昨年公開されるや、大ヒットした新海誠監督の「天気の子」。観たいなあ~と思っていたのですが、このほどやっと、おうちで、ロードジョー公開!
……しかし、観た後の感想は微妙、というか、?の要素が大ですね。決して、明るく楽しい話でもないし、今コロナという疫病が社会を覆っている時期にあっては、身につまされる場面も端々にあります。
地球規模で公開されたアニメ映画なので、ご覧になった方は多いと思うのですが、ここでごく簡単にストーリーをおさらいすると、家出した主人公の高校生、帆高は、フェリーで東京へ向かう。しかし、身元もはっきりしない少年を雇ってくれるところなどあるはずがなく、彼はひょんなことで出会った零細プロダクションを経営するライター、圭介のもとで働くことになります。
なぜか、この作品で描かれる東京は、ず~っと雨が降り続いているという、ノアの箱舟的状況。そして、帆高が出会った少女陽菜(彼女も、両親がいなくて、小学生の弟と二人で暮らしている)に、つかの間、晴天を呼び起こせる「晴れ女」の超能力を持っていることがわかり、人々の願いにこたえて、彼女にその能力を生かすことを提案する。
しかし、晴れ女としての力を使い続けているうちに、陽菜の体は透き通ってゆき、やがて、空の上に姿を消してしまう――後半は、天気を変える能力を持つが故に、人柱としての役割を果たすことになってしまった彼女を、帆高が、空にまで追ってゆくという、ドラマチックな展開になっています。
でも、あんまり面白くない……鑑賞して、いい気分になれる物語ではないですね。最後、何年か過ぎた後でも、雨はずっと降り続け、東京の土地は幾分か水没してしまっているというエンドに至っては、「そりゃ、ないんじゃない」と叫びたくなります。
ディストピアと形容しても良いような、未来の東京の姿――現実だけでなく、想像の中でも、日本の未来には、明るい行く手は待っていないのかしら。
ストーリーが、後味が悪いというだけではなく、この作品で新海誠さんは、思いっきりこけてしまったように思います。はっきり、失敗作だったと言ってもいい。天気を変えるという、空の巫女と言ってよい陽菜にもキャラクターの魅力が薄いし、主人公の帆高にも、「拳銃をぶっ放すなんて、何やっているんだろう?」という感じで、共感しにくいですね。
「君の名は」の大ヒットから、世界的に評価されている新海さんですが、彼の作品には、かつての宮崎駿アニメにあったような、はちきれるような躍動感や華やかさがないのでは…?
一夜限りのエンディング映像を放送。
良かったですね!
https://blog.goo.ne.jp/onscreen/e/44a2aa2dd14ea4c2de9846213943d945