東京に唯一残る都電荒川線、いつのまにか「東京さくらトラム」と愛称がついている。
その面目躍如となるのが飛鳥山、花びら舞う音無橋のカーブをトラムが下って行く。
都電の旅を早稲田から始める。早稲田停留場は新目白通りに大きな安全地帯を占めている。
面影橋から学習院下は、かつてはサンシャイン60をバックにした撮影スポット。
今ではタワーマンションが立ちはだかっているね。
学習院下からの登り勾配を唸りを上げて駆け上がると鬼子母神前。
停留場から続くケヤキ並木を通って、安産・子育の神、鬼子母神堂を訪ねる。
樹齢約700年の大公孫樹(おおいちょう)が立派だ。
境内の駄菓子屋は親子連れに大人気、子どもには発見で、親たちには懐かしい?
雑司ヶ谷から台地を下ってくると、都電は大塚でJR山手線とクロスする。
庚申塚で途中下車、ホームには甘味処「いっぷく亭」がある。手づくりおはぎが人気だとか。
軌道が渡るのは旧中山道(巣鴨地蔵通り)、とげぬき地蔵に向けて賑やかになる。
八代将軍徳川吉宗でが整備した飛鳥山公園は、300年前からの庶民の行楽の地。
約600本のソメイヨシノ・サトザクラが咲き誇って華やかな雰囲気なのです。
園内にある「渋沢記念館」は、新紙幣デザインの発表以来、賑わっているのではないだろうか。
行程の半ば、王子停留場でJR京浜東北線と連絡した後、都電は下町をひた走る。
荒川車庫に併設の「都電おもいで広場」は土・日曜開放、小さな子どもは喜ぶんじゃないかな。
さくら色のトラムが西日に輝く。早稲田から三ノ輪橋までは1時間、意外と長旅だ。
ひとつ手前の荒川一中前停留所から、軌道に並行してアーケードが延びている。
映画に出てきそうなレトロなジョイフル三ノ輪商店街をぶらつくのも楽しい。
さて、昼飲みができる名物酒場に一見さんが割り込める席は無く、王子まで戻る。
柳田公園に面した「宝泉」は地元で人気の大衆酒場、生ホッピーが飲める。
コの字カウンターが2つ、まだ空いているのに、女将からきっちり座席を指定された。
どうも三々五々やってくる常連客に定位置があるようなのです。
お約束の "ハムかつ" に "マグロぶつ"、氷が入らないから "生ホッピー" は大盛りだ。
日本酒は燗も冷やも "白鹿" 一本、冷酒は300mlを二種類置いている。
"純米樽酒" の香りを楽しみながら、甘辛の出汁がきいた "肉豆腐" が美味しい。
さて、常連さんで席が埋まってきた。居場所がなくなる前に都電の旅を終えよう。
都電荒川線 早稲田~三ノ輪橋 12.2km 完乗
俺らの家まで / 長渕剛 1979
『宝泉』さんは私のような貧乏呑兵衛には行けそうにないです...
そう言えば私も先日、三茶で著しく“よそ者を見る目”を浴びせられましたよ
~
王子も掘ればまだまだ興味深い店がありそうですね。
宝泉で飲んだことはありますか?
"せんべろ" の類いだと思いますよ。
生ホッピーが良いですね。