ノエルのブログ

シネマと海外文学、そしてお庭の話

メリー・ポピンズ リターンズ

2020-01-12 18:26:20 | 映画のレビュー

 

昨日は、寝室のTVにて、「メリー・ポピンズ リターンズ」を観た。これも、ディズニー映画の実写版。

遅きに失した感があるけれど、今になって、ディズニーというエンターティンメントの面白さや深みに開眼した私である。

さて、この映画は言うまでもなく、ジュリー・アンドリュース主演の名作「メリー・ポピンズ」(1964年)の後日談。制作されたのは、2018年だから、実に、54年振りの新作なのであります。

メリー・ポピンズと言えば、『岩波少年文庫』にも収められている児童文学の名作とされる作品。私も、シリーズすべてではないが、1、2巻は読んだ――しかし、「面白かったか?」と聞かれると微妙なところ。

お話としてはよくできていると思うのだけれど、主人公のメリー・ポピンズに今ひとつ親近感が持てなかったのだ。なんだか、つんけんとしているし、子供たちのナニー(乳母)として、愛情深いとかチャーミングなお姉さんというようなものではない。

私が小さな子供だったとして、メリーのようなナニーが突然現れたら、彼女に懐くだろうか? ちょっととっつきにくいような気がするのだが――でも、やっぱり、あの大きなトランクから不思議な魔法の品々を取り出してみせてくれたら、それはすっかり魅了されてしまうはず!

この作品「メリー・ポピンズ リターンズ」の中でも、その”つんけんさ”は、美人女優エミリー・ブラントの形を借りて、パワーアップした感がある。でも、やっぱり面白い!

前作は20世紀初頭の頃のロンドンが舞台だったと記憶しているのだけど、これはその25年後の大恐慌頃。かつては、メリーポピンズの庇護をうる子供だったジェーンとマイケル姉弟もすっかり大人になっていて、マイケルときては3人の子持ち。しかし、妻は一年前に亡くなり、自宅を抵当に入れ、苦しい日々を送っている。

まだ独身の姉ジェーンは、弟家族のサポートをしている……というわけだが、そんな一家の前に、まったく年を取らないままのメリーが再び現れる。三人の子供達のナニーを務めながら、メリーの力で一家の窮状が救われるというのが、全体のストーリー。

  

これが、(ジュリー・アンドリュースより大分美人の)メリーと、三人の子供達。ストーリーの面白さとは別に、私が深く感じ入ったのは、ロンドンの住宅の味わいがとても良く出ているところ。テラスハウスとか呼ばれるらしい、白い外観の棟続きの家々。玄関からは、やっぱり、白い小さな階段が何段か続いている――これは、この間、渡英した時もロンドンで、よく目にしたもの。上には煙突のある家々もあって、バーネットの「小公女」の舞台となったミンチン先生の学校も、こんな建物だったろうな、と容易に想像されたものだった。

      

やっぱり、こんな古き良き英国、大好きです。それが、ディズニーの魔法にかかっているのを見るのは、現実の向こう側にあるもう一つの世界に入りこむような体験をもたらしてくれるはず

 



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