「おぐちゃん!腕ずもうやろう!」
「おぐちゃん、その口紅の色、少し似合うけど、あんまり似合わないね」
「おぐちゃん、サインして!」
居心地良かったです。久しぶりにおぐちゃんと呼ばれる日々。市民オペラ「夕鶴」の子ども達の中に、私の旧友の娘さんがいて、彼女から他の子に移って行ったようでした。中には、「ねぇ、まつもっちん」と呼ぶ子たちもいて、どちらにしてもニックネームで呼んでもらえて、嬉しい日々でした。
結婚して苗字が変わるまで、『おぐ、おぐちゃん』と呼ばれてきました。銀行で新人歓迎会をしていただいたときも(担当理事も出席で、比較的フォーマルな装いでちゃんと行われたパーティ)、同期の男子が緊張して真面目な挨拶を繰り広げる中、「おぐと呼んでください!」と挨拶して、一瞬にして顰蹙を買い、かぶっていた猫が台無しになった過去もあります(でも、その甲斐あって、未だに「おぐ!」と呼んでくれる元課長さえいます)。
夫婦別姓とか、旧姓への未練とかには殆ど無関心なんだけど(松本と苗字が変わるときにも、ほとんど抵抗なくあっという間に慣れた)、このニックネームを失ったことだけは、ちょっと切ない。