昨年ショパンの曲を全曲演奏されたピアニスト、遠藤郁子さんの「ショパンの遺言」というテーマの演奏と講座を聴いてきました。
中学2年生のときカセットテープで初めて幻想即興曲の演奏に出会いました。なんてすばらしい曲なのだろう、そして素早く指が動くのだろう、こんな美しい曲が弾けるのだったら私もピアノが楽しかっただろうに、と思えました。ショパンは本当に天才だと思いました。しかしそう思ったのは、残念ながらピアノを中断した後の話でした。演奏者の名前をみたら「遠藤郁子」とありました。こんなに美しい曲をここまで感動的に演奏した遠藤郁子さんにあこがれ、うらやましく感じました。きっと素敵な人なのだろうと。
その後いろいろなピアノ曲やピアニストに出会い、音楽やピアノの世界も広がりましたが、中学生の時の幻想即興曲との貴重な出会いをもたらしてくれた遠藤郁子さんが横浜に来られるとなれば行かないわけにはいかないと思い、行くことにしました。遠藤さんは乳癌を克服され、お母さんの介護をされながらピアノを続けられています。ショパンの「音霊」を伝えられる方だとも言われています。おかっぱ頭で着物を着てピアノを演奏される方だという印象もありました。
遠藤さんは今日ははっぴにもんぺ、そして足袋というお姿で出てこられました。この時世だからでしょうか。地震のあった3月11日は次の日のショパンのリサイタル(歌舞伎の舞台も考えられていたそうです)に向けて茨城県にいらっしゃったそうです。リサイタルは中止になったそうですが、震災後自分にもなにかできないだろうか、と考えられ、チャリティーリサイタルの開催をされているそうです。
ちなみに遠藤さんは被爆経験が3回おありで、しかもそれを克服されたそうです。1度目はチェルノブイリ事故後ユーゴスラビアにいらしたとき。乳製品を体の中に入れるとよくない、と言われていますが、ユーゴスラビアの食事にはチーズは欠かせないのでどうしても食べる羽目になったそうです。2度目は乳癌の治療で放射線治療を受けた時。このとき放射線のこげたようなじりじりとした匂いも感じたということです。3度目はワルシャワに行った時。車はあるのに人がいなくておかしい、と感じたので尋ねたところ、オゾン層の穴があいているところだったらしく、そのときは避けたほうがよい場所だったそうです。現地の人たちから情報を得る必要があると感じられたそうです。
そして今回の地震後も放射線からの克服法を茨城(だったと思います)の親戚に伝えたとのこと。どういうことをされたのか、というと、盲腸部(右下腹)を数回、上にすり上げられたそうです。(盲腸がない人でも右下腹をさすりあげるといいそうです)そうすることで愉気(手をあてて気をおくる)そうです。癌で放射線治療を受けている人が体力を回復させるために実際に行われていることらしく、ユーゴスラビアから帰国されたときにアドバイスを受けたそうです。また海藻類もたくさんとるといいそうです。そうすることで、体内に放射線を体の外に出されたそうです。
それにしてもそのような話をたんたんとされていた遠藤さんはタダものではない、と思いました。厳しい試練を乗り越えられて語られる言葉、語り口は静かでありながらも力強いものを感じました。
演奏されたピアノ曲は全曲ショパンです。
プレリュード20番(大震災で犠牲になられた人たちへの追悼の意をこめて。オルガンでもよく弾かれる曲だということです。私もショパンコンサートで弾いたなぁ)
ノクターン20番 (映画「戦場のピアニスト」で使われた大変有名で美しい曲です)
エチュードOp.10-12 革命
ワルツ3番
幻想即興曲 (○年前の記憶をよみがえらせながら聴きました。指の動きはカセットの演奏ほどスムースではありませんでしたが、あのときの思い出がよみがえってきました。)
スケルツォ3番 (ジョルジュ・サンドとのマジョルカ島への逃避行のころの作品。この作品の由来についてはあまり語られていないようですが、ジョルジュ・サンドの小説との関連性があるとも言われています。汚れた世界に激しい怒りのなかに差すきらきらとした光が輝いています。大好きな曲だそうです。)
マズルカ (番号を忘れました、すみません。心のこもったいい演奏だったのですが。。。)
幻想ポロネーズ (英雄ポロネーズを予定されていたのですが、震災後ということで変更されました。最後の歓喜の部分はまさに力強い希望をあらわしています)
音霊を伝える、というだけあって、出される音の重みを感じました。指の動きは少したどたどしいところもあったし、解釈もすべてぴったり、しっくりときたわけではありませんが(私が書く分際でもないのですが)、試練を克服され力強く生きてこられたというのが伝わってくる、骨太な演奏だったと思います。ノクターン20番、ワルツ3番、スケルツォ3番、マズルカの演奏が気にいりました。一音一音、考えながら納得されながら、そして語りかけるように弾かれていました。
勇気を与えられるいい講座だったと思います。
そうそう、仏教用語に「諸行無常」というのがありますが、これは「人生は変化に満ちているのだから、いいこともたくさんあるよ」と解釈するといいというゲストの方の話もよかったです。
中学2年生のときカセットテープで初めて幻想即興曲の演奏に出会いました。なんてすばらしい曲なのだろう、そして素早く指が動くのだろう、こんな美しい曲が弾けるのだったら私もピアノが楽しかっただろうに、と思えました。ショパンは本当に天才だと思いました。しかしそう思ったのは、残念ながらピアノを中断した後の話でした。演奏者の名前をみたら「遠藤郁子」とありました。こんなに美しい曲をここまで感動的に演奏した遠藤郁子さんにあこがれ、うらやましく感じました。きっと素敵な人なのだろうと。
その後いろいろなピアノ曲やピアニストに出会い、音楽やピアノの世界も広がりましたが、中学生の時の幻想即興曲との貴重な出会いをもたらしてくれた遠藤郁子さんが横浜に来られるとなれば行かないわけにはいかないと思い、行くことにしました。遠藤さんは乳癌を克服され、お母さんの介護をされながらピアノを続けられています。ショパンの「音霊」を伝えられる方だとも言われています。おかっぱ頭で着物を着てピアノを演奏される方だという印象もありました。
遠藤さんは今日ははっぴにもんぺ、そして足袋というお姿で出てこられました。この時世だからでしょうか。地震のあった3月11日は次の日のショパンのリサイタル(歌舞伎の舞台も考えられていたそうです)に向けて茨城県にいらっしゃったそうです。リサイタルは中止になったそうですが、震災後自分にもなにかできないだろうか、と考えられ、チャリティーリサイタルの開催をされているそうです。
ちなみに遠藤さんは被爆経験が3回おありで、しかもそれを克服されたそうです。1度目はチェルノブイリ事故後ユーゴスラビアにいらしたとき。乳製品を体の中に入れるとよくない、と言われていますが、ユーゴスラビアの食事にはチーズは欠かせないのでどうしても食べる羽目になったそうです。2度目は乳癌の治療で放射線治療を受けた時。このとき放射線のこげたようなじりじりとした匂いも感じたということです。3度目はワルシャワに行った時。車はあるのに人がいなくておかしい、と感じたので尋ねたところ、オゾン層の穴があいているところだったらしく、そのときは避けたほうがよい場所だったそうです。現地の人たちから情報を得る必要があると感じられたそうです。
そして今回の地震後も放射線からの克服法を茨城(だったと思います)の親戚に伝えたとのこと。どういうことをされたのか、というと、盲腸部(右下腹)を数回、上にすり上げられたそうです。(盲腸がない人でも右下腹をさすりあげるといいそうです)そうすることで愉気(手をあてて気をおくる)そうです。癌で放射線治療を受けている人が体力を回復させるために実際に行われていることらしく、ユーゴスラビアから帰国されたときにアドバイスを受けたそうです。また海藻類もたくさんとるといいそうです。そうすることで、体内に放射線を体の外に出されたそうです。
それにしてもそのような話をたんたんとされていた遠藤さんはタダものではない、と思いました。厳しい試練を乗り越えられて語られる言葉、語り口は静かでありながらも力強いものを感じました。
演奏されたピアノ曲は全曲ショパンです。
プレリュード20番(大震災で犠牲になられた人たちへの追悼の意をこめて。オルガンでもよく弾かれる曲だということです。私もショパンコンサートで弾いたなぁ)
ノクターン20番 (映画「戦場のピアニスト」で使われた大変有名で美しい曲です)
エチュードOp.10-12 革命
ワルツ3番
幻想即興曲 (○年前の記憶をよみがえらせながら聴きました。指の動きはカセットの演奏ほどスムースではありませんでしたが、あのときの思い出がよみがえってきました。)
スケルツォ3番 (ジョルジュ・サンドとのマジョルカ島への逃避行のころの作品。この作品の由来についてはあまり語られていないようですが、ジョルジュ・サンドの小説との関連性があるとも言われています。汚れた世界に激しい怒りのなかに差すきらきらとした光が輝いています。大好きな曲だそうです。)
マズルカ (番号を忘れました、すみません。心のこもったいい演奏だったのですが。。。)
幻想ポロネーズ (英雄ポロネーズを予定されていたのですが、震災後ということで変更されました。最後の歓喜の部分はまさに力強い希望をあらわしています)
音霊を伝える、というだけあって、出される音の重みを感じました。指の動きは少したどたどしいところもあったし、解釈もすべてぴったり、しっくりときたわけではありませんが(私が書く分際でもないのですが)、試練を克服され力強く生きてこられたというのが伝わってくる、骨太な演奏だったと思います。ノクターン20番、ワルツ3番、スケルツォ3番、マズルカの演奏が気にいりました。一音一音、考えながら納得されながら、そして語りかけるように弾かれていました。
勇気を与えられるいい講座だったと思います。
そうそう、仏教用語に「諸行無常」というのがありますが、これは「人生は変化に満ちているのだから、いいこともたくさんあるよ」と解釈するといいというゲストの方の話もよかったです。