11月19日に開かれた草加八潮消防組合議会で、新型コロナウイルス感染症の救急出動への影響について質問しました。
■新型コロナの救急出動の推移
草加八潮消防局(組合)において、令和2年中(1月~12月)の救急出動は1万5071件で、そのうち新型コロナウイルス感染症に係る救急出動は272件(1.8%)でした。令和3年1月~10月の救急出動は1万3444件で、うち新型コロナ感染症に係る救急出動は910件(6.8%)です。令和2年の救急出動件数は前年より減少していますが、新型コロナ感染症に係る救急出動は感染拡大により増加しています。
■救急出動の51%が現場滞在30分以上
これまでの新型コロナ感染症に係る救急出動件数は、令和2年3月から3年10月までに合計1182件です。そのうち搬送先を探すため救急隊が医療機関へ4回以上問い合わせた件数は130件にのぼります。感染拡大により医療ひっ迫が深刻となった令和3年8月には、問い合わせ回数が最大26回にもおよんだ出動があったとのことです。
また、救急隊の現場滞在時間が30分以上の出動は603件で、新型コロナ感染症に係る救急出動件数の51%に達します。なお、最長滞在時間は令和3年8月に5時間44分におよんだ出動があったとのことです。
■不搬送217件
救急隊は現場到着後、消防車の容態を観察し、陽性者と判明している場合は、保健所へ搬送に関する指示を仰いでいます。また、陽性疑いの場合は、埼玉県救急医療情報システムの情報を参考にして、救急隊が病院選定をおこないます。
消防局によると、新型コロナ感染症に係る救急出動件数1182件のうち、217件(18.4%)が最終的に搬送できない「不搬送」でした。 不搬送の主な理由は、保健所から傷病者の容態が安定していると判断を受けた場合や、医療機関への搬送対象であってもなかなか搬送先が決まらない場合、搬送先が決定しても遠方の医療機関であるため傷病者が搬送を辞退する場合などとのことです。(なお、理由別のカウントはおこなっていないため、217件の内訳は不明)
今夏の新型コロナ感染症第5派などにおける救急出動について消防局は、「猛暑の中、感染対策に気を配り、救急陽性の増加や陽性者の搬送先医療機関が決まらず、複数の救急車が長時間現場に滞在するなど、厳しい状況下での救急活動となりました」との状況を示したうえで、「市民の皆様が安心できる対応に努めてまいります」と述べました。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます