旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

走ると揺れて 止まると揺れて 山手線を完乗!

2017-12-28 | 呑み鉄放浪記

 『走ると揺れて 止まると揺れて 緑の電車は...』って石川ひとみが歌っていた。
やはり山手線のことかなと思いながら、夕暮れ東京散歩は山手線外回りを乗ってみる。 

港南口には高層ビルが立ち並び、品川はすっかり副都心の様相だね。 
山手線は品川~田端が正式、東京~品川は東海道本線、東京~田端は東北本線なのだ。 

 

発見その1、山手線のホームにも "駅そば" がある。
1・2番ホームの南跨線橋階段下に常盤軒、小母ちゃんの愛想と手際はNG。でも美味い蕎麦なのだ。

品川駅を発った11両編成は、車輪とレールを軋ませ、きつい半円を描いて大崎駅へ。
今度は左手から冬の西日を浴びて新宿方面をめざして走る。 

表参道口に建つ洋風の原宿駅舎は1924年6月竣工の二代目。都内のJR路線では最古の木造駅舎だ。
屋根上に尖塔が載ったその姿は、ヨーロッパの田舎町に迷い込んだような気になる。 

明治神宮参道をゆく。参道を往く外国人観光客には積み上げられた「菰樽」がとっても気になる様だ。 

本殿前で結婚式の列にであった。佳き日ですね。おめでとうございます。 

都会の喧騒が届かない杜の中に明治神宮はある。
真新しい銅版を葺いた屋根が冬の西日を鈍く反射している。夫婦楠が立派だ。
100年そこそこの歴史とは思えない荘厳な雰囲気なのだ。

2つ進めて新宿駅、靖国通りのガードの向こうに歌舞伎町の街並みが広がっている。
新宿駅へと減速する電車の窓から見る街灯りは馴染の情景だ。今では訪れることもない。

発見その2、山手線にも踏切がある。 駒込駅~田端駅間にある「第二中里踏切」だ。
酒場を探して降りた駒込駅、ホームの先端から線路を横切る車が見えた気がして歩いてみた。
踏切は武蔵野台地のピークに在って、幅員の狭い生活道路が山手線を横切っている。
駒込から全速で台地を駆け上がってきた電車は、ここを境に惰性で田端へと下りて行くのだ。

緑の電車は京浜東北線の複線に割り込むように田端駅に滑り込む。あと何周走るのか。
青い電車と乗客の交換を終えた11両編成は終わりのない旅を続ける。 

田端駅から歩いて5分ほど。「初恋屋」って甘酸っぱいネーミングの酒場が在る。
看板には魚河岸料理とある。新鮮な刺身が自慢の店だ。
常連さんで溢れる酒場にひとり暖簾を潜る瞬間はいつでも緊張する。
カウンターの隅にちょこんと座る。予約でいっぱいなので1時間の勝負なのだ。

 

まずは生ビール。お通しは枝豆、そして山盛の "ポテサラ"、これがなかなか美味しい。
刺身は、真アジ、スルメイカ、マグロ赤味、真鯛を切ってもらう。下駄の上に大盛で大満足。
酒は二本松「奥の松酒造」の "遊佐 純米吟醸"、爽やかな香りとやや甘の酒は刺身にも合う。 

 

7時を過ぎた頃、予約客が入ってきたので席を空ける。次回はゆっくりと味わいたい。
店を出て暖簾を眺める。どうも雰囲気と屋号がしっくりこない。まあいいか。
そう云えば彼女、『恋を無くして 泣いた日がある』って歌っていたっけ。

山手線 品川~田端 20.6km 完乗

君は輝いて天使にみえた / 石川ひとみ



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