして進行方向を西に向けると旅の終わりは近い。

聖蹟桜ヶ丘を過ぎると多摩丘陵が迫ってくる。高幡不動で動物園線を分岐し、
北野で高尾線を振り分けると、ほどなく地下に潜ってその旅を終える。
休日の終着駅は降車する人も疎で、堂々の10両編成は案外寂しげに折り返しまでの時間を過ごしている。

京王八王子駅前に徐々に街灯が点り始める。
10年前に京王線を呑み潰した時より、ずいぶん閑散としたなぁと思うのだが、
駅ビルの京王八王子ショッピングセンター(K-8)が閉鎖になったことが影響しているようだ。

今宵の一杯は京王八王子から徒歩5分、JR八王子からも離れる閑静な住宅街の店。
コンセプトは『農夫と尼の逢瀬』と言うから面白い発想、八王子野菜を使用というのも関心がある。

やはり生ビールで慣らし運転、お通しでさっそく八王子野菜が登場、華やかな盛り付けですね。
あなご棒鮨が美味しかったし、この生姜がまたいい。最初から日本酒で行くべきだったか。

“塩炒銀杏” を割りながら「今宵の目玉」と睨めっこ、よくできたお品書きだと思う。

甲州街道沿いに小さな酒造場がある。“桑乃都” は当に八王子の地酒だ。
“帆立をなめるな安岡盛り” という威勢のいいメニューを択ぶ。果たして安岡とは生産者か料理人か?
それでもチーズ焼きとバター焼きは1粒で2度おいしい。ちなみに呑み人は後者を推す。

二杯目は青梅の澤乃井酒造 “純米吟醸 蒼天”、旨味の豊な酒とお見受けした。
アテは “飯田葱のどろぶた巻き”、地元生産者の名前を冠しているだけあって、甘みのある美味しいネギだ。
これも出汁醤油とスパイス岩塩のハーフハーフで、抓まんでいて楽しい。

さて人気店の小上がりは、地元の方であらかた埋まって19:00。そろそろお暇しますか。
旨い多摩の趣向を堪能して、かなり満足度の高い京王線の旅なのです。

京王線 新宿〜京王八王子 37.9km

<40年前に街で流れたJ-POP>
いっそセレナーデ / 井上陽水 1984


旅の途中 2025. 明けましておめでとうございます!

2025-01-01 | 日記・エッセイ・コラム

明けましておめでとうございます。
首都圏では穏やかな青空が広がった元旦です。

すべての人が穏やかに暮らせる令和7年であって欲しいと願っています。

新年の口開けは永井酒造さん(群馬県川場村)の “水芭蕉” にしました。
純米大吟醸の新酒が詰まった、華やかな「2025干支ボトル巳」は縁起物です。

永井酒造さんにはよく通った時期がありまして、
春の田植え、夏のホタル鑑賞、秋の稲刈り、冬の蔵開き、
四季折々の自然との触れ合い、その後の野外大宴会が楽しかった覚えがあります。

今年はどんな 風景、人情、酒と肴 に出会えるでしょう。
とりあえずはディーゼルの揺れに身を委ねてみましょうか。

本年もよろしくお願いいたします。
旅の酒場でお会いしましょう。

呑み人

ディーゼル / 六角精児バンド


呑み鉄放浪記「車止めのある風景」2024.

2024-12-31 | 日記・エッセイ・コラム

終点の引込線もないどん詰りの無人駅、錆びた線路は100mほど延びて車止めに塞がれる。
気動車の低いエンジンは虫の音と調和し、その排気は蜃気楼の様に秋の空を揺らしている。
鄙びた駅舎、つがいで飛ぶ赤とんぼ、お国ことば
車止めのある風景が好きだ。思えば遠くへ来たもんだ的なね。呑み鉄の旅のクライマックスでもある。

2024年の旅は、首都圏の私鉄の焼き直しが多かったから、
たくさんの車止めを写真に収めたけれど、この郷愁とは無縁の風景だった。
臺鐡の菁桐車站も内湾車站も賑わいのある観光地の駅だったからね。

さて来たる年は、カップ酒かウイスキーのポケット瓶を忍ばせて、文庫本片手に
未だ呑み潰していないJR四国、JR九州、地方私鉄を旅できたらなぁと思う。
どんな車止めのある風景に出会えるか、今から楽しみなのだ。

それでは皆さま、酔いお年をお迎えください。

ウイスキーが、お好きでしょ / 南佳孝


紅葉の名残と天狗様とダイヤモンド富士と 京王高尾線を完乗!

2024-12-28 | 呑み鉄放浪記 私鉄編

都心から電車で僅か45分、四季折々の大自然を求めて、たくさんの人が高尾山を目指す。
世界有数の登山客数を誇るこの山への主要なアクセスは京王高尾線、この休日は高尾山で呑む。

本線の京王線はこの先ひと駅で終点となるのに対して、高尾線は北野駅で分岐すると約9キロの山登り。
築堤と切り通しをを繋いで、8000系はS字を描きながら、最大35‰の勾配をグイグイと登る。

高尾駅を出ると2つのトンネルを潜って14分、あっという間と言ってしまえばそれまでの高尾線の旅。
単線から別れた2本の線路は、高尾山の中腹に行手を遮られて、もうこれ以上登れそうにない。

とろろ蕎麦で一杯の誘惑を断ち切って、情緒のある商店街を抜けると、正面に清滝駅が見えてくる。
ここからは高尾登山電鉄のケーブルカーが、標高472mの山上駅までわずか6分で運んでくれる。

迎えに来てくれたのは黄色のボディーに若葉の帯を巻いた「あおば号」だ。

高尾山ケーブルカーの最急勾配は608‰、日本の鉄道の中において最大なのだそうだ。
そり返るように勾配がきつくなっていくから、トンネルの向こうに山麓駅(清滝駅)は見えない。

淡い冬の陽光を浴びて、まだ残っていた紅葉がキラキラと煌めく。
入れ違いに山を下りていく「もみじ号」が纏う橙の帯が風景に溶け込んでいくようだ。

ここまで来たからには高尾山薬王院に詣でる。
浄心門から男坂の階段を上って山門、っと御本尊・飯縄大権現の随身 天狗様2体が睨みを利かしている。

御護摩祈祷が聞こえる御本堂の脇からさらに登ると、朱に彩られた御本社が美しい。

もう少し標高を欲張ると、やがて標高599m、高尾山頂に辿り着く。遠く聳える高層ビル群は横浜になる。
今日は「ダイヤモンド富士」が見れるから、多くのハイカーが山頂で粘っている。

あらっ空は青空なのにパラパラと冷たい雨があたってきた。これだから山は侮れない。
さてっと人混みを抜け出して、ケーブルカー駅近くまで戻ったボクは一軒の茶屋に入る。

寒いんだけど薄っすらと汗をかいた身体に、キリンラガー633の苦味が沁みる。
“みそおでん” の甘い味噌ダレと案外合うから面白い。

もう一皿は、わらび、蕗のとう、竹の子を並べて “山菜盛り合わせ”、これは本格的で日本酒を誘う。

さて下地はできた。この後、高尾山口でとろろ蕎麦で一杯やろうか、新宿で酒場の暖簾をくぐろうか、
大いに思案しながら下りの「もみじ号」に乗車するのだ。

京王高尾線 北野~高尾山口 8.6km 完乗
高尾登山電鉄 清滝~高尾山 1.0km 完乗

京王高尾線 北野~高尾山口 8.6km 完乗
高尾登山電鉄 清滝~高尾山 1.0km 完乗

<40年前に街で流れたJ-POP>
LA VIE EN ROSE / 吉川晃司 1984


Biz-Lunch 何駄感駄@東池袋「チキンカレー」

2024-12-25 | Biz-Lunch60分1本勝負

中層のオフィスビルにちょっと派手目なオレンジの看板「何駄感駄」ナンダカンダ?
コツコツと階段を降りていく、っと50席ほどの明るい雰囲気のダイニングバー。
このご時世、ターミナルで40年続いている(愛されている)お店って、たいしたものですね。
近くの首都高下で先代が営んでいた居酒屋の頃からの常連さんも、今でも通っているそうです。

池袋オフィスの主のような先輩社員にお連れいただいて、ボクもコツコツと階段を降りる。
この日の日替わりランチは “チキンカレー”。
からっと揚がったチキンにトロッとしたスパイシーなカレーがかかって美味しい。
X'masメニューのお裾分けらしいタルタルソースたっぷりの “つくね” が同乗して、今日はちょっとおトク。

池袋 Biz-Lunch のカードになりそうなナンダカンダ。いずれ夜の帳が下りてから訪ねてみたい。

<40年前に街で流れたJ-POP>
ヤマトナデシコ七変化 / 小泉 今日子 1984


Biz-Lunch BAROSSA@東池袋「野菜カレー」

2024-12-18 | Biz-Lunch60分1本勝負

ウッディーな店の庇には、サンタクロースが載っていたり、トナカイが駆けていたり、
きっとディナータイムにはキレイに彩られるだろうなっと思う東池袋の BAROSSA だ。
この本格派洋風料理とオーストラリアンワインの店、ランチタイムの主役はスープカレーなのだ。

グツグツと土鍋が音を立て、いろいろ野菜と半熟卵が入った “野菜カレー” が登場する。
深いブイヨンスプーンで、陶器のライスにスープカレーをかける度、スパイシーな香りが辺りに広がる。
赤々としたスープは心地よいピリ辛で、ナス、玉ねぎ、じゃがいも、オクラ、マッシュルームと賑やかだ。
ひと口ひと口スプーンを運ぶごとに、この旨味と香りに引き込まれていく。美味しい。

冷え冷えとしたこんな日は、スパイスの効いた BAROSSA のスープカレーは如何だろうか。

<40年前に街で流れたJ-POP>
星屑のステージ / チェッカーズ 1984


Biz-Lunch 幸龍軒@大塚「味噌葱チャーシュー麺」

2024-12-11 | Biz-Lunch60分1本勝負

下町の路地にひときわ目立つ黄色い庇、朱書きで「モツあんかけラーメン」と抜いてある。
テーブルには赤いパイプの丸イス、壁一面にメニューの写真と短冊がペタペタと。これぞ街中華。

そして今日の “味噌葱チャーシュー麺” が着丼。
ちょっと小ぶりな丼に麺がぎっしり入っている。なんだか汁物というイメージではないなぁ。
ピリ辛の葱が山盛りで、サイコロ状のチャーシューが散りばめられて見た目よし。
レンゲでスープを一口、んっ美味い。コクがあってニンニクが利いて食欲を唆る。
あとはひたすらに麺を啜る。ネギといっしょにスープを絡めてね。

満腹を抱えてオフィスに戻る。乾いた北風に背中を少し丸めてね。
口の中に残ったスープのコクと、薄っすら滲んだ汗が今日ばかりは心地よい。
ご馳走さまでした。

<40年前に街で流れたJ-POP>
東京Sugar Town / 堀ちえみ 1984


大人のたしなみ 肴喰人@大阪 本町

2024-12-04 | 大人のたしなみ

母と娘で切り盛りしていると云う立ち呑みが丼池筋にある。最寄りの駅は本町か堺筋本町か。
ここはホテルと大阪オフィスを行き来して見つけた店、今宵はこの店のカウンターに立ってみたい。

娘さんがサーバーのレバーを引いて “Premium Malts”、いい感じの泡がグラスを飾る。
本日の魚は 真鯛、マダコ、しめ鯖、この厚切りが嬉しいね。はやく日本酒に代えないと。

日本酒のライナップを拝見して、大阪駅から寝台列車に乗るつもりで西へと旅に出たいと思う。
先ずは岩国に途中下車して “雁木” をいただく。ノ壱はしっかりとした味の無濾過純米生原酒、山田錦だね。
アテは抹茶塩で “わかさぎ天ぷら”、季節を感じてこの苦味が美味しい。純米酒によく合う。

岩国から岩徳線のディーゼルカーに乗って周防高森、ご存知 “獺祭” の蔵元がある。
スタンダードの純米大吟醸45、これも山田錦、香り華やかで甘味がある酒ですね。
寒くなってきたからこの頃だから “鶏×水菜×豆フ” が嬉しい。出汁がきいて旨い。温まるね。

なかなか美味しい、居心地の良い店ですね。大阪出張の際のカードが一枚増えて、収穫の多い夜になりました。

<40年前に街で流れたJ-POP>
恋人達のペイヴメント / THE ALFEE  1984


布多天神社と鬼太郎と天狗舞と 京王相模原線を完乗!

2024-11-30 | 呑み鉄放浪記 私鉄編

大きなカーブで横浜線と相模線を跨いだ9000系が、ステンレスを茜に染めて橋本駅に進入する。
LEDはすでに折り返しの本八幡の行先表示になっている。今回は相模原線を旅している。

調布駅からは真っ直ぐ北へ延びる参道があって、正面に布多天神社の鳥居が見える。
布多天神社は少名毘古那神(スクナヒコナノカミ)を祀り、延喜式に名を連ねる古社である。
菅原道真公を配祀しているから、臥して動かない御神牛が本殿を見つめていた。

天神通り商店街の中ほどには「鬼太郎茶屋」って店があって、親子連れやカップルで賑わっている。
なんでも調布は氏が長年創作活動を続けてきた街らしい。命日には「ゲゲゲ忌」なるイベントが催される。

参道にはうっかり見過ごしてしまうほど、キャラクターたちが街並みに溶け込んで居る。
原作と比べると、ずいぶん現代風に柔和な表情になっている、っと感じるのはボクだけだろうか。

相模原線の起点調布駅は、連続立体交差事業の完成により地下化された。
駅舎がない跡地は、バスが頻繁に発着するロータリーがなければ、ここが駅であるとは思えない。

相模原線のホームは地下2階の1番ホーム、おとなり2番ホームの京王線と連絡をとっての発車となる。
地下区間ならではの軽やかなホーンを鳴らして、ちょうど堂々10両編成の区間急行が滑り降りてきた。

調布を発った区間急行は、すぐさま90度の大カーブを描いて南へ転針する。
右手に東京オーヴァルを見て多摩川鉄橋を渡ると。二度目の90度の大カーブを切って再び西へ転針するのだ。

4つ目の若葉台には電車区が併設されていて、様々な表情の電車たちを見ることができる。
電車区から現れた赤いスカートを穿いた5000系は、クロスシートに転換して座席指定列車になる新鋭だ。

若葉台辺りから多摩丘陵に差し掛かり、鉄路には急勾配とトンネルが現れる。
そもそも相模原線の歴史は、この先広がる多摩ニュータウンに急速に増えた人口の都心へのアクセス確保にある。
その中心駅は多摩センター、発車案内板の傍で、駅長の格好をしたハローキティーが「出発進行」のポーズ。

先に小田急多摩線の呑み旅でご紹介したとおり、多摩センターはハローキティにあえる街。
女の子を持つ親御さんにはご存知、サンリオピューロランドがこの街にはあるからだ。

さてこの街にはもう一つ重要なキャラクターが居る。それが縞野さん宅の「しまじろう」だ。
サンリオピューロランドに通じるハローキティストリートに折れると、聳えているのがベネッセ東京ビル。
ビル前の広場には、まるで睦まじい兄妹のようなモニュメント、まぁ虎と猫だから親和性がある。

急勾配を駆け上がってくるのは10-300形、グリーンのイチョウのマークは都営線の車両だ。
終点橋本までのラストランは4区間、ひとつ手前の多摩境から先は神奈川県になる。

さて今宵の一杯はどこで?いや実は乗車前に天神通り商店街の「布多天神社」で蕎麦前を楽しんでいる。

“天狗舞” は霊峰白山をいただく石川の酒、旨味あり酸味ありの “旨醇” 濃い味の料理に合う。
アテは海苔入りの “だし巻き玉子” に “富山の板わさ” を択ぶ。昆布巻きにした蒲鉾ですね。
濃厚な出汁の一品と、さっぱりとワサビ醤油でいただく一品とで、ゆるりと蕎麦前のひとときを単横します。

蕎麦はと云うと “新そば” の食べ比べ、白い陶器は栃木県矢板産、角の陶器は石狩沼田産、どちらも名産地。
いずれも香り高く、指で摘んで食すと確かに味わいも違うなぁ。
でもそれ以上表現する知見も語彙も十分でない呑み人、まぁ美味かったと云うことでご容赦を。

さてっ9年ぶりの京王電鉄の呑み旅を始めたこの頃です。路線の数だけお付き合いくださいね。

京王相模原線 調布~橋本 22.6km 完乗

<40年前に街で流れたJ-POP>
Masquerade / 安全地帯 1984


Biz-Lunch 月見そばとカレー南蛮と ぎんねこ@浦和

2024-11-27 | Biz-Lunch60分1本勝負

急に寒くなったこの頃、10月には “冷やしたぬき” とか “冷やし中華” とか食べていたのに。
たしか先週は “月見そば” をいただいた。暖かいのが恋しい季節になりましたね。
昔ながらの一杯は、海苔にワカメにほうれん草、それにナルトをのせている。
ちょっと濃いめのつゆで楽しんだら、半ばで玉子を割ってマイルドに味変、最後まで美味しい。

さらに今年一番の冷え込みになったきょう、とうとう “カレー南蛮” をいただく。
お出汁の効いた蕎麦屋のカレー、なんでこんなに美味いのだろう。うっすら汗を浮かべてもこの一杯がいい。
そばを啜り終えたら(よせば良いのに)半ライスを追加、丼にそっくり投入して一粒で二度美味しい。

最近は週に一回ほど、浦和の街でランチを食べる機会がある。
モルタルの壁に立体的なサインの老舗は、呑み人が気に入っているお店のひとつだ。

<40年前に街で流れたJ-POP>
十戒 / 中森明菜 1984 1984


ウルトラマンと小田原城と松みどりと 小田急小田原線を完乗!

2024-11-23 | 呑み鉄放浪記 私鉄編

地上ホームからローズバーミリオンのGSE70000形が滑り出して来た。
こんな優雅な車両で箱根まで旅行したいと思うけれど、呑み鉄の旅は有料特急には乗らないのがルールだ。

そしてボクはと云えば、各駅停車の本厚木行きでのんびりと小田急線の旅を始める。
2019年度に完成した複々線、内側の急行線を快速急行やら急行が後から後から各駅停車を追い越して行く。

最初の途中下車は祖師ヶ谷大蔵駅、ここにはかつて特撮の円谷プロダクションがあった。
駅前広場には巨大なウルトラマンのモニュメントが屹立する。正に僕らの世代のヒーローなのだ。

ウルトラマン商店街(祖師谷きた通り)を北上する。
ある意味名所となった木梨サイクルを行き過ぎると、赤い看板の「祖師酒家」が見えてくる。
開店時間に飛び込んで、先ずは町中華で軽く一杯といきたい。

ゴマだれをたっぷりかけて “蒸し鶏サラダ” が登場。ヘルシーな一皿でしょう。
よく冷えた一番搾りのジョッキを片手に、さっぱりと蒸し鶏が美味しい。

“焼き餃子” を一つ放り込むと、ジュワーっと肉汁が口に広がる。
爽やかな “レモンサワー” で流して、ちょっと一杯のつもりが、案外満腹感のある昼呑みなのだ。

多摩川を渡って来たのは最新鋭の5000形、なかなか精悍なマスクの男前だ。
河川敷の野球少年を眺めて、小田急線は登戸から神奈川に入る。ここで急行に乗り換えて先を急ぐ。

新百合ヶ丘駅では1番線に待避して、追いかけてくるフェルメール・ブルーに先を譲る。
特急はこね93号は北千住を出て、大手町、霞ヶ関、表参道に停まって、千代田線を潜ってくる変わり種だ。

二度目の途中下車は伊勢原駅、北口に抜けると大山阿夫利神社の大鳥居がある。
そして④乗り場から「かなちゅう」の黄色いバス、臨時便に乗車して大山ケーブル山麓駅へ。
477‰の最急勾配をケーブルカーで登って、終点の阿夫利神社駅は標高678m、
振り返ると鈍く光る相模湾の向こうに三浦半島が横たわっている。

大山阿夫利神社を詣でた後は徒歩で山を下る。途中の大山寺は関東にあって紅葉の名所だ。
大山寺へと続く見上げるような階段の両脇には、ずらりと三十六童子像が並んでいる。
その前掛けと、階段に覆いかかぶさるモミジの色付きが、鮮やかな赤を競って楽しい。

弱々しい午後の陽を背負って、緑の切り通しをEXE30000形が新宿へと戻って行く。
大山に登ったら、伊勢原のひとつ先、鶴巻温泉に降りてくると良い。

鶴巻温泉駅の近くには公営の日帰り入浴施設「弘法の里湯」があって山歩きの疲れを癒してくれる。
湯に浸からないまでも、足湯に浸せば、帰りの小田急線に乗る足取りも軽くなるだろう。

そしてボクはハイカーとは反対のホームから、西陽を追いかけて小田原までラストラン。
この先の小田急線といったら、大小のカーブをくねり、谷間を抜け、トンネルを潜り、地方の幹線を行く様だ。
15:25、各駅停車は小田原駅の7番ホームに終着する。鶴巻温泉からは約30分の乗車となる。

冬至が近いこの頃だから、日没までは30分を残すだけだ。西口の北条早雲公にすでに陽は当たらない。
馬上の北条早雲公が睨みを利かせる先には小田原城天守閣があるはずだ。

急足で八幡山古郭東曲輪跡に登ってみる。
曲輪は戦国時代の小田原城中心部で、東海道新幹線を隔てて小田原城を一望するスポットだ。
深い青の相模湾を背景に、夕陽を浴びた天守閣が美しい。

日が暮れて小田原駅に戻ってきた。今宵は駅前東通り商店街(おいしいもの横丁)で一杯。
老舗の練り物屋や豆腐屋の種を仕込んだご当地おでんを梅味噌で味わう「小田原おでん本陣」に伺う。
この店、神奈川県下13蔵の日本酒を楽しめるのがポイント高い。

先ずは神泡の “The Premium Malts” を呷る。
本日のお刺身は、“ハナダイ” に “シロウマ” それに “カツオ”、厚切りの旬が嬉しい。

刺身に合わせて日本酒へと急ぐ。丹沢の “松みどり” は穏やかな香りの純米酒。
ボクは断然に冷酒派だけれど、これは燗をつけても美味しいんじゃないかな。やや辛が刺身によく合うね。
おでんは季節限定の「秋冬おでん」から択んで “大根そぼろあんかけ”、三種の薬味から柚子こしょうが良いかな。

もう一品は “ゆず味噌田楽焼きとうふ”、ご当地の梅味噌を付けながら箸で崩して美味しい。
大井町の “曽我の誉” は、酸味が強くて苦味も感じる純米酒、昆布とカツオ節の出汁と相性がよい。

ほどよく酔いがくる頃には、人気店の外には席待ちの列が出来ている。
それではっと升に残った純米酒をグイと呑んで「おあいそ」しましょうか。

ほろ酔いで小田原駅、帰りくらいはロマンスカーに乗ろうか。缶ビールでも買って。いやまだ呑むんかい?

小田急電鉄 小田原線 新宿〜小田原 82.5km 完乗

<40年前に街で流れたJ-POP>
Chance! / 白井貴子 1984