市民オペラ「夕鶴」、無事終了しました。私が殆ど毎週のように練習に参加していた児童合唱団のみんなは、「いい度胸してるよ」と感心させられる、立派な出来でした。
今まで「鶴の恩返し」という物語は、助けてもらった恩を返しにきた鶴を、誘惑に負けて覗いちゃったから、せっかく美しい女房になってくれたのに去って行っちゃったよ、程度の知識でした。
でも、今回の夕鶴を観て、つう(鶴)は与ひょうのことを本当に愛していたんだと、驚きました。与ひょうがお金の誘惑に負けていく中、つうが、雪の中で一人、成すすべなく、「おねがいします、おねがいします」と、何かにすがるように訴えるシーンと、最終場面で与ひょうが空に向かって「つうーー」と悲痛の叫びをあげるシーンを観て、私にはあることが浮かびました。
それは、何年も何年も経った後。
ある日、庭にやせた鶴が舞い降りてきて、当たり前のように与ひょうと一緒に暮らすこと。昔話を書いた人に叱られちゃいそうだけどね。