いろはにぴあの(Ver.4)

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演奏会に行ってきました オーケストラ・アンサンブル金沢 岩城宏之メモリアルコンサート

2014-09-07 | 気になる場所、風景

 金沢に演奏会に主人と行ってきました。オーケストラ・アンサンブル金沢の演奏会です。9月6日はオーケストラ・アンサンブル金沢の初代、そして永久名誉音楽監督でもある岩城宏之氏の誕生日だという事で、彼を追悼し讃える思いを込めて「岩城宏之メモリアルコンサート」を行っているのですが、今日がちょうどその日だったのです。指揮者はこの頃躍進ぶりが目覚ましく感じられる山田和樹氏、曲目はメンデルスゾーン2曲がメインというプログラム、富山に来て初めて行く生演奏にしたくなるような充実した内容です。

 会場に入る前、ロビーでヴァイオリンとチェロのアンサンブルがなされていました。オーケストラ・アンサンブル金沢のヴァイオリン奏者とチェロ奏者の方がサービスでされていたのですね!多くの方たちが聴き入っていました。曲目は、ジョゼフ・ギス、フランソワ・セルジェによる「ゴッド・セイブ・ザ・キング」でした。華麗な変奏曲になっていてどんな曲だろうと思っていたのですが、この曲は新たに知った曲ですね。イギリス国家がテーマになっています。演奏が多めに聴けたのと、温かい歓迎の気持ちが伝わってきて嬉しかったです。

 この演奏会の演奏者は

指揮:山田和樹

演奏:オーケストラ・アンサンブル金沢

    内藤淳子(ヴァイオリン、メンデルスゾーンヴァイオリン協奏曲ホ短調)

 

演奏会の曲目は

ウンスク・チン作曲 大アンサンブルのための「グラフィティー」

メンデルスゾーン作曲 ヴァイオリン協奏曲ホ短調Op.64

 休憩

メンデルスゾーン作曲 交響曲第5番作品107「宗教改革」

です。

 ウンスク・チン作曲の「グラフィティー」は2012年に作られた新作のアジア初演です。岩城宏之氏のメモリアルコンサートには新作が必ず登場しており今回はこの作品が採りあげられました。ロサンジェルス・フィルハーモニック協会、バービカン、ムジーク・ファブリック、オーケストラ・アンサンブル金沢によって作曲家のウンスク・チン氏に共同委託された作品であり、タイトル通り、落書き、しかも芸術の表現方法としても成り立つクリエイティブティのある落書きを表しています。実際演奏を聴いてみたら響きも独特で鳴らし方もなんというか普通ではない感じ。奏法の限界にもチャレンジしているように思えました。響きもところどころでぞっとする面がありました。特に不協和音があったからというわけではないのですが、こういう世界も音楽で表すことができるのだと感じました。よくも悪くも、現代曲のように思えました。

 メンデルスゾーン作曲のヴァイオリン協奏曲第5番になったとたんがらりと身近な雰囲気に。いいと思う曲を改めて聴くことで新たな感じ方ができるのではないかとの期待もありました。ヴァイオリンの内藤淳子氏は2014年岩城宏之音楽賞受賞を受賞された方で今日授賞式も行われました。すすりなくような哀愁溢れた出だし、かとおもったらほっとした雰囲気の表情の第1楽章から始まり第2楽章。美しいですね、今日はこの第2楽章の美しさを特にしみじみとかみしめることが出来たような気がします。第3楽章の軽やかにドラマチックに疾走する雰囲気でこの曲も幕を閉じました。

 休憩をはさんで同じくメンデルスゾーン作曲交響曲第5番「宗教改革」この曲はこちらに引っ越してきてからCDで聴いて、いいと感じるようになった曲なので、今日生演奏を聴いてさらに好感度がアップするような気がしていました。第1楽章から厳粛な出だし、山田氏のタクトもきっぱりとした感じでした。一方のどかな田園風景が感じられる第2楽章では一転、明るく伸びやかそのものの響き、溢れんばかりの喜びと躍動感が感じられました。音楽が目の前から生で作られているというのを直に感じることが出来ている気が。。。悲しく沈痛な雰囲気ながらも短い第3楽章から切れ目なく第4楽章に入る、ルター作曲の「神はわがやぐら」という曲

 

の旋律が序奏で登場し、そこから光り輝くような長調の旋律、そして一気に短調になりフーガに突入するのですが、このフーガに入った所がもうたまらなく好きなのです。長調の曲にちらりと短調の入ったフーガが登場すると弱いです(^^ゞ そして今日の演奏でもフーガの部分ではぞくぞくしっぱなし、山田氏のタクトの先から流れる音楽の壮麗さにただただため息。体全体を耳にして聴きました。このぞくぞくするフーガではまさに改革を進めるうえでの試練と向き合い乗り越えている所なのかもしれません。そしてフーガで試練を乗り越えたあと(?)再び長調に戻り高らかに終止。終わらないでほしかったのですが、終わってしまいました。そして今も第3楽章が頭の中をくるくると回っているのでした。

 オーケストラ・アンサンブル金沢、ところどころでよいという話を聴いていたのですが、さすがです、話に出るだけあって、小規模かもしれませんが美しいアンサンブルでした。指揮者の山田和樹氏もオケを見事に導いていたと思います。途中でユーモアあふれるトークも入るなど余裕も感じられました。これからの活躍が楽しみです♪それ以前に北陸地方にこのような素敵なオケがあったことが嬉しくて。。。満たされたひとときでした。