たけのこっこ

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沖で待つ

2006年05月20日 | 読書
 5月20日(土)

『沖で待つ』 第134回芥川賞受賞 
絲山秋子の作品、ayumichan推薦の一冊である。

住宅設備メーカーに同期入社した男女の、仕事を通して結ばれた友情と信頼の物語。
どちらかが死んだら残った方が相手のパソコンのHDD(ハードディスクドライブ)を破壊する約束をする。
男性が不慮の事故で亡くなり女性は約束を果たすべく部屋に忍び込んでHDDを取り出し、銀色の円盤を破壊していく・・・。

短編なので手軽に読める。

赴任先で苦労を分ち合った二人は楽しいのだが不思議と恋愛関係にはならない。
サラッとしているだけに失った時の虚しさが伝わって来る。
HDD、男性の人生の証。それを消す時の気持ちってどんなんだろうか・・・。
自分の人生の幕を降ろして欲しいって事なんだろうね。
これが、信頼ってものなのか・・・。

OAシステムのパソコン概要の授業で弁当箱のようなHDDを見ました。
本を読んだ直後だったので、この中に人生が詰まっているのかと思うと感慨ひとしおものでした。




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